日本人とお米の深い関係~日本におけるお米の歴史と文化~

日本人とお米

日本の食卓に欠かせないお米。2025年はスーパーの棚からお米が消える「令和の米騒動」や、数年前に収穫された備蓄米のことを指す「古古古米」などが話題になり、こうしたニュースは、改めて日本人にとっていかにお米が大切かを気づかされました。ではなぜ、これほどまでにお米は日本人の生活に深く根付いているのでしょうか?その答えは、遥か昔の日本神話にまで遡ります。この記事では、お米がいかにして日本の歴史、文化、そして食生活のルーツとなっていったのか、その物語をひも解きます。

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米と日本人の深い関係とお米の歴史

日本にはお米にまつわる神話があります。またお米と神社は深いつながりがあり、日本のお祭りの多くはお米と関係があります。

米と日本人と神話の関係

日本の神話にみる米の起源

「古事記」には神々が住む高天原(たかあまのはら)をおさめ太陽の神として知られる天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、天上の世界ではじめて稲を育てたという神話があります。そして、天照大御神の孫にあたる邇邇芸命(ににごのみこと)が天から地上に降りてくる際に、イネを持って降り立ったことから農耕が始まったといわれ、五穀豊穣の神として知られています。これらの神話からもお米が神聖な存在であり、神様から授かった特別な贈り物であることがわかります。

また日本には「米一粒に七人の神様がいる」という言い伝えがあり、幼少期から「お米は一粒も残してはいけない」と、お米の一粒一粒を大切にするよう周りの大人たちから教えられ育ちます。食事の前にいう「いただきます」は、米の神様をはじめ、命あるすべてのものへの感謝の気持ちが込められています。

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神社と米のつながり

神社 参拝

農耕民族だった日本人にとって農業と神社は深い関わりがあります。神社を訪れると一般参拝時に拝殿でお賽銭を賽銭箱へ入れますね。昔はお賽銭はお金ではなく、白米を白い紙に包み「おひねり(※1)」としてお供えすることで神さまに豊作を感謝していました。正式なご祈祷やお祓いをお願いする際に、社務所で初穂料(はつほりょう)を支払いますが、この初穂料の「初穂」とはその名の通り、その年に最初に実った稲穂のことで、初穂を奉納していたことが由来です。現在では神さまへのお供えとして金銭を納めることが一般的で、七五三やお宮参り、厄払いなどで初穂料を納めます。

(※1)おひねりとは紙で包んだお金のこと。感謝の気持ちとして渡すチップのようなものです。

お米は他の神事にも取り入れられています。神前に供えられるお神酒(おみき)はお米を原料とする日本酒です。収穫に感謝し翌年の豊作を祈り捧げてきました。

秋 お米収穫

また、日本のお祭りの多くは、イネの豊作を神さまにお願いするために行われたことがはじまりです。豊作を祈る祈年祭(きねんさい)や、収穫に感謝する新嘗祭(にいなめさい)が有名。祈年祭は、春の田の耕作を始める2月頃に行われ一年の五穀豊穣を祈ります。新嘗祭は秋の収穫が終わった11月頃、その年に収穫された新穀を神さまに供え豊作に感謝します。

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青森 ねぶた祭

日本各地の有名なお祭りも、米作りに関する農耕儀礼がもとになっています。青森ねぶた祭は七夕と虫送り(※2)の行事が一体化してできたといわれていますし、秋田の竿灯祭りの長い竹竿につけられた提灯は稲穂の形に見立てて並べられています。大阪の岸和田だんじり祭も江戸時代に豊作を願い行われた稲荷祭がはじまりという説があります。

(※2)虫送りとは初夏に農作物につく害虫の被害が出ないよう願う儀礼のこと

青森ねぶた祭と秋田竿灯祭りの記事を読む👉日本「三大七夕祭り」はいつ、どこで開催?七夕伝説も紹介

稲荷神社の信仰と稲作文化

京都 伏見稲荷大社
画像提供:伏見稲荷大社

「お稲荷(いなり)さん」の名で親しまれている稲荷神社は、日本全国に約30,000社あり、五穀豊穣と商売繁昌の神様として信仰されています。稲荷の名の由来は、餅を的に矢を射たところ、餅が白鳥となって飛び立ち山の峰に留まったところにイネが実ったので神を祀り「伊奈利」という社名になったといわれています。「イナリ」という言葉は「イネが生った」を意味します。稲荷神社の総本宮は伏見稲荷大社で京都市伏見区にあります。

伏見稲荷大社

  • 住所:京都市伏見区深草藪之内町68
  • アクセス:【電車】JR稲荷駅から徒歩すぐ。京阪伏見稲荷駅から徒歩5分
  • 詳細:年中無休
  • URL:https://inari.jp/about/

お米が支えた日本の歴史

お米は日本人の食生活だけでなく社会の仕組みそのものを作り上げてきました。

稲作が生んだ日本の共同体文化

稲作は水を張り田植えをし収穫するという、多くの人手と協力を必要とする共同作業であったため、村の指導者を中心に団結し地域の人々が協力して暮らす「村社会」という文化を生み出しました。農作業の苦労を分かち合い、豊作を祈り、祝うお祭りも各地で生まれ、地域社会の絆はより強固なものとなっていきました。

江戸時代における米の価値

米俵

約250年間続いた江戸時代、お米は生活と経済の基本でした。農民は収穫したお米のほとんどを「年貢(ねんぐ)」として納める義務があり、お米は重要な通貨でした。武士の給料は「石高(こくだか)」と呼ばれる、領地から収穫できるお米の量で示され、米の生産量が豊かさを測る基準でした。この時代、お米は豊かさの象徴であり経済力や身分の象徴で、社会を支える重要なものでした。

日本の行事とお米の関係

お正月 鏡餅

古くからお米には神さまが宿るものと考えられていたため、ごはんやお米料理は一年を通して縁起のいい食べ物としてお供えしたり食べたりします。

時期食べ物由来
お正月鏡餅年神にお供えする餅
鏡開き(1月11日)お雑煮年神の力をわけてもらうために雑煮にして食べる
1月7日七草粥健康を祈って食べるおかゆ。7つの野菜が入っている
1月15日小豆粥正月に小豆とお餅が入った粥を食べ邪気を払い健康を祈って食べる
雛祭り(3月3日)ひなあられ・ひしもちお米でできたひなあられやひしもちを供える
端午の節句(5月5日)柏餅・ちまき子孫繁栄につながるとされる
春分の日(3月21日頃)ぼたもち春のお彼岸はぼたもちを食べる習慣がある
秋分の日(9月23日)おはぎ秋のお彼岸はおはぎ(※3)を食べる習慣がある
お月見(9月15日頃)月見団子豊作を神さまに感謝するためお米で作った団子を供えたり食べたりする
お祝い(結婚式・誕生日・七五三など)お赤飯赤色には魔よけの効果があるといわれお祝い事には赤飯を食べる習慣がある

(※3)ぼたもちとおはぎは同じ食べ物ですが季節により呼び方が異なります。

米から生まれる日本食文化

炊きたての白いごはんはそれだけでも美味ですが、さまざまな料理に姿を変え私たちを楽しませてくれます。

寿司・おにぎり・炊き込みごはん・丼

日本食 お米料理


寿司

酢飯と新鮮な魚介類を組み合わせた芸術的な料理で、日本だけではなく海外からも愛されている日本料理の代表。

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おにぎり

手軽に食べられるおにぎりは日本人のソウルフード。海苔で包んだごはんの中に梅干しや鮭を入れるのが一般的ですが、好きな具材を入れることができる点が魅力。コンビニでも手軽に買え、おにぎり専門店も人気です。

炊き込みごはん

季節の野菜や魚介類などをいれてお米と一緒に炊き込むことで、その季節にしか味わえない繊細な味が楽しめます。春には筍ごはん、秋の松茸、サツマイモや栗ごはんなどがあり、季節を感じることのできるお米料理。

丼物

うな丼、天丼、カツ丼、牛丼などたくさん種類がありますが、どの丼料理も幅広い世代から愛されています。

餅・煎餅・日本酒・米粉パン

日本食 お米料理 加工品

お米はさまざまな加工品にもなります。

もち米を蒸してついたもので、お正月の料理にはかかせません。お祭りや縁起のいい日にも登場します。お正月には雑煮やおしるこに入れて食べます。焼いた餅に醤油をつけて海苔で巻いたり、きな粉や砂糖醤油の味付けも人気。

煎餅

お米を潰して焼いた日本の伝統的なお菓子。パリッとした食感と醤油や塩味などの香ばしい香りが特徴。

日本酒

お米と米麹を主な原料として発酵させてつくる日本を代表するお酒。日本酒は料理とのマリアージュも大きな魅力です。魚介類にはすっきりとした辛口、肉料理には濃厚な旨味のある日本酒がお勧めです。

米粉パン

近年ではグルテンフリーの米粉パンの販売も増えてきました。温めるとモチっとした食感で小麦パンと変わらず美味しく食べることができます。

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日本人の食卓を豊かにする!AKOMEYA TOKYOで見つけた極上『ご飯のお供』

AKOMEYA TOKYO
画像:AKOMEYA TOKYO 東急プラザ渋谷

毎日のごはんをさらに美味しく食べたい方へ。訪日外国人にも人気のあるお店で、「一杯の炊き立てのごはんを中心に広がるおいしい輪」に焦点をあてたライフスタイルショップ「AKOMEYA TOKYO」に取材に行き、おすすめのごはんのお供を聞いてきました!

AKOMEYA TOKYO  ご飯のお供

AKOMEYA TOKYO/梅びしお かつお入り 540円(税込)

梅肉のペーストに砂糖やみりんを加えて加熱した調理練り梅「梅びしおAKOMEYA TOKYO/梅びしお かつお入り」。ごはんに合うよう、しそとかつお節の具が入っているので、おにぎりの具にもよく合います。オクラ、ミョウガ、カイワレなどの野菜をいれて混ぜ合わせるだけで、最高の副菜が完成!梅が少し苦手な方にもおすすめです。

AKOMEYA TOKYO/ たっぷり具材 香味野菜薫る生姜醤 756円(税込)

国産素材を使用し、具材を感じることができるよう作られた人気の「たっぷり具材」シリーズの中でも特におすすめ。生姜、ニンニク、ごま油の香りと一味唐辛子の辛みも重なり、大人のおにぎりの具には抜群の相性。お好みでから揚げにのせたり、餃子のタレに加えたりとアレンジも楽しめます。

AKOMEYA TOKYO/ たっぷり具材 坦々肉味噌 756円(税込)

国産の豚肉、ザーサイ、筍、ピーナッツなどを使用し、カットの方法を全て変えているのでそれぞれの食感を楽しむことができます。辛過ぎず旨味があります。ごはんはもちろん、冷奴にのせて食べるのもおすすめ。

AKOMEYA TOKYO/ 鮭トリュフ 900円(税込)

トリュフの香りが上品で、少しリッチな気分を味わえるごはんのお供。サラダにのせたりオムレツの具材に使ったりするのもおすすめです。ギフトとしても人気があります。

AKOMEYA TOKYO/ たっぷり具材 スパイシー牛キーマカレー 756円(税込)

水を使わず凝縮した素材の旨味とスパイスの香りがごはんと相性抜群。炊きたてのごはんにのせるだけでなく、炒飯に和えるのもおすすめ。お弁当に入れることもできます!

AKOMEYA TOKYO 東急プラザ渋谷

  • 住所:東京都渋谷区道玄坂1-2-3 東急プラザ渋谷 2F
  • 営業時間:【AKOMEYA TOKYO】11:00~21:00
  • 【AKOMEYA食堂】11:00~21:00(L.O.20:30)※平日は15:00~17:00お休み
  • https://www.akomeya.jp/store_info/store/sshibuya/

お米のふるさと納税

ふるさと納税の返礼品としてお米は人気があります。地域のブランド米や新米を試すことができ、複数の産地を食べ比べできることも魅力です。ふるさと納税でお気に入りのお米を探してみるのはいかがですか?

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🍙映えすぎ!萌え断「握らない爆弾おにぎり」の作り方の記事を読む👉 インスタグラムでも話題!見た目も可愛いおにぎりのレシピ


参考文献:

  • 「日本の神さまと神社」編集室『みんなが知りたい!日本の神様と神社 神話の世界と身近な聖地のひみつがわかる』 第一版・第一刷,2024年8月30日 ,全128ページ
  • 『全部わかる神社ガイド』成美堂出版,2020年,全160ページ
  • 『お米の歴史を調べよう!』2002年4月第一刷, 株式会社ポプラ社,全48ページ
  • 『お米の大研究』2015年12月8日 ,第1版第1刷 ,株式会社PHP研究所,全64ページ

参照:

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