新年に食べる日本のお正月料理:おせち料理(御節料理)

  • Jan 2, 2023
  • Dec 18, 2023
  • Asami Koga

新年に食べる!日本のお正月料理:おせち料理

日本の家庭には、1月1日からのお正月の期間に、伝統的な料理を食べる習慣があります。この伝統料理を、日本では「おせち料理」と呼びます。この記事では、日本の年末年始の基礎知識と、お正月に食べるおせち料理の由来やメニュー、そのほか大晦日から正月にかけて、よく食べるグルメについても紹介します。この記事を読めば、日本のお正月のマナーもグルメも丸わかり!

ずは日本の年末の基本から!日本の年越し準備・大晦日と正月の過ごし方

日本には、新年を迎えるため、年末に一年間にたまったホコリを払う「大掃除」。歳神様が迷わず訪れることができるように玄関に「門松」や「注連縄(しめなわ)飾り」を飾り、年神様へのお供えものとして2つの餅を重ねた「鏡餅」を供える風習があります。

また、大晦日である12月31日には「年越しそば」を食べる習慣もあります。諸説ありますが、「年越しそば」は、蕎麦のように細く長く長寿であるようにという縁起をかつぎ始まったともいわれています。また、縁起の良い食べ物として海老の天ぷらをのせることも。これは、海老が、腰が曲がっているように見える姿から、長寿の象徴として、お祝い事がある時に食べられることが多いためです。

年越し蕎麦を食べたら鐘をつきに近くの寺院へ。深夜0時をまたぎ、人の持つ煩悩の数といわれる108回、「除夜の鐘」をつく習わしがあります。1月1日の朝・元旦には、高台や山頂などから日の出を拝む「初日の出」を見たり、年明け一番に新年の無事を祈る「初詣」を行ったりします。そして、この正月期間にお祝い料理のおせち(御節)料理やお雑煮をいただき、お祝いとして子供に金品である「お年玉」を送る習わしもあります。

日本の年末年始グルメ

日本には、年末年始ならではのグルメがたくさんあります。まず、大晦日にいただく「年越しそば」。具材は、海老の天ぷらや京都ではニシンを入れるなど、地域や家庭によってさまざま。また正月には、黒豆、数の子、魚肉のすり身と卵を混ぜて焼いて巻いた伊達巻(だてまき)や海老の焼き物、煮物などをお重に詰めた「おせち」と、餅やダイコン、ニンジンなどの野菜類、肉類などを具材に、醤油や味噌などで出汁を味付けしたつゆをはった「お雑煮(ぞうに)」を家族揃って食べます。

ちなみに、餅は神様が宿るものとされ、正月に欠かせないものとされています。一年間の邪気を払い長寿を願って元旦の朝や正月に呑む縁起物の酒「お屠蘇(とそ)」や、初詣の際に寺院でふるまわれる、米と米麹や酒粕で造った「甘酒」など飲み物もいろいろ。おいしいグルメ三昧なので、冬休み明けは、太ってしまう人も多いそう!

日本のお正月に食べるおせち料理

正月のおせち料理

日本では、古くから季節の変わり目とされる「節日(せちにち)」に、神に供え物をし宴を開く宮中行事・節会(せちえ)が行われており、おせち料理は、この節会の中でも最も重要な日に、ごちそうとして提供されていた宴会料理に由来するとされています。この宴会料理は、当時「御節供(おせちく)」といわれていて、それが略され短くなり、現代の「御節(おせち)」という言葉の由来と言われています。

また、新年を迎えることは神事なので、火の神“荒神”を怒らせないため、大晦日などに前もっておせち料理を作り、正月にはなるべく火を使わなくても準備できる食事を用意したというのもおせち料理が普及した要因の一つです。また、おせち料理は、正月三が日に食べるのが一般的で、調理法や食材で保存がきくことから、母親を家事から解放する意味合いもあるとされています。

「福が重ねる」が由来⁉おせち料理や重箱には開運や繁栄を表現するデザイン、工夫がなされている!

重箱に入ったおせち料理

おせち料理は、「重箱」という複数の弁当箱が段になった弁当箱に箱詰めされています。諸説ありますが、重箱に詰めるのは「福を重ねる」という意味があると言われており、おせちのおかずもそれぞれ健康や将来や繁栄への願いが込められています。

今は少子化などの影響もあり、簡略化して2段など少ない段数のおせち料理も多いのですが、もともとおせち料理は4段の重箱に入っていることが基本でした。上から順に「一の重」「二の重」「三の重」「与の重」と呼ばれています。なぜ4段目の箱が漢数字の「四」でないかというと、音が死を意味する「死」の字を連想させて縁起が悪いということから、「四」ではなく「与の重」と呼ばれるようになりました。詰め方と料理の組み合わせは、地域や各家によっても様々ですが、ここでは最も代表的なおせちの詰め方を紹介します。

  • 一の重 : 黒豆、数の子、田作りなどの「祝い魚」と前菜となる「口取り」。基本的にお屠蘇(とそ)を楽しむための酒の肴などが多い
  • 二の重 : 鯛やブリなどの魚や肉、野菜などの焼き物、だて焼きやサツマイモやしいたけなどの野菜も入れる
  • 三の重 : 紅白なます、酢だこなどの酢の物と、野菜類
  • 与の重:里いもやレンコンの煮物、甘露煮など、各種の煮物関係

おせち料理のそれぞれのおかずが持つ意味

おせち料理

  • 黒豆:一年中元気で暮らせるようにという願いが込められています。

  • 数の子:「たくさんの卵」を意味し、子や孫の繁栄を祈願します。
  • 田作り : カタクチイワシ(片口鰯)の小魚を干して飴炊きにした料理。豊作を願う料理。
  • えび : 長いひげと腰が曲がる長寿の願いが込められています。また、赤いエビはお守りの色とも言われています。
  • 昆布巻き : ニシンなどの魚を昆布で巻いたもの。特にニシンをまく場合は両親の健康と子孫繁栄を願う意味が込められています。
  • 栗きんとん:金運上昇と商売繁盛の意味が込められています。
  • 紅白なます:平和への願いの象徴。

正月に訪日旅行するなら、観光スポット近くでスーパーやコンビニで手軽に年末年始気分を味わおう!

年末年始に日本を訪れるなら、ぜひスーパーやコンビニもチェック!電子レンジで温めればいただける年越し蕎麦や、お土産にもしてもかわいい鏡餅などが販売されています。多くの一品料理が詰められたおせちは事前予約必須のため、当日の購入が難しいと思いますが、スーパーやデパートの食品売り場にいけば、黒豆、伊達巻、かまぼこなどが個別で販売されているので、食べてみたいおせち料理だけを購入して宿泊先でいただくのもおすすめですよ!

また、神社などでは初詣の参拝客に甘酒やお神酒(みき)を配るところも!また、お年玉を入れるポチ袋はコンビニで販売されており、キャラクターがあしらわれたものなど、かわいいのでお土産にもぴったり!

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