栃木県民はお正月にサメ料理を食べるってほんと?【日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編】

  • Oct 18, 2019
  • July 27, 2023
  • Asami Koga

日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編

日本には、全部で47の都道府県があります。

地域によって、街並みやアクティビティ、グルメなどの特徴が異なるように、地元の人々の県民性も様々。このシリーズでは、都道府県ごとの魅力や、ご当地あるあるを紹介し各県のローカル事情を掘り下げていきます。

今回取り上げるのは、関東地方の栃木県。日光東照宮やあしかがフラワーパークで有名な栃木県について一緒に学んでいきましょう!

日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編

「シャイ」で「話下手」でやや「慎重派」な栃木県民 長く付き合うほどに心を開き協力的になるスルメタイプ!

栃木県は、その地理的位置と日光東照宮があることから、現在の県になるまで、時代に合わせていくつもの小藩や幕府領に細分化されていました。

例えば、天下を統一した豊臣秀吉が、下野国における最大の領主で当時大勢力だった宇都宮藩を支配した時代のこと。秀吉の命を受けた大名・蒲生 秀行(がもう ひでゆき)が入封しますが、その後藩主が次々とすげ替えられ、さらにその後徳川幕府の時代になると、「奥州への出入り口となる交通の要所」であることから様々な大名に分割支配されていきます。さらに、徳川家は最大の聖地・日光山経営のために、栃木を幕府領だけでなく寺社領としてさらに細分化して支配していきました。

こうした歴史的背景から、栃木県は現在も地域によって文化が異なり、いち県としての連帯感や結束力に乏しい傾向があります。さらに、昔から権力の強いほうになびく日和見主義的な生き方をしてきたため、県民性としては保守的で、非常に生真面目ですが地域への愛着は薄く箕臼な傾向があります。

また、茨城同様、方言のアクが強いため、口ベタでシャイ。そのため、誤解を受けることも多いですが、付き合いが深まるにつれスルメのように味わいが出るタイプともいえます。

日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編

男性は保守的でシャイ、女性は献身的で浮気の心配はなし!

栃木県出身の男性と初めて会ったとき、最初は少し退屈に感じるかもしれません。しかし、時間の経過とともに、彼らが誠実で信頼できる人物であることがわかるようになります。また、栃木県出身の女性は控えめで、身持ちも固いので浮気の心配は少ないと言われています。

宇都宮は餃子だけじゃなく雷の街。中には雷保険に入る人も

日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編

宇都宮市は昔から「雷都」と呼ばれています。これには地形が関係しているそう。北側は日光連山や那須岳などの山地、南側は平野部となっており、南寄りの風が入りやすく、暖められた空気が山の斜面に沿って上昇するため雷雲が発生するそうです。「地震、雷、火事……」と恐れられてきたように、落雷による家電の被害に備えて、「雷保険」に入る人もいるとか。。。また、宇都宮地方気象台は同気象台は2021年までの10年間、保険金請求の根拠となる雷発生の気象証明書を79件も発行したそうです。

このように、栃木県民は雷に耐性があるため、雷が鳴ってもあまり驚きません。雷が鳴っても平気な顔の女性や子供がいたらもしかしたら栃木県の出身かも??

お正月にサメ料理を食べる⁉

日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編

栃木県は海が遠い内陸地方ですが、古くからサメ肉を食べる風習があります。と「サガンボ」と「モロ」はどちらも栃木県の方言でサメ肉を意味し、お正月におせち料理やお雑煮のほかに「サガンボ」を食べます。

これは、サメ肉は腐敗速度が遅いため、冷蔵庫のなかった時代から、内陸県の栃木県でも流通させることができ、冬の味覚として定着したからだそう。県内のスーパーなどでもで日常的に販売されています。

サメ肉を使った料理では、サメを醤油や砂糖でやわらかく煮付けた「モロの煮つけ」が一般的。サメ肉はとても柔らかく骨も少ないので、小さなお子さんやお年寄りにも安心して食べさせることができます。また、学校給食でも、モロの松風焼きやリンゴソースをかけたソテーなど、さまざまなアレンジレシピが提供されます。

レモン牛乳は毎日の必需品

日本の47都道府県 発掘シリーズ:栃木編

栃木県では、栃木県産の生乳に砂糖やレモン香料などを加えたレモン色の乳飲料「レモン牛乳」が普及しています(正式名は「関東・栃木レモン」)。

レモン果汁を加えると酸で牛乳が固まってしまうため、実際には果汁は入っていないのですが、甘さと酸っぱさが同居しており、好みは分かれますが「栃木県といえばこれ!」となる飲み物です。

このレモン牛乳は、昭和の戦後まもなく誕生した乳飲料で、もとは宇都宮市の関東牛乳が「関東レモン牛乳」の名称で発売していたものです。甘いものが貴重だった時代、子供にとっては特別な日に給食などに出される贅沢品だったようで、以来、懐かしい栃木の味として長い間親しまれてきました。

一度、平成16年に関東牛乳が廃業したため、レモン牛乳も姿を消しましたが、慣れ親しんだ味がなくなるのは寂しいと多くの声があがり、翌年、栃木乳業が製造法を受け継ぎ、「関東・栃木レモン」として復活を遂げました。

他にも、レモンヨーグルト、レモンソーセージ、レモンうどんなど、栃木には不思議なものがたくさん売られています。ついでに言うと、栃木県はレモンを生産していない。

このように、他県の人から見ると奇抜で信じられないような県民性がたくさんあるのです。この連載の他の記事もぜひご覧ください。もっと理解したい県があれば、右のコメント欄からリクエストしてくださいね。

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