2011年3月、世界中のニュースが「Fukushima」の名前を報じました。東日本大震災と福島第一原発事故から2026年3月で丸15年。今、福島県の沿岸部「浜通り(はまどおり)」を訪れると、そこには当時のニュースの映像からは想像もできないほど、青く穏やかな海と、最先端の施設、そして活気あふれる人々の笑顔が広がっています。
今回は、FUN! JAPANエディターが、そんな福島県浜通りエリアを現地取材。知っているようで知らない福島の「真実」と、今だからこそ体験できる新しい旅のカタチをご紹介します。
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「浜通り」エリアとは?福島県沿岸部
福島県は、奥羽山脈と阿武隈高地によって、大きく3つのエリアに分かれています。
- 会津(あいづ):西部の山岳地帯。鶴ヶ城や温泉など、歴史と自然が豊か。
- 中通り(なかどおり):中央部の平地。福島市や郡山市があり、新幹線が通る交通の要。
- 浜通り(はまどおり):東部の沿岸地域。太平洋に面し、温暖な気候と豊かな海の幸が特徴。
今回ご紹介する「浜通り」は、いわき市から新地町まで、南北約160kmにわたる沿岸エリアを指します。2011年の東日本大震災で大きな被害を受けましたが、現在は「福島イノベーション・コースト構想」の拠点として、ロボットやエネルギーなど未来の産業が集まる日本で最もエキサイティングな場所の一つになっています。
旅の前に知っておきたい「安全性」の真実
「福島を観光しても大丈夫?」という不安を持つ方もいるかもしれません。しかし、データがその不安を払拭してくれます。
空間線量率は世界の主要都市と同水準
浜通りエリアの主要な観光スポットの放射線量は、現在、毎時0.04〜0.1マイクロシーベルト程度。これは東京やニューヨーク、ロンドンといった世界の主要都市とほぼ変わらない数値です。町中にはリアルタイムで線量を表示するモニタリングポストが設置されており、誰でも自分の目で透明性を確認できるようになっています。
世界一厳しい「食の安全基準」
福島の食べ物は、今や「世界で最も安全を確認されている食材」と言っても過言ではありません。日本が定める放射性物質の基準値(100ベクレル/kg)は、欧米(1,000〜1,250ベクレル/kg)よりも遥かに厳しく、その上で福島産の商品は徹底した検査を経て市場に出されています。
海と未来が融合する、浜通りの最新スポット
今、ゼロからの復興を経て、日本で最も「新しい」ものが生まれる場所へと変貌している浜通り。中でも注目のスポットや取り組みなどをご紹介します。
【富岡町】「とみおかワイナリー」太平洋の潮風が育むワインと美食を味わう
2016年3月、代表の遠藤秀文(えんどうしゅうぶん)さんを中心に、県内各所に散り散りに避難していた町民有志10名から始まった、富岡ワイン葡萄栽培の活動。今では、1年を通してブドウの栽培体験ができるこの活動に参加する会員数は40名を超え、津波や原発の被害を受けた土地も美しいブドウ畑へと成長しました。
潮風を受けて育つブドウから造られるワインは、すっきりと飲みやすく、食事が進む味わい。遠藤さんによると、今はまだどの品種がこの土地に合うのか試行錯誤している最中だそうですが、地元の魚介類に合うシャルドネなどの白ワインには特にこだわっていきたいとのこと。時を経てどのような味わいに変化していくのかも楽しみです。
ワイナリーにはレストラン、ショップ、そして震災遺構「希望の蔵」が併設されています。レストラン「ラレス」は、ガラス張りの大きな窓から太平洋を望み、すぐそばをJR常磐線の列車が走り抜けるという絶好のロケーション。地元食材とワインのマリアージュが楽しめる本格イタリアンや、テラス席でのBBQを味わえます
ショップ「テルース」では、とみおかワインが購入できるのはもちろん、1杯(25cc。385円~)から5種類のワインを試飲できます。
そしてショップに隣接する「希望の蔵」は、周辺の家屋が津波で全て流されたなか、唯一残った建物だそう。東日本大震災の惨禍や教訓を後世に伝え、防災意識を高めるための「震災遺構」になるのではと遠藤さんが考え、残されています。内部が公開されており、昔実際に使われていた農機具や、津波が天井近くまで到達したことが分かる痕跡などを見ることができます。
とみおかワイナリー
- 住所:福島県双葉郡富岡町小浜反町36-1
- アクセス:富岡駅から徒歩10分
- 営業時間:【レストラン】平日ランチ11:00~15:00(LO14:00)、土日祝ランチ10:30~15:30(LO14:30)、ディナー(予約必須)17:00~21:00(LO20:00)【ショップ】10:00~17:00
- 定休日:【レストラン】水【ショップ】火・水
- URL:https://tomioka-winery.jp/
【浪江町】ポケモンと地元グルメの拠点「道の駅なみえ」
「道の駅なみえ」には、「ふくしま応援ポケモン」のラッキーが出迎えてくれるラッキー公園があります。子ども達の遊び場としてだけでなく、ポケモンファンや観光客のフォトスポットとしても賑わっていました。
屋内のフードコートでは、極太麺が特徴の「なみえ焼そば」や、常磐もの(じょうばんもの)と呼ばれる新鮮な海鮮丼などを堪能できます。
👉「ままどおる」「ゆべし」「酪王カフェオレ」など地元民がおすすめする福島定番土産についてチェック!
お土産売り場では、福島の定番土産はもちろん、浪江町ならではの商品も並んでいました。売り場の一角が日本の人気生活ブランド「無印良品」のコーナーになっており、MUJIの雑貨や日用品なども購入できます。
また、「なみえの技・なりわい館」では地元で造られた日本酒の販売や、伝統工芸品である大堀相馬焼の展示・販売・体験コーナーも。3日前までの予約で、陶芸体験も可能です。
エディターおすすめは、「なみえの技・なりわい館」の甘酒ソフト!カップで注文すると、お酒を飲む升を模した紙のケースにカップを入れて提供してもらえます。浪江町に酒蔵を構える鈴木酒造の日本酒「磐城壽(いわきことぶき)」で使われる酒米で作られた甘酒の吟麹甘酒ソフトクリームは、発酵の旨味たっぷりの爽やかな甘さがクセになるおいしさでした。
道の駅なみえ
- 住所:福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字知命寺60
- アクセス:浪江駅から徒歩15分
- 営業時間:10:00~18:00
- 定休日:毎月最終水(なみえの技・なりわい館は毎週水)
- URL:https://michinoeki-namie.jp/
【大熊町】新しい農業と食の賑わいが生まれる場所
大熊町は今、新しい農業の形と食文化の発信地として大きな注目を集めています。
賑わいの拠点「くまSUNテラス」 と「CREVAおおくま」
JR大野駅前に誕生した「くまSUNテラス」は、町の内外から人が集まる新しい交流の場。コンビニや地元の食材を活かしたカフェやショップが並び、モダンな建築デザインが訪れる人を温かく迎えます。明るくきれいなキッズスペースもありました。
さらに、その隣接エリアにある産業交流施設「CREVAおおくま(クレバおおくま)」は、新しい挑戦を始める人々が集う熱源となっています。建物内に複数のオフィスが入っているだけでなく、多目的ホールやコワーキングスペースは、誰でも自由に利用可能。フリーWi-Fiを使ってパソコンで作業をしたり、学生が勉強したりする姿が見られました。
- 住所:福島県双葉郡大熊町下野上大野116-5
- アクセス:大野駅から徒歩1分
- 営業時間:【くまSUNテラス】店舗ごとに異なる。※キッズルームは9:00~17:00【CREVAおおくま】8:00~20:00
- 定休日:年中無休(施設メンテナンス、その他臨時休館日を除く)
- URL:https://okuma-creva-kumasun.jp/
食をプロデュースする「FUN EAT MAKERS in Okuma」
福島県大熊町にある農×食×滞在施設。野菜を中心とした健康でおいしいメニューを提供するほか、野菜そのものの販売も行っています。
最新設備を使った、環境に優しく衛生的な栽培方法で作られる野菜は、おいしさがギュッと詰まって絶品!ミニトマトを数種類、試食させていただきましたが、とても甘くてまるでフルーツのようでした。
今後は併設する宿泊施設の開業も構想中とのこと。2026年には、この近くに大きなスーパーもできるそうで、街のにぎわいの中心となること間違いなしです。
- 住所:福島県双葉郡大熊町大字下野上字原94-5
- アクセス:大野駅から車・バスで5分
- 営業時間:11:00~16:00(LO15:30)
- 定休日:日※詳しくは公式Instagramを要確認
- URL:https://www.instagram.com/funeatmakers_okuma/
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移住者が拓く味の継承「キウイの国」
かつてキウイ栽培で知られた大熊町。その伝統を繋いでいるのは、全くの異業種から転職して移住した若者です。地元の大ベテラン農家から栽培の極意を学び、復活を遂げた「キウイの国」。世代と地域を越えた情熱が、かつての名産品を再び大熊の誇りへと変えています。
早速キウイをいただくと、今まで食べたことがないほどの甘さにビックリ!中の実に赤みが入った「紅妃(こうひ)」という品種だそうです。
ただし、「キウイの国」では通常、販売は行っていませんので、公式SNSを確認のうえ、各地のイベントやECサイトなどで購入してみてください。
【震災遺構】未来へ繋ぐ「浪江町立請戸小学校」
津波の脅威を今に伝える震災遺構。しかし、ここは悲しみの場所ではありません。地震発生時、児童全員が無事に避難を完了した「希望の物語」が眠る場所です。過去から学び、未来をどう創るかを感じる象徴的なスポットです。
- 住所:福島県双葉郡浪江町請戸持平56
- アクセス:浪江駅から車・タクシーで15分
- 営業時間:9:30~16:30(最終受付16:00)
- 定休日:火(祝日の翌日休館)、年末年始(12月28日~1月4日)※天候・災害等により臨時休館の場合あり
- 料金:【入館料】一般300円、高校生200円、小・中学生100円、未就学児無料
- URL:https://namie-ukedo.com/
福島の魅力を網羅する!おすすめ周遊モデルコース
浜通りを単体で訪れるのはもちろん、福島の他の人気エリアと組み合わせることで、より豊かな旅になります。
プランA:【海とテーマパーク】いわき×浜通り 2泊3日
- 1日目:東京から特急「ひたち」でいわきへ。水族館「アクアマリンふくしま」で海の生態系を学び、広大なプールがあるリゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」で宿泊。
- 2日目:レンタカーかJR常磐線で北上。震災遺構「浪江町立請戸小学校」で震災の教訓を学び、大熊の「クマSUNテラス」でランチ。夜は浪江周辺に宿泊。
- 3日目:道の駅なみえでラッキー公園や地元グルメを楽しみ、「とみおかワイナリー」でランチやワイン、お土産ショッピングを。夕方の特急で東京へ。
プランB:【食と温泉】中通り×浜通り 2泊3日
- 1日目:新幹線で福島駅へ。果物畑が広がるフルーツラインで旬の果物狩りを楽しみ、飯坂温泉の歴史ある名湯で1泊。
- 2日目:阿武隈山地を横断するドライブを楽しみながら浜通りへ。道の駅なみえで海鮮を堪能。
- 3日目:富岡・大熊の新しいまちづくりを体験し、常磐線の特急で東京へ直行。
プランC:【王道・歴史と未来】会津×浜通り 3泊4日
- 1日目:新幹線とローカル列車かバスで会津若松へ。鶴ヶ城や武家屋敷でサムライ文化に触れ、東山温泉に宿泊。
- 2日目:雄大な磐梯山や五色沼を散策。裏磐梯のリゾートで自然を満喫。
- 3日目:高速道路(磐越道)を利用して浜通りへ。復興の最前線を視察し、地元の人々と交流。
- 4日目:太平洋沿いの絶景ドライブを楽しみ、海が見える「とみおかワイナリー」でゆっくりランチとショッピング。夕方に帰路へ。
💡旅のヒント
東西の移動距離が長いため、JR東日本パスの活用やレンタカーの利用が非常に効率的です。
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現在は終了していますが、浜通りエリアでは観光促進キャンペーン「do! 浜通り」を実施。対象店舗でのキャッシュレス決済でポイント還元が受けられるなど、旅行者にとって嬉しい特典が満載です。2025年に2回開催されたので、今後の開催についても最新情報をチェックしてみてください。
さらに、2026年春には日本最大級の観光イベント「福島デスティネーションキャンペーン」が開催予定。特別な観光列車の運行や限定イベントなど、福島が一年で最も盛り上がる時期になります。
do! 浜通りの詳細👉こちら(日本語のみ)
福島デスティネーションキャンペーンの詳細👉こちら
あなたの目で、福島の「今」を確かめてください
かつて困難に直面した場所は、今、世界で最も力強く未来を描こうとしている場所でもあります。おいしい食べ物、温かい人々、そしてここでしか得られない気づき。
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