国際大会において数多くの成果を残してきた野球日本代表=「侍ジャパン」。オリンピックなど全ての主要大会で優勝を果たしている唯一のチームでもあります。2026年3月に行われる世界の野球王者を決める大会を見据えて2025年、いよいよ再始動。世界を熱狂させる野球日本代表「侍ジャパン」の強さと魅力とは?一度球場に足を運べば、きっと虜になるはずです!
侍ジャパンの基本を理解しよう:その歴史と立ち位置
「侍ジャパン」とは?:単なる代表チームではない
「侍ジャパン」とは、トップチームを頂点に、社会人、U-23、大学、U-18、U-15、U-12、そして女子野球日本代表も含む、すべての世代の野球日本代表の総称です。すべての世代が同じユニフォームを身にまとい、すべての世代で「世界最強」になることを目指して戦います。そもそも「侍」とは、日本の歴史において戦乱の世をかけぬけた戦士のこと。強靭な力だけではなく、精神性と道徳性を備えた人物を指すものであり、「侍ジャパン」はその精神を持って挑む、日本野球のスピリットを体現した愛称となっています。トップチームの監督は2023年に栗山秀樹氏の後任として、元プロ野球選手の井端弘和氏が就任しました。日本でも観戦が可能で、チケットの取り方は後の段落でくわしく説明します。
世界最高峰の舞台:栄光に輝いた国際大会の歴史
現役メジャーリーガーを含む世界のトップ選手が参加できる野球の世界一決定戦がはじめて開催されたのは、2006年。野球シーズンの開幕前に行われるため各国のスター選手が出場、最高レベルの国際試合が実現しました。初回は16カ国が参加して行われ、見事「侍ジャパン」が優勝。開催は4年に一度です。「侍ジャパン」は2009年の第2回大会、2023年の第5回大会でも優勝を果たし、これまで3度の優勝を誇る実力。現在の世界ランキングは1位、2026年3月に開催予定の第6回大会では連覇を目指します。なお、2020年に東京で行われた国際大会でも金メダルを獲得しています。
世界で活躍するスター選手を含む!注目選手紹介
2023年に行われた世界大会では現メジャーリーガーの大谷翔平選手やダルビッシュ有投手、山本由伸投手(当時はオリックス・バファローズ)、佐々木朗希投手(当時は千葉ロッテマリーンズ)などが「侍ジャパン」として参加し、大きな話題に。また、前回の2023年大会では投打に渡る圧倒的なパフォーマンスで大谷翔平選手が大会MVPに選出されました。
大谷選手はすでに2026年大会への参加を表明!メジャーリーグで活躍するほかの日本人選手についても出場への期待が高まっています。さらに2023年に世界一を経験し、今オフにメジャー挑戦を表明している岡本和真選手(読売ジャイアンツ)や村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)、また明るい盛り上げ役で「侍ジャパン」キャプテンの経験もある牧秀悟選手(横浜DeNAベイスターズ)も人気が高く、世界が注目する選手です。そして、日本プロ野球界で、若手ルーキーとして力を発揮する西川史礁選手(千葉ロッテマリーンズ)や小園海斗選手(広島東洋カープ)などの活躍も期待されます。
初めてでも100倍楽しめる!侍ジャパン観戦ガイド
野球の基本ルールを超シンプルに解説
基本のおさらいですが、野球は2チームが対戦し9人対9人で行うスポーツです。1チームが攻撃を行い、もう1チームは守備を行います。攻撃チームのバッターは、右か左のバッターボックスに入りバットでボールを打ち、得点をめざします。決められたエリア内にボールを打ち返して走り、グラウンドに置かれた塁(ベース)を進んでいくというのが基本のルール。
ピッチャーが投げるボールカウントはストライクとボールで管理され、3ストライクでアウト、4ボールで出塁となります。一塁、二塁、三塁と進塁して、本塁に帰ることができれば得点に。攻撃側チームはアウトを3回取られると攻守交代です。1回の表・裏から始まり、9回の表・裏(表攻撃のチームが敗北する場合は9回の裏はない)まで試合が続きますが、9回の裏が終わっても決着がつかない場合は、延長戦に入ります。
スタジアムでの熱狂!日本独自の応援文化
日本の野球応援では各チームの選手ごとに応援歌が用意されているのが一般的です。応援歌を聞くだけで、どの選手の応援が行われているのかが、すぐに分かります。応援団のトランペットや太鼓の音にあわせて、ファンは一緒に歌ったり、手拍子をしたり、こぶしを上げたりして選手を応援。リズムや歌詞は簡単におぼえられるものが多く、初心者でも大丈夫!球場全体がひとつのリズムで歌い、大きな声でエールを送るのは日本野球ならではの観戦スタイルで醍醐味です!
ピンチを迎えた時には守備を盛り立てる応援、得点を期待するシーンでは攻撃を後押しする応援と臨機応変に対応していきます。メガホンやタオル、鳴り物など定番の応援グッズも。これらを活用することで、よりいっそうスタジアムの一体感を味わえます。また、「ラッキーセブン」とよばれる7回の攻撃時にはチーム応援歌が流れたり、ジェット風船飛ばしや名物の踊りがあったり…と、特別な応援が行われるのも特徴です(会場により異なる)。
韓国人と体感!日韓戦の興奮とアジアの熱狂レポート
2025年に再始動した「侍ジャパン」。11月6日~12日、宮崎県での秋季キャンプを経て、11月15日・16日に再びの世界一を目指す強化試合として「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本 vs 韓国」が東京ドームで行われました。2日間とも40,000人を超える日韓それぞれのファンが集結、「侍ジャパン」への注目度の高さが感じられました。熱い熱い、熱気に包まれた初日の試合観戦レポートをお届けします。
日本人ライターが見た「侍ジャパンの熱狂」
試合開始2時間30分前の16時頃。すでに試合会場となる東京ドーム周辺には、侍ジャパンのユニフォームを着た人々が続々と訪れていました。よきライバル、伝統の韓国戦ということもあって、韓国チームのファンもたくさん!グランドでは練習をする選手の姿も見られ、早くも観客のボルテージはアップ。応援グッズや侍ジャパン限定グルメの販売もあり、売店や飲食店も大盛況です。
試合開始時間が近づくと、ほとんどの観客は着席。チアダンスのイベントなども行われ人気のK-popが流れます。会場全体がさっと暗くなり、スポットライトがグランドへ。スターティングメンバーの発表がはじまると、スタジアムは大きな拍手と大歓声に包まれました。両チームの選手が整列したところで、それぞれの国家斉唱。国をかけて戦う日本代表の気迫に、思わずこみあげるものがあります。
試合は先発の曽谷龍平投手(オリックス・バファローズ)が圧巻の投球!初回から150km/hを超えるストレートを軸に1人の走者も許さず3回まで無失点。この日、試合が動いたのは4回でした。
この回からマウンドに上がった森浦大輔選手(広島東洋カープ)がチーム初安打を許すと、アン・ヒョンミン選手(KTウィズ)に2ラン本塁打、続くソン・ソンムン選手(キウム・ヒーローズ)にも本塁打を打たれ、3点の先制を許してしまいます。それでもその裏にすぐさま侍ジャパンが反撃。四球と二塁打で1死二、三塁のチャンスを作ると、牧秀悟選手(横浜DeNAベイスターズ)の三遊間を破る安打で1点を返します。さらに西川史礁選手(千葉ロッテマリーンズ)の二塁打で同点に!観客の声援もひときわ大きくなります。
そして5回にビッグイニングが到来!代打の岸田行倫選手(読売ジャイアンツ)が左中間スタンドに飛び込む本塁打を放って3点を勝ち越し。電光掲示板には「ホームラン」の文字が浮かび上がり、スタジアムは大興奮で、こぶしをつきあげて総立ちです。選手たちと観客との不思議な一体感は、ライブ観戦ならではの醍醐味です。侍ジャパンの勢いは止まらず、この日の結果は11-4で侍ジャパンの大勝となりました。
韓国人の友人が語る:「ライバルだけど感動した!」ファン目線の本音
観戦に来ていた韓国人の友人2組にも話を聞いてみました。
1組目は野球観戦がはじめてという親子。お父さんは韓国チームの応援、お子さんは侍ジャパンを応援しているそう。「球場の盛り上がりが、とにかくすごいです!ライブでの野球観戦ははじめてですが、選手たちのプレイの迫力に圧倒されています」。お子さんはふだんサッカー派だそうですが、「野球を見るのはとても楽しい。また観戦に来たい」と笑顔で話してくれました。
2組目は職場の同僚という男性二人。野球好きで、韓国でも野球観戦の経験があるそうで「応援文化の違いがおもしろい!韓国はチアリーダがいて、観客も一緒に踊ったりして応援します。日本は選手ごとに応援歌があって、決まった応援スタイルがあるのが盛り上がりますね。東京ドームの熱気に感動しています」とのこと。お気に入りの選手は、ムン・ボギョン選手(LGツインズ)とこの日に本塁打を放ったソン・ソンムン選手(キウム・ヒーローズ)だそう。「日本での野球観戦では、生ビールをはじめ、たくさんのグルメが味わえるのも魅力ですね。ライバルだけど互いに応援しましょう!」
【必見】スタジアムのグルメ・ユニフォーム事情
試合を盛り上げるのが、応援グッズ。この日もメガホンや推しの選手タオルを持ったファンがたくさんいました。選手タオルはホームランやヒットを打った時にかかげて応援します。服装はやはりユニフォームを着用しているファンが目立ちました。侍ジャパンのユニフォームだけではなく、日本のプロ野球の推しチームやメジャーリーグのチームユニフォーム姿などさまざま。
スタジアムグルメも大注目です。東京ドーム場内では内野1階・2階・4階、外野コンコースとグルメがずらり!60以上の店が並びます。この日は侍ジャパンの試合とあって、限定メニューも登場!
「必勝!侍ジャパンサワー」900円は紅白のグラデーションに侍ジャパンのロゴが映えるストロベリーサワー!ゴロゴロ食感のイチゴがたまりません…!
観戦にぴったりなのがワンハンドでいただける「東京ドームドッグ」600円と「チーズドック」680円。できたてアツアツで絶品です。
韓国戦、ということで本番韓国グルメもチョイス。「ヤンニョムチキンとプルコギキンパセット」1,280円も味わいました。
日本で侍ジャパンの試合を観るには?役立つ豆知識
チケットの取り方と注意点
侍ジャパンが出場する国際大会のチケットは、侍ジャパンの公式サイトや大会の公式サイトで情報を確認してから購入するのがおすすめです。日本国内で開催される場合、日本戦と日本戦以外でも料金が異なることがあるので、注意が必要です。
チケット販売には基本的に先行販売と一般販売があります。先行販売はローソンチケット抽選販売、海外向けチケット抽選販売などがあります(販売開始日や詳細などは公式サイトで確認を)。一般販売は公式サイト(日本語と英語があり)やローソンチケット、チケットぴあなどプレイガイドのインターネット販売が主流です。
侍ジャパンのチケット情報👉こちら
急な用事で万が一行けなくなった場合は、チケットをリセールすることも可能です。
チケットのリセールについての情報👉こちら
日本プロ野球(NPB)を観戦してみたい!という場合は各球団の公式サイト、ローソンチケットなどのプレイガイド、球場窓口などで購入することができます。人気の試合はチケットが完売することもあるので、行きたい日程が決まったら早めにオンラインで購入するのがおすすめです。
各チーム球場によって個室仕様のプライベートボックスシートやバルコニー席、ハイカウンターシートなどユニークな席も。球団の公式サイトで写真が掲載されているので、じっくり見比べて決めるのがベストです。
さあ、あなたも「侍ジャパン」の熱狂へ飛び込もう!
気高き野球戦士、侍ジャパンは日本の誇りです。世界一を決定する野球の国際大会は、国対国の真剣勝負!そして野球を通じた各国との交流の場でもあります。ルールがよくわからないという、野球初心者さんでもスタジアムでの熱狂と一体感は、現地で一度味わう価値ありです。その場にいる誰もが、きっと心から楽しめるはず。選手たちの熱いプレイとスタジアムの観客が一体となる瞬間。さあ、一緒に頂点をめざす戦いを見届けましょう!
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