豆で鬼を追い払う⁉日本の行事・節分とは

  • Feb 3, 2022
  • Feb 2, 2024
  • Asami Koga

豆で鬼を追い払う⁉日本の行事・節分とは

毎年(まいねん)2月(がつ)3日(にち)になると、日本各地(にほんかくち)で何(なに)やら大(おお)きな掛(か)け声(ごえ)とともに炒(い)った大豆(だいず)がばらまかれます。
これは、日本の伝統行事(でんとうぎょうじ)のひとつ「節分(せつぶん)」と呼(よ)ばれる日(ひ)の風習(ふうしゅう)です。
鬼(おに)とは何(なん)なのか?なぜ豆(まめ)をまくのか?節分シーズンによく食べられる節分グルメとは?

この記事(きじ)では、そんな節分のナゾに迫(せま)ります。

豆で鬼を追い払う⁉日本の行事・節分とは

そもそも節分とは?

現在(げんざい)では、「節分」というと2月3日の初春(しょしゅん)の年中行事(ねんちゅうぎょうじ)を指(さ)しますが、本来(ほんらい)「節分」という言葉(ことば)は「季節(きせつ)の分(わ)かれめ」を意味(いみ)する言葉(ことば)です。そのため、節分はそれぞれの季節の始(はじ)まりの日(ひ)」の前日(ぜんじつ)を指(さ)し、年(ねん)4回(かい)とされていました。

しかし、日本では立春(りっしゅん)が1年(いちねん)の始(はじ)まりでとても重要(じゅうよう)な日(ひ)であったため、節分=春(はる)の節分という認識(にんしき)が広(ひろ)まり、現在(げんざい)では2月3日のことを節分と呼(よ)ぶようになりました。

※立春(りっしゅん)、立夏(りっか)、立秋(りっしゅう)、立冬(りっとう)

そもそも節分とは?

節分の鬼(Demon)の正体とは?

節分では、「鬼(おに)は外(そと) 福(ふく)は内(うち)」=「Demons Out! Fortune In!」という掛(か)け声(ごえ)をかけながら豆をまくのが一般的(いっぱんてき)です。
諸説(しょせつ)ありますが、鬼とはいわゆる西洋的(せいようてき)な悪魔(あくま)や邪悪(じゃあく)な化(ば)け物(もの)というよりは、神(かみ)の一種(いっしゅ)であったり、お化(ば)けの一種であったり、はたまた人間(にんげん)の霊魂(れいこん)や亡霊(ぼうれい)を意味(いみ)するものであったりなど、「目(め)に見(み)えない何(なに)か」として古(ふる)くから恐(おそ)れられていました。

季節(きせつ)の変(か)わり目(め)には邪気(じゃき)が入(はい)り込(こ)みやすいため、そこから由来(ゆらい)し、節分の鬼とは、病気(びょうき)やケガ、事故(じこ)、天災(てんさい)などのよくない事(こと)すべての邪気(じゃき)を指(さ)しています。
そして、節分の豆まきは季節の変わり目に生まれるといわれる鬼=邪気を追(お)い払(はら)うための儀式(ぎしき)なのです。

節分の鬼(Demon)の正体とは?

節分ではなぜ豆をまくの?

前章(ぜんしょう)までで紹介(しょうかい)した通(とお)り、節分の豆まきは鬼を追(お)い払(はら)うための儀式(ぎしき)です。
では、なぜまくのは「豆」なのでしょう?というより、鬼なんて、大豆で追い払えるのかって?

豆をまく理由に関しては所説ありますが、日本では古来より「五穀」と呼ばれる米・麦・粟(あわ)・稗(ひえ)・豆(大豆)の作物をとても大切にしてきました。収穫期(しゅうかくき)の秋(あき)には、「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」を祈(いの)る祭(まつ)り行事(ぎょうじ)も行(おこな)われていたほどです。この五穀(ごこく)を使(つか)って邪気(じゃき)を祓(はら)ったり、清(きよ)めたりする習慣(しゅうかん)もあったため、豆(まめ)には鬼(おに)を退治(たいじ)するパワーがあると信(しん)じられていたようです。
また、「豆(まめ)」が、悪魔を滅(ほろ)ぼす意味(いみ)の「魔滅(まめ)」と同(おな)じ発音(はつおん)であるから、という説(せつ)もあります。
ちなみに節分の日の魔除(まよ)けとして、玄関(げんかん)や家(いえ)の中に鬼の嫌(きら)いな臭(にお)いのイワシの頭(あたま)を置(お)いたり、棘(とげ)の痛(いた)いヒイラギの葉(は)を飾(かざ)ったりもしていたそう。現代(げんだい)では実施(じっし)する家庭(かてい)は少(すく)ないですが、全国各地(ぜんこくかくち)でさまざまな魔(ま)よけが行(おこな)われていました。

節分の日は必ず2月3日なの?

さて、ここまで節分や鬼について紹介してきましたが、節分の日は毎年(まいねん)必(かなら)ず2月3日に制定(せいてい)されているのでしょうか?
答(こた)えはNoです。前述(ぜんじゅつ)の通(とお)り、「節分」とは季節の変わり目を意味する言葉で、もとは立春・立夏・立秋・立冬の前日のこと。そのため、立春の日づけ次第(しだい)では「節分の日」も日にちが変(か)わります。

その証拠(しょうこ)に、2021年は、節分の日が2月2日となっており、それが1897(明治30)年以来124年ぶりということで大(おお)きな話題(わだい)となりました。これは地球(ちきゅう)が太陽(たいよう)の周(まわ)りを公転(こうてん)する公転周期(こうてんしゅうき)が影響(えいきょう)しており、地球(ちきゅう)が太陽(たいよう)を1周(いっしゅう)する時間(じかん)が365日ぴったりではなく6時間弱(じかんじゃく)長(なが)いためです。

節分グルメ 恵方巻とは?

節分グルメ 恵方巻とは?

恵方巻(えほうま)きとは、その年の恵方(えほう)を向(む)いて無言(むごん)で食(た)べると良(よ)いとされる巻(ま)き寿司(ずし)のこと。恵方とは、陰陽道(おんようどう)で、その年(とし)の干支(えと)にもとづいて、歳徳神(としとくじん)のある方向(ほうこう)を吉(きち)の方向として定(さだ)めたものです。

恵方巻に一般的(いっぱんてき)に使(つか)われるのは、あなごやうなぎのかば焼(や)き、卵(たまご)焼(や)き、しいたけの煮物(にもの)、桜(さくら)でんぶやおぼろ、きゅうり、かんぴょうなどで、恵方巻きを食べる習慣(しゅうかん)は、江戸時代(えどじだい)~明治時代(めいじじだい)頃(ごろ)に始(はじ)まったといわれています。

節分グルメ 恵方巻の食べ方、タイミング

1本(いっぽん)が長(なが)く太(ふと)い恵方巻。一般的(いっぱんてき)な巻(ま)き寿司(ずし)では、包丁(ほうちょう)で食(た)べやすいように切(き)りますが、恵方巻きは1本を丸(まる)ごとかじって食べます。これは「神様(かみさま)との縁(えん)を切(き)らない」という縁起(えんぎ)をかついだものとされており、丸かじりする事(こと)で、商売繁盛(しょうばいはんじょう)の幸運(こううん)を一気(いっき)にいただく、ということを意味(いみ)しているといわれています。そのため、恵方巻は一本(いっぽん)を一気(いっき)に食(た)べることが大切(たいせつ)。お正月(しょうがつ)が終(お)わり、1月下旬(げじゅん)になるとスーパーマーケットやコンビニエンスストアで恵方巻(えほうまき)は販売(はんばい)され始(はじ)めます。もしあなたが節分の時期、日本に滞在(たいざい)するなら、ぜひこの節分グルメをおいしく一本丸かじりしてみてくださいね!

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