日本の正月飾り「鏡餅」と新年の年中行事 「鏡開き」

日本の正月飾り「鏡餅」と新年の年中行事 「鏡開き」

日本(にほん)の正月(しょうがつ)グルメの代名詞(だいめいし)、お餅(もち/Rice Cake)。
餅(もち)は、昔(むかし)から日本人(にほんじん)にとっては、お祝(いわ)い事(ごと)や特別(とくべつ)な日(ひ)に食(た)べる「ハレ」の食べ物(もの)でした。
特(とく)に正月には、大小(だいしょう)2つの丸(まる)いお餅を重(かさ)ねたものを飾(かざ)って神仏(しんぶつ)にお供(そな)えする"鏡餅(かがみもち)”と、その飾(かざ)った鏡餅を1月11日に木槌(きづち)で割(わ)って食べる"鏡開(かがみびら)き”という風習(ふうしゅう)があります。茹(ゆ)でる、焼(や)く、煮(に)る、など、料理(りょうり)の材料(ざいりょう)として人気(にんき)のお餅。この記事(きじ)では、ユニークな正月シーズンの餅に関する風習と、日本の正月にTryしておきたいもち料理を紹介(しょうかい)します。

正月の鏡餅(kagamimochi)とは?

鏡餅とは?

鏡餅は、大小2つの丸いお餅を重ね、その上にミカンや装飾(そうしょく)をつけたお供え物。
日本では古(ふる)くから、お正月の期間中(きかんちゅう)に鏡餅を神棚(かみだな)や床の間(とこのま)に飾(かざ)る風習(ふうしゅう)があります。2枚の餅を、三方(さんぽう)と呼(よ)ばれる木製(もくせい)の台(だい)に半紙(はんし)を敷(し)いて飾(かざ)飾るのです。
鏡餅を飾り始(はじ)める時期(じき)は、他の正月飾りと合わせて12月28日~30日ごろがベスト。ただし、二重苦(にじゅうく)を意味(いみ)するため12月29日と、縁起が悪(わる)いとされる『一夜飾り(いちやかざり)』になってしまう12月31日も避(さ)けたほうが無難(ぶなん)です。

鏡開き(kagamibiraki)とは?

鏡開き(kagamibiraki)とは?

前章(ぜんしょう)までで紹介(しょうかい)した正月の年神様(としがみさま)への供(そな)え物(もの)、鏡餅(かがみもち)。三が日(さんがにち)が終(お)わり正月期間(しょうがつきかん)が終(お)わった後(あと)に、鏡餅を神棚から下(さ)げて、木(き)づちでたたきわり料理(りょうり)して食(た)べる行事(ぎょうじ)が「鏡開き」です。
割ったお餅は、お汁粉(しるこ)や雑煮(ぞうに)、焼(や)きもちなどに調理(ちょうり)していただきます。

鏡餅と鏡開きの意味

鏡餅と鏡開きは、どちらも日本の正月に欠かせない伝統的な風習です。しかし、なぜ日本人はお正月に鏡餅を飾るのでしょうか?
そもそも、日本の正月行事は、年神様(としがみさま)という新年の神様を家に迎(むか)え入(い)れてお祝いし、たくさんの幸(しあわ)せを授(さず)けてもらうためのものなのです。

鏡餅は、正月行事の中で、元旦(がんたん)に新年(しんねん)の神様(かみさま)である「年神様(としがみさま)」が訪(おとず)れる依り代(よりしろ)のことを言います。この鏡餅が飾られている松の内(まつのうち)の間(あいだ)は、年神様の魂(たましい)が宿るとされており、鏡開きの日にその魂が宿(やど)ったお餅をいただくことで、年神様に運気(うんき)や力(ちから)を分(わ)け与(あた)えてもらい、一年の無病息災(むびょうそくさい)を願(ねが)う意味(いみ)があります。

※憑依する対象物(たいしょうぶつ)
※年神様に滞在していただく期間の名称

「鏡餅」という名前(なまえ)の由来(ゆらい)は、三種の神器の鏡といわれています。昔から、鏡には魂が宿るとされていたことから丸いお餅を鏡に見立ててそう呼ばれるようになったということです。

  • 橙(だいだい):鏡餅の上に飾るみかんのこと。子孫繁栄の意味がある。
  • 御幣(ごべい):神道の祭祀で、用いられる、赤は魔除けの意味があります。商売繁盛の願いが込められている。
  • 四方紅(しほうべに):四方を紅で縁取った色紙のこと。三方の折敷というお盆の上に敷いてお餅をのせるもの。災いを取り除き、繁栄を願う意味がある。
  • 裏白(うらじろ):シダの一種。長寿の願いが込められている。
  • 三方(さんぽう):鏡餅を飾る 四角形の台座で、三面に穴があるのが特長。神様のお供え物に使用する。

鏡開きでよく食べる、餅を使った正月料理

モチモチ食感で伸びるお餅。
正月の鏡開きのあとは、おいしい料理になります。この章では、とくに正月におなじみのお餅料理を紹介します。

1.お雑煮

1.お雑煮

餅や野菜(やさい)、肉(にく)、または魚介(ぎょかい)などを煮込(にこ)んだスープ料理(りょうり)です。日本の東側(ひがしがわ)はお餅が角餅(かくもち)、西側は丸餅(まるもち)を使うなど地域(ちいき)によって違(ちが)いがあり、スープも、出汁(だし)を醤油(しょうゆ)や味噌(みそ)で味(あじ)つけたものや、あんこを使(つか)った甘(あま)いスープなど、各地(かくち)で特色(とくしょく)があります。

2.ぜんざいやお汁粉に

2.ぜんざいやお汁粉に

小豆(あずき)などの豆(まめ)を砂糖(さとう)で甘(あま)く煮(に)た汁(しる)の中(なか)に、餅(もち)や白玉団子(しらたまだんご)、栗(くり)の甘露煮(かんろに)などを入(い)れた食(た)べ物(もの)のこと。温(あたた)まるため、冬(ふゆ)の和(わ)スイーツの定番(ていばん)で、祭(まつ)りや初詣(はつもうで)の時期(じき)に、寺社(じしゃ)の屋台(やたい)などでもよく販売(はんばい)されます。

3.焼いて磯辺焼きや砂糖醤油、きなこ餅に!

3.焼いて磯辺焼きや砂糖醤油、きなこ餅に!

3つ目は、焼(や)いて様々(さまざま)なタレと絡(から)める食(た)べ方(かた)です。

餅は、トースターやフライパン、網(コンロ)などで、両面(りょうめん)しっかり焼(や)き目(め)をつけるように焼(や)き、海苔(のり)で巻(ま)いたり、砂糖醤油(さとうじょうゆ)や大根(だいこん)おろしなどのタレに絡(から)ませたり、きな粉(こ)をまぶしたりして食(た)べます。ちなみに、柔(やわ)らかいお餅が好(す)きな場合(ばあい)は、焼いた後、熱湯(ねっとう)にくぐらせると、とろーり柔らかいお餅になりますよ。

番外編:樽酒を開けることも「鏡開き」と呼ぶ

みなさん、日本人の友人やご友人(ゆうじん)や知人(ちじん)の結婚披露宴(けっこんひろうえん)やパーティーなどで、日本酒(にほんしゅ)の入(はい)った樽(たる)のふたを木槌(きづち)で割(わ)るシーンを見(み)たことがありませんか?
実は、「鏡開き」という言葉には2つの意味(いみ)があります。1つは、これまで紹介してきた正月明けに鏡餅を割ること。もう1つは、祝(いわ)いの席(せき)で酒樽(さかだる)のふたを割って酒をみんなで酌(く)み交わすことを言(い)います。

鏡開きが2つの意味を持つ理由に関しては、諸説(しょせつ)ありますが、「鏡(かがみ)」は古くから魂が宿る大切なものとされてきました。そのため、鏡開きで鏡を開くことにより「運を開く」という意味から、新しい年をお迎えする正月や、結婚式などの祝いの席で行われる演出を「鏡開き」と言うようになったとされています。
ちなみに、日本酒(にほんしゅ)は餅と同様(どうよう)、古くから神事(しんじ)を営(いとな)む際(さい)に供(そな)えるものの代表格で、「神酒(みき)」とも呼ばれる存在(そんざい)でした。また、酒樽の上蓋は「鏡」に見立てられ、お供えが終わった樽の日本酒は、蓋を割って自分の周りの人やお世話になった方にふるまう風習があったそう。鏡開きは、日本ならではの伝統を今に伝えるものなのです。

いかがでしたか?「鏡開き」は「運を開く」という意味合いがあり、おめでたい場面の演出にピッタリ!今後、年末年始の時期に訪日するなら、ぜひお餅やお神酒もTryしてみてくださいね!

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