夏から初秋は、高円寺阿波踊りや原宿のスーパーよさこいなど、阿波踊りやよさこい、ソーラン節といった日本各地の伝統的な踊りが東京に集結する季節です。また、神⽥明神納涼祭りのような個性的な盆踊りや手作り感のある祭りなど、見逃せないイベントが満載。本記事では、よさこいやソーラン節、阿波踊り、エイサー、盆踊りなどをわかりやすく解説し、東京で開催される多彩な踊りの祭りをご紹介。踊りで感じる日本文化の魅力に迫ります。
まず知っておきたい!⽇本の代表的な伝統踊りの特徴、よさこいとソーラン節の違いは?
よさこいとは|鳴⼦を使って踊る⾼知発祥のエネルギッシュな踊り
よさこい鳴子踊りは1954年に市民の健康と繁栄を祈願し、不況打破と商店街振興を目的に高知で誕生した踊りです。手に「鳴子(なるこ)」と呼ばれる音の出る道具を持って鳴らしながら前進すること、曲中に「よさこい鳴子踊り」のフレーズを入れること、という2つの基本ルール以外は非常に自由で、伝統的な踊りだけでなく、サンバやロック調まで多様な進化を遂げてきました。音楽の発信源であり、演舞を先導する華やかな「地方車(じかたしゃ)」の存在も大きな特徴です。この自由な気風は全国へと広がり、現在は多くのファンをもつ活気に満ちた祭りへと発展しています。
ソーラン節とは|北海道の⺠謡を元にした⼒強い踊りスタイル
ソーラン節は、江戸時代から大正時代にかけて北海道の日本海沿岸で盛んだったニシン漁の呼吸を揃えるために歌われていた民謡に合わせた踊りです。ソーラン節は4つの唄で構成された民謡のひとつで、基となったのは大きな船いっぱいのニシンを陸へ運搬する船にすくい上げる時に歌われた「沖揚げ音頭」。そのため、踊りも足を踏ん張って櫓をこいだり、網をたぐったりといった力強いスタイルとなっています。1980年代には伝統的な正調ソーラン節をロック調にアレンジした南中ソーランも誕生。今日では全国の祭りやイベントで踊られています。
よさこいとソーラン節の違いは?発祥‧踊り⽅‧⾳楽の違いを解説
北海道が発祥のソーラン節は、漁の力仕事の効率化を目的に歌われた民謡のため、踊りには漁の動作が反映されています。一方、よさこいは不況からの復興と市民の健康を願って高知で誕生。チームごとに多様な進化を遂げているのが特徴です。また音楽についても、ロック調などのアレンジはしても伝統的なルーツに沿っているソーラン節に対し、よさこいはチームごとに歌も曲も自由に作り、変えていく点が異なります。
阿波踊りとは|徳島発祥の⽇本三⼤盆踊りの⼀つ
400年以上の歴史を持ち、日本三大盆踊りのひとつである徳島県発祥の阿波踊り。毎年徳島市で大規模な祭りが開催され、国内外から100万人以上の観光客が訪れます。「連」と呼ばれる1,000以上のグループが存在し、力強い男踊り、優雅な女踊り、演奏を担う鳴り物で構成されるのが基本。「手をあげて、足を運べば阿波踊り」と言われるほど初心者にも親しみやすいのも阿波踊りの特徴です。通りを練り歩く「流し」や舞台などでの「組踊り」、飛び入り参加できる「にわか連」など、多様な形態で街全体が熱気に包まれます。
エイサーとは|太⿎の演舞が迫⼒ある沖縄の伝統芸能
エイサーは沖縄の伝統芸能で、盆踊りのように先祖供養のために踊られた踊りでした。そのため、お盆の期間中、沖縄の各地区では青年団が中心となりエイサーをしながら地区内の道を練り歩きます。もともとは手踊りだけで構成されていたエイサーですが、現在は大太鼓や締め太鼓、パーランクーと呼ばれる小型の手持ち太鼓などを使いながら迫力ある演舞が加わった「太鼓エイサー」が主流に。基本隊列は、旗頭を先頭に、太鼓、男女の手踊り、三味線と唄、道化役の「ちょんだらー」など。魂を込めた一糸乱れぬ勇壮な踊りが魅力です。
盆踊りとは|夏に地域で踊られる⽇本の伝統的な⺠俗⾏事
盆踊りは、一般的に8月13日から16日(地域により7月の場合もあり)のお盆の時期に祖先を供養するために行われる伝統的な民俗行事です。日本三大盆踊りに「西馬音内の盆踊り(にしもないのぼんおどり)」「郡上踊り(ぐじょうおどり)」「阿波踊り(あわおどり)」があり、いずれも多くの観光客でにぎわいます。このほかにも、お盆の時期は日本全国のいたる所で盆踊りが開催され、見るだけでなく誰でも参加できるものもたくさんあります。
次からは、東京で楽しめるこれらの踊りのイベントや祭りを紹介します。
① ⾼円寺阿波踊り|東京最⼤の踊りフェス
© TCVB
1957年に高円寺パル商店街で街の活性化のために始まった「東京高円寺阿波おどり」。今では東京で開催される阿波踊りイベントのなかでも、観客動員数が100万人を超える関東最大の踊りの祭りとなりました。演舞場は8カ所あり、多くの参加「連」が流し踊りで街を練り歩いたりステージなどで組踊りを披露したりと、街中が活気に満ちあふれます。なお、観覧する際は公式サイトの「参加連の運行表」を使うと便利。優勝した連を見たい、前に見たことのある連の踊りを見たいなど、お目当ての連の現在地を確認できます。なお、多くの観客が訪れるため混雑が予想されますが、連の移動とともに観覧する人たちも動くので、空いた隙間を狙うのもひとつの方法です。
- 開催時期:2026年8月29日(土)~30日(日)
- 開催場所:JR高円寺駅、または東京メトロ新高円寺駅周辺商店街ほか
- アクセス:高円寺駅、または新高円寺駅から徒歩約5分
- 公式サイト:https://www.koenji-awaodori.com/
② スーパーよさこい(原宿)|全国のよさこいチームが集結
「スーパーよさこい」は、毎年原宿・表参道で開催される首都圏最大級のよさこい祭りです。参加チームは100チームを超え、よさこい発祥の地、高知をはじめ全国からよさこいチームが集結します。踊りはステージで踊る形式と、通りをパレードのように練り歩きながら踊る形式の2種類。会場の明治神宮や原宿、代々木公園のステージ、表参道アヴェニューなどで個性あふれる演舞が楽しめます。初心者におすすめの観覧方法が、まずはストリートで多くのチームの流し踊りを観覧すること。そして、気に入ったチームを見つけたら、「チーム別演舞スケジュール」を確認しましょう。そのチームが次にどこで踊るのかわかるので、その会場に移動すれば、お目当てのチームの踊りが観覧できます。
- 開催時期:2026年8月29日(土)〜8月30日(日)
- 開催場所:明治神宮、原宿表参道、代々木公園、NHK前ケヤキ並木通りほか
- アクセス:原宿駅から徒歩約1分、明治神宮前<原宿>駅から徒歩約1分、表参道駅から徒歩約1分
- 公式サイト:https://www.super-yosakoi.tokyo/
③ 東京よさこい(池袋)|ふくろ祭りの⼈気プログラム
© TCVB
「東京よさこい」は、「ふくろ祭り」の1コンテンツとしてスタートした祭りです。現在は参加者が増え、二部構成の二部の踊りの祭典として開催されています。会場は複数あり、いずれの会場でも個性的なメイクや華やかな衣装をまとったチームが工夫を凝らしたよさこいが観覧可能です。ただし、初めての場合、池袋駅周辺の会場がおすすめ。というのも、池袋駅周辺は会場と会場の距離が近く、複数の会場を巡りやすいので、旅行者でも気軽に観覧できるからです。
この祭りが最も盛り上がるのが、100を超えるチームが参加する都内最大級規模のよさこい踊りのコンテスト。池袋駅周辺の広場や主要な通りは多くの踊り手と観客で溢れ、街全体が熱狂的な雰囲気に包まれます。
- 開催時期:2026年10月10日(土)〜11日(日)
- 開催場所:池袋西口駅前広場、池袋西口公園、アゼリア通り、みずき通り、四商店街、巣鴨駅前広場、大塚駅北口駅前広場
- アクセス:池袋駅からすぐ~約5分、巣鴨駅からすぐ、大塚駅からすぐ
- 公式サイト:https://tokyo-yosakoi.jp/
④ 新宿エイサーまつり|太⿎の迫⼒で⼈気上昇中
出典:PR TIMES
新宿エイサーまつりは、例年7月に新宿駅周辺で開催される大規模なイベントです。2001年に沖縄のチームを招いたことを機に、翌2002年から正式に開催されることになりました。現在では22チームが演舞を披露し、観客動員数が80万人に達する新宿の夏の風物詩へと発展。会場では、本場沖縄のエイサーチームをはじめ、沖縄出身者や独自の工夫を凝らしたチームなど個性豊かな演舞を間近で楽しむことができます。また、ターミナル駅至近という利便性から、立ち寄る訪日外国人観光客が多いのもこのイベントの特徴です。力強い太鼓の音色や熱気あふれるパフォーマンスは、国籍を問わず多くの人々を魅了し続けています。
- 開催時期:例年7月(2025年は7月26日)
- 開催場所:新宿駅東口、 西口一帯
- アクセス:新宿駅周辺
- 公式サイト:https://www.shinjuku-eisa.com/
⑤中野チャンプルーフェスタ|エイサー‧よさこいが⼀度に楽しめる
東京の中野区は古くから沖縄文化との縁が深く、関東におけるエイサーの聖地としても知られています。そんな中野で長年親しまれてきた「中野チャンプルーフェスタ」からエイサー部門が独立することになり、2026年7月に「第1回 関東沖縄エイサーまつり」として新たに産声を上げます。さらに、過去最多のチームが集結し、中野駅周辺が三線の音色や力強い太鼓の響きに包まれる熱狂的な催しとなる見込みです。地元の商店街も一体となって盛り上げるこの祭りは、地域に根差した深い交流と情熱的な演舞を体感できる貴重な機会となります。一方、既存の「中野チャンプルーフェスタ」も同年秋に開催時期を移行。夏と秋の祭り期間は街が沖縄一色に染まります。
- 開催時期:2026年7月18日(土)~7月19日(日)
- 開催場所:中野駅北口周辺
- アクセス:中野駅すぐ
- 公式サイト:
https://nakanocf.com/
https://nakanocf.com/eisa/
⑥東京⼤塚阿波おどり|⾼円寺に次ぐ⼈気の都内阿波踊りイベント
毎年8月下旬に開催される東京大塚阿波おどりは、豊島区大塚で半世紀以上続く夏祭りです。JR大塚駅周辺を舞台に1,000人以上の踊り手が活気あるパフォーマンスを披露。地元住民が作り上げる温かい雰囲気が魅力となっています。この祭りでは、躍動感あふれる組踊りや大通りを練り歩く流し踊りを間近で楽しむことができ、最後に祭りの締めの乱舞が観覧できるところも魅力。踊りについては本場徳島の阿波踊りの伝統を大切にしつつ、各団体が独自の音楽や振り付けを取り入れることで、個性豊かな演舞が繰り広げられます。なお、この祭りは⾼円寺阿波踊りなどの大規模な祭りに比べて、混雑が穏やかなのも特徴のひとつ。じっくり観覧や写真撮影を楽しめるので初心者におすすめの祭りです。
- 開催時期:例年8月(2025年は8月23日)
- 開催場所:トランパル大塚、南大塚大通リ
- アクセス:大塚駅すぐ
- 公式サイト:https://otsuka-awaodori.com/
⑦神⽥明神納涼祭り|盆踊り×屋台で楽しむ東京の夏の⾵物詩
昔ながらの盆踊りや屋台を中心に展開する夏祭りとして始まった「神田明神 納涼祭り」。現在はコンテンツ産業が集まる秋葉原という土地柄を活かしたサブカルチャーとの融合が大きな特徴です。2025年も例年通り、アニソン盆踊りから伝統的な盆踊りまで、幅広い世代が楽しめるイベントとして開催されました。聞き慣れない音楽があっても大丈夫。振付けのレクチャータイムもあり、初めての人でも安心して参加できます。また、特設ステージでのライブやアニメとコラボしたイベントも多数開催。会場には多くの露店が立ち並び、歴史ある神社の境内で日本らしい情緒も存分に味わうことができます。歴史と革新が交差した秋葉原ならではのユニークな夏の風物詩です。
- 開催時期:例年8月(2025年は8月8日~10日)
- 開催場所:神田神社
- アクセス:御茶ノ水駅から徒歩約5分、秋葉原駅から徒歩約7分、新御茶ノ水駅から徒歩約5分、末広町駅から徒歩約5分
- 公式サイト:https://www.nouryo-matsuri.com/
⑧築地本願寺納涼盆踊り⼤会|東京で最も有名な“誰でも参加できる”盆踊り
築地本願寺で毎年夏に開催される、都内最大級の規模を誇る「築地本願寺納涼盆踊り大会」。ライトや提灯の灯りに照らされ、幻想的に佇む重要文化財の本堂を背景に、誰でも自由に盆踊りに参加できます。そのため参加者は年々増加し、幾重もの輪ができた櫓の周りを熱気に包まれながら踊るのがこの大会の醍醐味。さらに、地元の築地場外市場の名店が屋台に多数出店され、「⽇本⼀美味しい盆踊り」とも称されいます。
- 開催時期:例年7月末~8月初頭(2025年は7月31日~8月2日)
- 開催場所:築地本願寺
- アクセス:築地駅直結
- 公式サイト:https://tsukijihongwanji.jp/
⑨渋⾕盆踊り|駅前で開催されるモダン盆踊り
2017年に始まった渋谷盆踊りは、地域の人たちと訪れる人たちとの交流を目的とした、人気の観光スポットで開催される夏祭りです。当日は、道玄坂などの通りが歩行者天国となり、SHIBUYA109前に建てられた櫓の周りで年齢や国籍を問わず多くの参加者が大きな輪を作りなら盆踊りを楽しみます。踊りには誰でも参加できるので、観光のついでに立ち寄り、気軽に観覧したり踊ったりできるのも魅力。また、ステージや音響も洗練され、照明も夜の街に映えるので、写真や動画撮影にもぴったりです。会場には射的やスーパーボールすくいなどの縁日屋台のほか、キッチンカーも出店し、都会の真ん中で活気あふれる日本の伝統文化やお祭りグルメも体験できます。
- 開催時期:例年8月(2025年は8月2日)
- 開催場所:109イベントスペースおよび道玄坂、文化村通り
- アクセス:渋谷駅から徒歩約3分
- 公式サイト:https://shibuyadogenzaka.com/ https://shibuyadogenzaka.com/?p=6827
⑩六本⽊ヒルズ盆踊り|外国⼈にも⼈気の都会型盆踊りフェス
出典:PR TIMES
毎年夏に六本木ヒルズで開催される「六本木ヒルズ盆踊り」。現代的なビル群に囲まれた空間で日本の伝統的な夏を体感できる人気イベントです。会場中央には大きなやぐらが組まれ、その周りを国内外から集まった多くの参加者が幾重にも輪になって踊ります。観光スポットとして人気の高い場所のため、外国人の参加者が多いのもこの祭りの特徴です。2025年は盆踊りのほか、六本木ヒルズオリジナル芸能「楽劇 六本木楽」や北陸地方の伝統芸能も披露。また、会場には本格的なグルメ屋台や懐かしい縁日遊びも登場し、家族連れや観光客を魅了します。都会の洗練された雰囲気とノスタルジックな風情が融合した、この場所ならではの国際色豊かなお祭りです。
- 開催時期:例年8月(2025年は8月22日~8月24日)
- 開催場所:六本木ヒルズアリーナ、六本木けやき坂通り
- アクセス:日比谷線六本木駅直結、大江戸線六本木駅から徒歩約4分、大江戸線麻布十番駅から徒歩約5分、乃木坂駅から徒歩約10分
- 公式サイト:https://www.roppongihills.com/
Comments