人気の日本の昔話・民話 5選 vol.2

日本(にほん)の伝説(でんせつ)や昔話(むかしばなし)の中(なか)には、今(いま)も映画(えいが)やアニメ・漫画(まんが)、演劇(えんげき)などアートやエンターティンメントに大(おお)きな影響(えいきょう)を与(あた)えたり、作品(さくひん)やキャラクターモチーフとして使(つか)われているものが多(おお)くあります。今回(こんかい)は、前回(ぜんかい)の人気の日本の昔話・民話 5選 vol.1で、紹介(しょうかい)した鶴(つる)の恩(おん)返(がえ)し、竹取物語(たけとりものがたり)、桃太郎(ももたろう)、七夕(たなばた)、金太郎(きんたろう)以外(いがい)の日本人(にほんじん)にも人気(にんき)の高(たか)い昔話(むかしばなし)を紹介(しょうかい)します。

1. 浦島太郎:Urashima-Taro

Urashima-Taro

日本を代表する御伽話(おとぎばなし)のひとつ、浦島太郎(うらしまたろう)。
この物語(ものがたり)は、8世紀に書(か)かれた原型(げんけい)の物語(ものがたり)が何度(なんど)も形(かたち)を変(か)えて伝承(でんしょう)され、今(いま)では子供(こども)に語(かた)って聞(き)かせるおとぎ話や
小学校(しょうがっこう)の教科書(きょうかしょ)や校歌(こうか)にも登場(とうじょう)し、アニメ化(か)されたりもしています。

浦島太郎のあらすじ

ある日(ひ)、釣(つ)りに出(で)かけた浦島太郎は、子供たちにいじめられている亀(かめ)を見(み)つけ、急(いそ)いで助(たす)けて海(うみ)に帰(かえ)しました。
数年後(すうねんご)、浦島太郎(うらしまたろう)のもとに再(ふたた)び亀(かめ)がやってきて、自分が海(うみ)の王様(おうさま)の娘(むすめ)である乙姫(おとひめ)の大切(たいせつ)なペットで、助(たす)けてもらったお礼(れい)に龍神の宮殿(きゅうでん)・竜宮城(りゅうぐうじょう)に招待(しょうたい)する、といわれます。

亀に乗(の)って竜宮城(りゅうぐうじょう)へ向(む)かった浦島太郎は、王様と乙姫に出迎(でむか)えられ、すぐ乙姫(おとひめ)に恋(こい)をしました。浦島は乙姫と恋(こい)に落(お)ちますが、一緒(いっしょ)に暮(く)らすうちに、残(のこ)してきた家族(かぞく)が心配(しんぱい)になり、乙姫に「陸(りく)に帰りたい」と告げました。すると、乙姫は浦島に玉手箱(たまてばこ)を渡(わた)し、箱をぜったいに開(あ)けないよう忠告(ちゅうこく)しました。

浦島が陸に戻(もど)ると、あたりの景色(けしき)はすっかり変(か)わり、知(し)っている人(ひと)は誰(だれ)もいなくなっていました。そして竜宮城にいた間(あいだ)に、その何倍(なんばい)も時間(じかん)が経(た)っていたことに気(き)づいたのです。家族(かぞく)も友人(ゆうじん)もいなくなった浦島は、乙姫の忠告を破(やぶ)って玉手箱を開けてしまいます。するとたちまち浦島は白髪(はくはつ)の老人(ろうじん)になってしまいました。

2. 花咲かじいさん:Hanasaka Jiisan

Hanasaka Jiisan

五大童話(ごだいどうわ)のひとつとも言われる「花咲か爺さん(はなさかじいさん)」の物語(ものがたり)。優(やさ)しくて正直者(しょうじきもの)のお爺さんと、隣(となり)に住(す)む意地(いじ)の悪(わる)いおじいさんという対照的(たいしょうてき)な2人が登場(とうじょう)し、読者(どくしゃ)に教訓(きょうくん)を与(あた)えてくれるストーリーになっています。

花を早く咲かせたおじいさん

あるところに、正直者で心(こころ)優しいおじいさんとおばあさんの夫婦(ふうふ)が住(す)んでおり、その隣(となり)には欲張(よくば)りでいじわるな爺さん婆さんが住(す)んでました。

この老夫婦(ろうふうふ)には子供(こども)がいなかったため、隣(となり)の欲(よく)ばりじいさんに追(お)いかけられて逃(に)げてきた小犬(こいぬ)に「ポチ」と名(な)づけ飼(か)うことにしました。お爺さんとお婆さんはポチをとても可愛がったので、ぐんぐんと大(おお)きくなりました。

ある日、正直者のおじいさんがポチを連(つ)れて裏山(うらやま)にいくと、「ここ掘(ほ)れワンワン!」と吠(ほ)えます。その通り、その場所を掘(ほ)ってみると、なんとたくさんの小判(こばん)が出(で)てきました!
それを見(み)てうらやましく思った隣のお爺さんが、正直者のおじいさんにポチを借(か)りて裏山を掘ると、蛇(へび)や化(ば)け物(もの)がたくさん出てきましたいじわる爺さんは怒(おこ)ってなんとポチを殺(ころ)してしまいました。

悲(かな)しんだ正直者のお爺さんは、裏山にポチのお墓(はか)を建(た)てました。すると、その墓がぐんぐんと大きくなり、1本の立派(りっぱ)な木(き)になりました。やがてその木(き)が「臼(うす)にしてほしい」と言(い)うので、木を切って臼にして餅(もち)をついたところ、餅が小判(こばん)に変(か)わりました。それを見て、隣の夫婦はまたうらやましくなり真似をしました。すると、なんと餅が泥団子(どろだんご)に変(か)わってしまいました。怒(おこ)った欲張り爺さんは、臼を粉々(こなごな)にして今度は焼(や)いてしまいました。

後日(ごじつ)、正直者のお爺さんが臼を焼(や)いて出(で)た灰(はい)を畑(はたけ)にまこうとすると、強(つよ)い風(かぜ)が吹(ふ)いて。枯(か)れ木(き)に灰が降(ふ)りかかりました。灰が降りかかった枯れ木はたちまち光(ひか)り出(だ)して見事な桜(さくら)の花(はな)を咲(さ)かせました。喜(よろこ)んだお爺さんとお婆さんが他(ほか)の枯れ木にも灰をかけると、あたり一面(いちめん)桜が満開(まんかい)になったのです!
ある日、おじいさんが桜を咲かせた噂(うわさ)を聞きつけたお殿様(とのさま)がやって来(き)ました。お殿様(とのさま)は、お爺さんが枯れ木に桜の花を咲かせるのを見て、大変(たいへん)喜(よろこ)びたくさんの褒美(ほうび)を授(さず)けました。またそれを見(み)ていた
隣(となり)の意地悪じいさんとばあさんが、それを真似しようとしますが、枯れ木にまいたはずの灰がなんとお殿様の頭にバッサリとかかり、最後(さいご)は怒(おこ)ったお殿様(とのさま)に牢屋(ろうや)に入(い)れられてしまいましたとさ。


3. 分福茶釜:Bunbuku Chagama

Bunbuku Chagama

日本には、メインキャラクターの動物(どうぶつ)が他(ほか)のものに化(ば)ける物語がたくさん存在(そんざい)します。化(ば)ける動物の代表格(だいひょうかく)といえば狸(たぬき)と狐(きつね)です。
これから紹介(しょうかい)する「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」にも、タヌキが登場(とうじょう)します。「ぶんぶく」とは、茶釜のお湯(ゆ)がわく音(おと)の擬音(ぎおん)を当(あ)て字(じ)にしたもの。多(おお)くの物語と同じように、善(よ)い行(おこな)いと、その親切(しんせつ)への恩返(おんがえ)しを紹介(しょうかい)する物語(ものがたり)です。

ぶんぶく茶釜とは

昔(むかし)、ある寺(てら)の和尚(おしょう)が、骨とう品(こっとうひん)で立派(りっぱ)な茶釜を手(て)に入(い)れ大事(だいじ)に火していました。実(じつ)は、これは本物(ほんもの)の茶釜ではなくタヌキが化けた姿(すがた)でした。ある日(ひ)、和尚がお湯(ゆ)を沸か(わか)そうと火(ひ)にかけたところ、茶釜が「熱(あつ)い!」と悲鳴(ひめい)をあげ、気味(きみ)悪(わる)がった和尚さんは、古道具屋(ふるどうぐや)にタダで譲(ゆず)ってしまいました。
茶釜を家(いえ)に持って帰った古道具屋は、その茶釜がタヌキが化(ば)けたものだと知ります。タヌキが、茶釜の姿から元に戻れなくなってしまったというので、古道具屋はタヌキに言われたまま見せ物小屋(みせものごや)を作(つく)ってやり、分福茶釜と銘打(めいう)って見せ物をしてたくさんのお金(かね)を稼(かせ)いだ。

やがてタヌキは病気(びょうき)になり茶釜の姿のまま死(し)んでしまいます。古道具屋は茶釜をお寺(てら)に運(はこ)んで供養(くよう)してもらい、その茶釜はその寺(てら)に今(いま)も伝(つた)えられているといいます

4.月うさぎ伝説:Tsuki-Usagi

O-Tsuki-sama no o-tsukai

毎年(まいとし)秋(あき)の十五夜(じゅうごや)の時期(じき)になると、お月見(つきみ)をイメージしたイラストやパッケージの商品(しょうひん)が各地(かくち)で発売(はつばい)されます。そうした商品に月やおだんごとセットで描かれることが多いのが兎(うさぎ)です。
仏教(ぶっきょう)の説話(せつわ)に由来(ゆらい)するとされる日本の「月ウサギ」の物語。
どんな物語なのかさっそく見ていきましょう。

月うさぎ伝説とは

この物語は、地域によって様々なバリエーションがありますが、今昔物語(こんじゃくものがたり)にも「今(いま)は昔(むかし)、天竺(てんじく)に兎(うさぎ)と狐(きつね)と猿(さる)、三匹の獣がいました。」で始まるインドの物語として紹介されました。

昔むかし、きつね、さる、うさぎの3匹の動物がいて、菩薩(ぼさつ)の修行(しゅぎょう)をしていました。そこに、疲(つか)れ果(は)てた老人(ろうじん)が現れ、どうか食べ物を探してくれないかと頼みました。3匹はそれぞれお食べ物をさがし持ってきてくれました。

キツネは魚(さかな)を、サルは果物(くだもの)を持(も)ってきたが、ウサギは草(くさ)しか持(も)ってこれませんでした。悩(なや)んだうさぎは、旅人(たびびと)に火(ひ)を起(お)こすように頼(たの)み、「私(わたし)を食(た)べてください」とその火に身(み)を投(な)げました。実は、老人は、3匹の行(おこな)いを試(ため)そうと考(かんが)えた帝釈天(たいしゃくてん)という神様(かみさま)でした。帝釈天は、うさぎの行いに感動し、すぐに本来(ほんらい)の姿(すがた)に戻(もど)り、うさぎを月に甦(よみがえ)らせて、皆(みな)のお手本(てほん)にしたそうですそれ以来、月にはウサギが住んでいるといわれています。

5. さるかに合戦:Saru Kani Gassen - The Crab and Monkey Battle

Saru Kani Gassen - The Crab and Monkey Battle

猿蟹合戦(がっせん)は、動物(どうぶつ)をモチーフにした昔話で、復讐(ふくしゅう)の物語(ものがたり)です。

さるかに合戦のあらすじ

さるかに合戦は、散歩中におにぎりを見(み)つけたカニと、柿の種(かきのたね)を見つけた猿が出会ったところから始まります。

サルはおなかがすいていたので、カニに、柿の種とおにぎりを交換(こうかん)するよう言(い)いました。

その時、カニは「この柿の種をまけば、毎年たくさんのカキの実がなるよ」と猿にいわれたので、種を植えました。やがて、柿は立派な木に育ち、たくさんの実をつけました。
しかし、カニは木登(きのぼ)りができず、実をとることができません。その時、猿が木に登って実をとることを申(もう)し出(で)ます。その後、猿はするすると木に登って実をとりますが、自分だけ熟(じゅく)した実(み)を食べて、カニには青(あお)くてまだ硬(かた)い実を投(な)げつけます。
大(おお)けがをしたカニは、泣(な)きながら家(いえ)に帰(かえ)りました。

後日、遊びにきた友達(ともだち)の臼(うす)と蜂(はち)と栗(くり)は、カニの大けがにびっくりし、怒(いか)りました。

「ようし、みんなであのサルを懲らしめよう」と、その友達3人はサルが帰(かえ)ってくる前に、サルの家に忍(しの)び込(こ)み、サルの帰(かえ)りを待(ま)ちました。
季節が冬だったので、家に戻ってきた猿は、囲炉裏の火をつけようとしました。そこで、囲炉裏に隠(かく)れていた栗(くり)がバチンと弾け攻撃!慌(あわ)てて、水桶(みずおけ)に駆(か)け寄(よ)りますが、ハチに刺(さ)され、たまらず家を飛び出すと、屋根(やね)から臼がドシーンッと上に落ちてしまいました。
それから、猿は蟹にいじわるをしたことを謝(あやま)り、カニもサルを許(ゆる)したので、みんな仲良(なかよ)くなりました。

日本に古くから伝わる昔話やホラー話はこちら

人気の日本の昔話・民話 5選 vol.1
https://www.fun-japan.jp/jp/articles/12614

本当にあった京都の怖イイ話<日本ホラーばなし>
https://www.fun-japan.jp/jp/articles/12532

皿屋敷<日本ホラーばなし>
https://www.fun-japan.jp/jp/articles/12643

お月見や月見だんごについてはこちら

月見だんごにみたらし団子にきびだんご!もちもち食感の団子を食べよう!
https://www.fun-japan.jp/jp/articles/12009 

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