江戸っ子気質は今や迷信?人口世界一でも地元民が少ない街【日本の47都道府県 発掘シリーズ:東京編】

  • July 9, 2023
  • July 27, 2023
  • Asami Koga

日本の47都道府県 発掘シリーズ:東京編

日本には、全部で47の都道府県があります。

地域によって、街並みやアクティビティ、グルメなどの特徴が異なるように、地元の人々の県民性も様々。このシリーズでは、都道府県ごとの魅力や、ご当地あるあるを紹介し各県のローカル事情を掘り下げていきます。

今回取り上げるのは、「世界の人口ランキング」でも毎年上位にランキングしている東京!新宿・渋谷・原宿・秋葉原など、観光客に人気の街を有する東京あるあるや東京人の実態を学んでいきましょう。

「東京が地元」はむしろレアケース⁉大学進学や就職で上京する地方民が多い理由

世界屈指の人口密集地・東京。2022年、世界の主要都市の中で一位を記録し、人口密度も6,399.46(人/㎢)で全国一位(全国47都道府県の人口ランキング)となるほど人が多く、渋谷のスクランブル交差点や、平日朝の駅の混雑や満員電車は、東京の人の多さの象徴となっています。

ただ、総人口は多くても、「生まれも育ちも東京」という、生粋の東京都出身者は実はさほど多くありません。

関東圏は、公共交通機関が発達しているため、埼玉県や神奈川県など関東近郊から都内の会社や学校に通っている人も多く、さらに、地方都市出身者が大都会・東京に憧れて、進学や就職・職場の転勤を機に上京するケースも多いのです。

特に多いのが、高校を卒業し、大学進学で上京するケース。実際、過去に実施された「大学進学時の都道府県別の人口流入・流出者数に関する調査」でも東京は47都道府県中ダントツ1位、大阪、京都、福岡などの人気地方都市にも大差をつけました。

実際に筆者も、東京の某大学学生時代、ゼミやサークルの同級生に「あなたは東京出身者?」と尋ねて、全員が地方から上京してきた地方出身者だった、というケースがありました。こうしたことからも、地方出身者の割合の高さが分かると思います。

気性の荒い江戸っ子イメージとはさようなら!気遣い上手でプライドの高い東京人

前述のとおり、東京には様々な土地から人が集まります。そのため、東京に長年暮らす人ほど、視野が広く気遣い上手が多いのです。

東京人のイメージというと、思い浮かぶ昔ながらの言葉は「気性が荒い」、「けんかっ早い」といった“江戸っ子”気質ですが、地方からの上京組が人口の半数近くを占め、海外からの観光客も多い現在の東京では、地元民の江戸っ子気質を目の当たりにすることはほぼありません。

どちらかというと、東京人は考え方が柔軟でスマート、誰とでもそつなく合わせることが出来る人が多い印象。むしろ、笑顔で愛想は良くとも、本音や内心が見えづらいことから「東京の人は冷たい」と言われる場合も。。。

また、勉強も仕事も競争が激しいため、地元民は基本的にシビアで実力主義。首都圏には有名私立学校や名門校が集中していることもあり、幼い頃から競争慣れしていて、プライドが持っています。日頃から様々なバックグラウンドの人と接するからこそ、本音と建て前をしっかり使い分けることが出来る器用さと、様々な競争で培われた失敗や挫折にもめげない精神力とプライドの高さが東京人のアイデンティです。

歴史ある東京の有名住宅街 - 真の東京人が住んでいるエリアはここだ!

上京したり長期滞在をしたりする際に最も気になるのは、どこに住むか、ということ。日本の首都・東京には、昔ながらの高級住宅地や、下町文化を楽しめる居住エリアが多数存在します。

ここからは、中でも東京生まれ東京育ちの「真・東京人」に会える率の高い、歴史ある有名住宅街をピックアップ!東京散策の参考にしてみては?

城南五山エリア(品川区、港区)

城南五山は、JR山手線の目黒駅、から品川駅にかけてのトライアングル地帯にある、花房山、池田山、島津山、御殿山、八ツ山という5つの高級住宅地の総称です。「山」とつくことからもわかる通り、高台にあり、昔は大名屋敷や大名出身の邸宅があった地域。

ちなみに、池田山には、かつての大名屋敷の奥庭部分を整備した和風庭園・池田山公園や、現在の上皇后・美智子さまの生家跡地に、ねむの木の庭公園が整備されていることでも有名です。

松濤エリア(渋谷区)

人気観光エリア・渋谷から徒歩圏内でありながら、閑静な住宅街で、有名人や著名人の豪邸が軒を連ねるエリア。松濤美術館や戸栗美術館をはじめ、アートギャラリーや文化施設が点在しているのも特徴です。

成城エリア(世田谷区)

富裕層の多い世田谷区の中でも、小田急線の「成城学園前」駅周辺エリアは、古くからの高級住宅地、小高い丘になっており、丘の上には豪邸の数々が連なります。創設から100年以上の歴史を持つ成城学園があるため、学園都市としての一面もありつつ、喜多見不動尊などの史跡も点在。日本の有名な民俗学者・柳田國男が街づくりに関与し、北原白秋など文化人が住んだ町としても知られています。また、同じ世田谷でも田園調布エリアも日本を代表する高級住宅街の一つです。

南麻布・元麻布エリア(港区)

日本屈指の高級住宅街である南麻布・元麻布。徒歩圏内に麻布十番商店街があり、坂と寺社仏閣が多い地域ですが、フランス、ドイツ、スイスなど世界各国の大使館やインターナショナルスクールもあり、国際色豊かな雰囲気が味わえます。

美術館や映画館、飲食店などが充実する六本木からも徒歩圏内。有名シェフの店や、有名人御用達の隠れ家レストランなども点在する、グルメな街としても知られています。

白金・白金台エリア(港区)

日本ツウの皆さんの中には、白金・白金台という地名を聞いて、「シロガネーゼ」という日本語を思い浮かべる人もいるかもしれません。これは、かつて某人気女性ファッション誌が打ち出した造語で、白金・白金台エリアに住む専業主婦を指した言葉。特に、おしゃれなカフェやブティックが集うプラチナ通りで買い物をする様子が、セレブ女性の象徴とされました。

昔から東京に住んでいる人に、白金エリアのイメージを聞くと、「アカデミック」「公園が多い」「邸宅街」などの言葉が返ってきます。というのも、このエリアは、港区南部に位置し、北は南麻布、西は渋谷区恵比寿に隣接しているから。

さらに、エリア周辺には聖心女子学院、東京大学医科学研究所などの学校や研究施設があり、白金台駅周辺には、東京都庭園美術館などの美術館もあり、アカデミックな雰囲気を一層高めています。

日本橋・人形町エリア(中央区)

© TCVB

日本橋は、江戸時代から城下町として栄えた街です。もとは徳川家康が江戸幕府を開いた際、町人の街として造成され、五街道の起点となったことで商業・金融などの中心地とされました。

現在も、東京証券取引所やオフィスビルや老舗百貨店、寿司や天ぷら、うなぎ、洋食などの昔ながらの名店が軒を連ね、金融と商業、そして職人の街として知られています。

写真右:© TCVB

また、人形町も下町情緒が残る街として有名で、風情溢れる商店街や工房、100年以上続く昔ながらの老舗などが点在。粋な東京人と出会える確率がとても高い街です。

上野桜木エリア(台東区)

© TCVB

上野、浅草、稲荷町、御徒町など、下町イメージが強い台東区の中で、高台に位置する上野桜木エリアは、昔ながらの高級住宅街として知られています。

上野恩賜公園から徒歩圏内、東京都美術館や東京国立博物館からも近いので、文化・芸術や豊かな自然と触れられるうえ、商店街や食べ歩きで有名な谷根千(谷中・根津・千駄木)なども周辺にあり、日本ならではの下町文化と食やアートを両方楽しめるエリアです。

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