大谷翔平選手、ダルビッシュ有選手、山本由伸選手ーー。いま、野球の世界では彼らのような日本人選手が、世界を舞台に目覚ましい活躍を見せています。そんなニュースをきっかけに、日本のプロ野球や、「野球」というスポーツそのものに興味を持った方も多いのではないでしょうか。
日本には、全国各地にその土地の文化や風土が色濃く表れた個性あふれるプロ野球球団が存在します。旅先でスタジアムを訪れ、その雰囲気や熱気を味わってみるのも楽しいでしょう。
とはいえ、「野球について知りたい」「スタジアムで観戦もしてみたい」と思っても、ルールもままならい初心者だと最初の一歩がなかなか踏み出せないかもしれません。
そんな野球初心者に向けて、同じく野球初心者であるエディターが野球の基本的なルールから日本プロ野球のしくみ、スタジアムでの楽しみ方まで、はじめての野球観戦で知りたいことをぎゅっと盛り込みました。記事の最後には、実際に広島東洋カープの試合を観戦した様子もお届けします!
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野球のルールを簡単におさらい

野球は何人で行うスポーツで、勝敗はどのように決まるのでしょう。最初にこれだけは知っておきたい、野球の基本的なルールをおさらいします。
相手より点を多く取ったチームが勝ち!
野球は、1チーム9人で構成され、両チームが攻撃と守備を交代しながら、より多くの点(得点)を取り合うスポーツです。1回ごとに「表(先攻)」と「裏(後攻)」の攻撃があり、これを交互に9回繰り返し、最終的により多くの点を取ったチームが勝利。同点の場合は、通常12回まで延長戦が行われます。
本塁を踏むと1点!攻撃と守備の基本
攻撃側
バッターがピッチャーの投げたボールを打ち、塁(一塁、二塁、三塁)を巡って本塁(ホームベース)に戻ってくると1点です。バッターはヒットを打つだけでなく、フォアボール(四球)やデッドボール(死球)で塁に出ることもできます。
守備側
ピッチャーがボールを投げ、バッターを打ち取ったり、ランナー(塁に出た選手)をアウトにしたりして、攻撃側に点を入れさせないようにします。
攻守が替わる「スリーアウトチェンジ」
守備側は、バッターやランナーを「アウト」にすることで攻撃を止めます。3つアウトを取ると攻守交替。これを「スリーアウトチェンジ」と呼びます。アウトになる主な方法は以下の通り。まずはこれだけ押さえておけばバッチリですよ!
- ピッチャーの投げたボールをバッターが3回空振りするか、見送ってストライクと判定される(三振)
- 打ったボールが守備の選手に直接捕られる(フライ)
- ランナーが塁に到達する前に、守備の選手がボールを持った状態でランナーにタッチする(タッチアウト)
- ランナーが次の塁に到達する前に、守備の選手が先にその塁にボールを運ぶ(フォースアウト)
2リーグ制はいつからはじまった?日本プロ野球のしくみ

日本においてプロ野球はいつから始まったのでしょうか?サッカーや相撲と並び、日本三大スポーツの1つといわれるプロ野球(Nippon Professional Baseball=NPB)。その歴史やしくみをご紹介します。
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1936年にプロ野球のリーグ戦がスタート
日本のプロ野球のリーグ戦が始まったのは1936年。当初は東京巨人、大阪タイガース、名古屋、東京セネタース、阪急、大東京、名古屋金鯱の7球団でした。
セントラル・リーグ(セ・リーグ)とパシフィック・リーグ(パ・リーグ)
現在の2リーグ制となったのは1950年の毎日オリオンズの参入がきっかけ。参入を反対する球団と支持する球団の間で意見が対立し、最終的に反対派のセントラル・リーグ(セ・リーグ)と支持派の太平洋野球連盟(後のパシフィック・リーグ)で分かれて運営されることになりました。
プロ野球シーズン1年の流れ
日本のプロ野球シーズンは、おおよそ以下の流れで進行します。
オープン戦(3月上旬〜下旬)
レギュラーシーズン開幕前の調整期間で、各球団が練習試合を行います。新人選手や若手選手のアピールも見どころです。
レギュラーシーズン(3月下旬〜10月上旬)
3月下旬頃に開幕し、各球団がリーグ優勝を目指して約143試合を戦います。月曜日を除く、週6日間試合を行うのが基本。
クライマックスシリーズ(10月中旬)
レギュラーシーズン終了後、各リーグの上位3球団が進出するリーグ内の優勝決定戦です。
日本シリーズ(10月下旬〜11月上旬)
セ・リーグとパ・リーグのクライマックスシリーズを勝ち抜いた、それぞれのリーグの代表球団が「日本一」の座をかけて戦う最終決戦です。プロ野球の年間で最も盛り上がるシリーズ。
オフシーズン(11月〜2月)
シーズンが終了すると、選手は契約更改や自主トレーニング、ファン感謝イベントなどを行います。また、来シーズンに向けてドラフト会議やFA(フリーエージェント)移籍なども活発になる時期。
本拠地やオーナー企業はどこ? 12球団一覧
現在、日本のプロ野球球団は12球団。本拠地であるスタジアムやオーナー企業をご紹介します。
セントラル・リーグ(セ・リーグ)の6球団
球団名 | 本拠地 | 都道府県 | オーナー企業 |
読売ジャイアンツ | 東京ドーム | 東京都 | 読売新聞社 |
阪神タイガース | 阪神甲子園球場 (甲子園球場) | 兵庫県 | 阪神電気鉄道 |
横浜DeNAベイスターズ | 横浜スタジアム (ハマスタ) | 神奈川県 | ディー・エヌ・エー (DeNA) |
広島東洋カープ | マツダ スタジアム | 広島県 | (市民球団) |
東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 (神宮球場) | 東京都 | ヤクルト本社 |
中日ドラゴンズ | バンテリンドーム ナゴヤ(ナゴヤドーム) | 中日新聞社 |
パシフィック・リーグ(パ・リーグ)の6球団
球団名 | 本拠地 | 都道府県 | オーナー企業 |
オリックス・バファローズ | 京セラドーム大阪 (大阪ドーム) | 大阪府 | オリックス |
福岡ソフトバンクホークス | みずほPayPayドーム福岡 (福岡ドーム) | 福岡県 | ソフトバンクグループ |
北海道日本ハムファイターズ | エスコンフィールドHOKKAIDO | 北海道 | 日本ハム |
埼玉西武ライオンズ | ベルーナドーム (西武ドーム) | 埼玉県 | 西武ホールディングス |
千葉ロッテマリーンズ | ZOZOマリンスタジアム (千葉マリンスタジアム) | 千葉県 | ロッテホールディングス |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 楽天モバイルパーク宮城 (宮城球場) | 宮城県 | 楽天グループ |
選抜選手による「侍ジャパン」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、オリンピックなど、通常のシーズンとは別に、各国の強豪チームと世界一を目指して戦う国際大会もあります。
出場するのは日本の各球団から選抜された選手たち。その野球日本代表チームの愛称が「侍ジャパン」です。
プロ野球の観戦チケットの取り方

野球について知識を深めたら、次はチケットを取って実際にスタジアムへ足を運んでみましょう。
事前のオンライン購入が安心
プロ野球のチケット購入は各球団の公式サイトやチケット販売サイト(例:チケットぴあ、ローソンチケットなど)上でのオンライン販売が主流。シーズン開幕前や注目の試合はすぐに売り切れることがあるので、早めの購入が安心です。
当日券が販売される場合も
試合によっては当日券が販売される場合も。試合が実施されるスタジアム、もしくはチケット販売サイトで購入可能です。
外国人観光客向け:英語対応チケット購入サイト
一部の球団では、外国人観光客向けの英語対応チケット購入サイトを提供している場合があります。事前に球団公式サイトで確認しましょう。また、外国人向けのチケット販売サイトで取り扱いがある場合があります
お得に楽しめる「野球観戦ツアー」もおすすめ
試合のチケットだけでなく、交通や宿泊がセットになったお得な「野球観戦ツアー」もあります。なかには、選手の練習風景を見学できる特典が付いたツアーも。旅行感覚でこうしたパッケージツアーを利用するのもおすすめです。
【klook】エスコンフィールドHOKKAIDO 野球観戦チケット&三井アウトレットパーク 札幌北広島 ツアー
【観戦レポート】広島東洋カープ VS 横浜DeNAベイスターズ

ここからは、2025年7月16日(水)にマツダ スタジアムで行われた「JTBナイター 広島東洋カープ vs 横浜DeNAベイスターズ」の観戦レポートをお届けします。実際にスタジアムを訪れて感じた“生の野球観戦”の魅力を、初心者目線でご紹介します!
広島東洋カープとは?熱いファンに支えられた市民球団
観戦レポートの前に少しだけ広島東洋カープについてご紹介しましょう。
カープの球団設立は1950年。戦後復興の一環として広島県出身の有志や地元企業、そして広島県民の出資によって誕生しました。オーナー企業を持たず、「市民球団」として市民の手で支えられてきた歴史を持つため、広島県民にとってカープは単なるプロ野球チームを超えた存在。球場に足を運ぶファンの熱量も圧倒的なのが特徴です。
また、スタジアム周辺のにはいたるところで“カープ愛”を見つけることができます。広島駅にはカープのパッケージがかわいいお土産もありました!

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スタジアムには早めの到着がおすすめ!
スタジアムの開場時間は球場によって異なりますが、だいたい試合開始の2〜3時間前が目安です。スタジアム内はとても広く、グルメやグッズ売り場、スタジアムによっては球団の歴史を知れるミュージアムも併設されているなど、見どころがたくさん。
可能であれば余裕をもって到着し、試合前にスタジアム自体も満喫するとよいでしょう。ゆっくり場内を歩いていると、あっという間に試合時間になりますよ。
観戦時の持ち物と注意点
観戦に必要な持ち物は、事前にしっかりチェックを。野外球場の場合、突然の雨に備えてレインコートや折り畳み傘を準備しておくとよいでしょう。
また、飲食物の持ち込みルールは球場ごとに異なるので注意が必要です。マツダスタジアムではビン、缶、ペットボトルの持ち込みが禁止でした。
グッズを身に着けて応援しよう!
プロ野球の試合は3〜4時間と長丁場。応援の際には立ち上がって体を動かすことも多いため、動きやすい服装を選ぶのがポイントです。
さらに、応援タオルやキャップ、レプリカユニフォームなど、カープグッズを身に着けると、応援がより一層楽しくなります。スタジアム内に公式ショップがあるので、購入を検討してみるのもよいでしょう。周囲との一体感が生まれ、まるで“チームの一員”になったような気分になりますよ!
マツダ スタジアムのショップは広く、2か所に分かれているため、比較的ゆっくり買い物を楽しめました。
スタジアムグルメも忘れずに!
野球観戦のもうひとつの楽しみといえば「スタジアムグルメ」。各スタジアムには、地元の名物をはじめ、SNS映えするユニークなメニューが充実しています。
マツダ スタジアムの名物メニューといえば、外せないのが「カープうどん」。なんと60年の歴史があるんだとか!

他にもインスタ映えするグルメなど、新旧さまざまなグルメが充実。球場でしか味わえないグルメを堪能することで、観戦体験がさらに豊かになること間違いなしです。
球団のお決まりの応援イベントに参加しよう

各球団には応援歌やチャンステーマ、応援ダンスやジェット風船など、独自の“お決まり”の応援イベントがあります。周囲のファンと一緒に歌ったり、手拍子をしたりするだけで、観戦の楽しさが何倍にも広がります。
気になる試合の勝敗の結果は…?
この日の試合、カープはなんと7連敗中という苦しい状況でした。しかし、試合が進むごとに盛り上がりを見せ、最終的には見事な勝利!
球場全体が歓喜に包まれるその瞬間、ファンとともに喜びを分かち合えるのは、現地観戦ならではの感動です。
TVでは味わえない生ならではの魅力が満載!
バットとボールがぶつかる快音、ピッチャーの全力投球の迫力、スタンドから響く大歓声──。テレビ観戦では味わえない“生の野球観戦”ならではの臨場感と熱気が、スタジアムにはありました。ぜひ一度、球場に足を運んで、それを体感してみてください。きっと、もっと野球が好きになるはずです。
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