見て楽しい!作って楽しい!食品サンプルの魅力。知られざる歴史と体験ガイド

食品サンプル 岐阜県
提供:岐阜県観光連盟

見た目は本物そっくりなのに、食べられない——。そんな不思議な存在、食品サンプル。レストランのショーケースで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

実はこの食品サンプルは、日本発祥の文化であり、今や、「見て楽しい」「作って楽しい」体験型コンテンツとして国内外で注目を集めています。最近では、キーホルダーや文房具など、日常を彩るユニークなアイテムとしても人気です。本記事では、食品サンプルの誕生秘話や職人技が光る製作工程、さらには全国で楽しめる体験施設から個性的なお土産まで、その奥深い世界をご紹介いたします。

日本が誇る、本物以上にリアルな技術の魅力を、ぜひ体感してみてください。

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食品サンプルとは?

食品サンプル 大阪
©Osaka Convention & Tourism Bureau

食品サンプルは、実際の料理を本物のように再現した模型です。プラスチックやシリコンで作られ、レストランのショーケースに飾られています。

その目的は、料理のイメージをわかりやすく伝えること。初めてそのお店を訪れるお客さんにとって、見れば一目でわかり、食欲がそそられることから、日本の外食産業には欠かせない存在となっています。

驚くべきはその精巧さです。本物と見分けがつかないほどリアルに作られており、湯気の立ち上る様子やソースの照り方、食材の断面に至るまで忠実に再現されています。思わず「これ、本当に食べられないの!?」と叫んでしまいたくなるほどの完成度は、多くの人を魅了してやみません。最近では、食品サンプルの製作体験やアート作品としての展示も増え、「見る」から「作る」「飾る」楽しさへと進化を遂げています。

海外からの評価と人気の広がり

食品サンプルは、近年、海外からの注目を集めています。特に欧米やアジア圏の観光客にとっては、こうしたリアルな模型を使ったメニュー紹介は非常に新鮮に映るようで、SNS等でもシェアされています。

「食べられないのに、すごく美味しそう」「職人技がすごい」「帰国してからも飾って楽しみたい」といった声が多く、今や日本旅行で体験したいことのひとつにも数えられています。さらに、食品サンプルをモチーフにしたアクセサリーやキーホルダーは、お土産として持ち帰る海外の方も多くなっています。

食品サンプルの歴史

食品サンプル 岐阜
提供:岐阜県観光連盟

食品サンプルの始まりは、大正末期から昭和初期にかけてとされています。当時の日本では、まだ外食文化が広く浸透しておらず、識字率も現在ほど高くありませんでした。さらに、西洋文化の影響を受け、エビフライやハンバーグなどの洋食メニューを提供する店が増え始めていました。料理を文字で説明するのではなく、見てすぐに理解できる方法として、当初は実際に調理した料理を店頭に並べられていました。しかし、実物の料理はすぐに傷んでしまうといった難点があり、それを解決する手段として、食品の模型が考案されたのです。

1932年、岩崎瀧三氏が大阪市で「岩崎製作所」を創業し、これが食品サンプル産業の先駆けとなりました。岩崎氏の最初の作品は「オムレツ」で、これをきっかけに食品サンプルは全国へと広がっていきました。当初は蝋が材料として使われていましたが、1980年代以降は耐久性に優れた合成樹脂が主流となり、保存性が向上したことで、外食産業の発展とともに需要も拡大していきました。現在では、岩崎氏の出身地である岐阜県郡上市八幡町が食品サンプルの産地として知られ、製作工房の見学や体験ができる観光地としても人気を集めています。

食品サンプルの作り方

食品サンプル 体験 大阪
©Osaka Convention & Tourism Bureau

一見すると、機械で大量生産されたように見える食品サンプルですが、実はそのほとんどが職人の手による手作りです。その制作には、細やかな観察力と、長年の経験で培われた高度な技術が欠かせません。

食品サンプルは、主に以下の工程を経て作られます。(※天ぷらやレタスなど型を使用しない工程のものもあります。)

①型取り

実際の食材にシリコンをかけて型を作ります。固まった後に取り出すことで、細部までリアルに再現できる型が完成します。

②成形

出来上がった型に合成樹脂を流し込み、加熱して固めます。食材ごとに適した素材や温度管理が求められる、繊細な作業です。

③着色と盛り付け

乾いた樹脂に、エアブラシや筆を使って色を重ねていきます。最後にパーツを丁寧に組み立てて、ひとつの料理として仕上げます。

④組み立て・仕上げ

色付けしたパーツを組み合わせ、盛り付けや飾りつけを行います。皿への配置やソースのかけ方、湯気の演出まで工夫されます。

色づけの芸術性

食品サンプルの行程において、「おいしそう」を演出する最大の要素が、色づけと言われています。グラデーションや照り方、透明感などを重ねることで、本物のような質感を生み出します。例えば、卵焼きのこんがり焼けた焦げ目、ステーキのジューシーな赤身、カレーのとろっとした質感。どれもが、職人の技術によって丁寧に再現されています。その細部に宿る再現性こそが、食品サンプルを工芸から芸術の域へと引き上げているのです。

全国で楽しめる体験スポット

食品サンプルの魅力を「見て楽しむ」だけでなく、「自分で作る」体験として味わってみませんか。日本全国には、観光と一緒に楽しめる食品サンプル作りの体験スポットが数多く存在します。ここでは、特に人気の高いおすすめプランをご紹介します。

東京】浅草で食品サンプル作り&藍染体験プラン

食品サンプル 体験 東京
Copyright : kkday

東京の下町・浅草では、江戸の風情を感じながら食品サンプル作りと藍染体験を一度に楽しめるプランが人気です。食品サンプル作りでは、天ぷらやスイーツなど本物そっくりの作品に挑戦でき、日本の伝統技法である藍染も体験できるのが大きな魅力です。特に海外からの旅行者には「一度に2つの日本文化を体験できる」と好評で、完成した作品はそのままお土産として持ち帰ることができ、旅の思い出としても残ります。浅草寺や仲見世通りの観光とあわせて楽しめるのも大きな魅力です。

👉藍染については、こちらの記事をどうぞ

[kkday]👉浅草で食品サンプル作り&藍染体験

大阪】たこ焼きの食品サンプル製作体験

食品サンプル 体験 大阪
Copyright : kkday

大阪名物のたこ焼きをモチーフに、自分だけのオリジナル食品サンプルを作るプランです。本物そっくりのたこ焼きを自分の手で作り、キーホルダーやマグネットとして仕上げます。ソースや青のりの質感までこだわった仕上がりに、食欲がそそられます。大阪らしいユニークな思い出作りにぴったりの体験です。

[kkday]👉日本大阪|たこ焼きの食品サンプ制作体験|キーホルダーかマグネットが選べます!

【全国各地】自由に選べる体験スポット

食品サンプル作りは、東京や京都だけでなく、大阪・名古屋・埼玉など全国各地で体験可能です。

観光のついではもちろん、家族旅行やカップルのデート、企業研修やレクリエーションとしても利用されています。「アソビュー」などの予約サイトを使えば、日時や場所を自由に選べて、初心者でも安心して参加できます。

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食品サンプルをもっと楽しむグッズたち

食品サンプル 大阪
©Osaka Convention & Tourism Bureau

見て楽しい、飾って楽しい食品サンプルは、グッズになってもその魅力が満載です。リアルさとユニークさを兼ね備えたアイテムたちは、日常にちょっとした遊び心をプラスしてくれます。ここでは、思わず集めたくなる人気の食品サンプルグッズをご紹介します。

キーホルダー

本物そっくりのミニチュア食品が、そのままキーホルダーに。パンケーキやラーメン、寿司、目玉焼きなど、種類が豊富で選ぶ楽しさがあります。ユニークで精巧なデザインはお土産やプレゼントにもぴったり。お気に入りの料理やご当地メニューを選んで、個性を演出してみてはいかがでしょうか。

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ステーショナリー

見慣れた文房具が食べ物の姿に変身したユニークなステーショナリーは、勉強や仕事の合間に思わず笑顔になれる癒しアイテムとして人気です。お子様用にもぴったりで、ちょっとしたプレゼントにもおすすめです。

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アンブレラマーカー

傘の持ち手に付けるアンブレラマーカーは、取り違え防止にも役立つ実用性アイテムとして注目されています。見た目のかわいさに加え、便利でユニークなお土産としても喜ばれています。

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アクセサリー

ピアスやネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーにも、食品サンプルが使われるようになりました。普段の装いにちょっとした遊び心を加えて、個性的なファッションアイテムとして楽しむことができます。見た目の美しさだけでなく、食品サンプルならではの独特な質感や色合いも魅力のひとつです。

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自宅で楽しめる!食品サンプル制作キット

遠くてなかなか現地に行けない方や、子どもと家で楽しい時間を過ごしたい方にぴったりなのが、食品サンプルの制作キットです。ネット通販や専門店で手軽に購入でき、自宅にいながら本格的なサンプル作りを楽しめます。説明書が付いているので初心者でも安心して取り組むことができ、親子のコミュニケーションや自由研究などでも大活躍します。完成した作品は、そのままインテリアとして飾って楽しむこともできます。

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遊び心満載!一味違う食品サンプル体験の世界

食品サンプルの楽しみ方は、今や作るだけにとどまりません。旅行やカフェタイムと組み合わせた新しい体験が注目を集め、五感で楽しむ特別な時間が味わえます。ここでは、そんな一風変わった食品サンプル体験をご紹介します。

食品サンプル列車

長良川鉄道が運行する食品サンプル列車は、食品サンプルを間近で楽しめる特別な列車です。車内には寿司、天ぷら、スイーツなど本物そっくりの食品サンプルがずらりと並び、まるで走るミュージアムのようです。さらに、本物とサンプルを見分ける「見破り体験」もあり、大人も子どもも夢中になれる仕掛けが満載です。列車は、日本の食品サンプル文化の礎を築いた岩崎瀧三さんの故郷・郡上八幡駅も通過し、地域に根付くものづくりの文化とも深く結びついています。かつて発売されていた「食品サンプル切符」は、今では鉄道ファンの間で語り継がれるレアな記念品です。もっと体験したい方は、郡上八幡にあるサンプルビレッジいわさきで、食品サンプル作りに挑戦するのもおすすめです。

information: 食品サンプル列車

  • 運行期間:2024年11月17日(日)~2025年11月予定
  • 所在地:岐阜県郡上市・関市・美濃加茂市
  • 運行区間:長良川鉄道 越美南線(美濃太田駅〜北濃駅)
  • 料金:普通運賃210円~
  • 公式サイトURL:https://food-replica-train.com/

食品サンプル製作体験カフェ

浅草にある食品サンプル製作体験カフェは、食品サンプル作りを楽しめるだけでなく、実際の料理も味わえるユニークな体験スポットです。人気のプランでは、オムライス、スパゲッティ、クレープ、パフェなどの食品サンプルを自分で作り、その後に本物の料理を味わうことができます。完成したサンプルと本物の料理を並べると、どちらが本物かわからなくなるほどのそっくりさに驚く人が続出しています。SNS映えも抜群で、見た目は同じなのに「これは食べられる?」「これはサンプル?」と盛り上がること間違いなしです。

information: 食品サンプル製作体験カフェ

  • 所在地: 東京都台東区花川戸1丁目13−13
  • アクセス:銀座線 浅草駅 徒歩5分  /  東武鉄道 浅草駅 徒歩4分  /  都営浅草線 浅草駅 徒歩10分  /  つくばエクスプレス 浅草駅 徒歩11分
  • 営業時間:土曜日 10:00~18:00(最終入店17:00) /  土曜日以外 10:00~17:00(最終入店16:00)
  • 定休日:不定休
  • 公式サイト:https://foodsamplecafe.com/

まとめ

食品サンプルは、単なる料理の模型を超えた、日本独自の文化そのものです。視覚的なリアルさや職人による精密な手仕事はもちろん、ユーモアやアート性といった多彩な魅力にあふれています。見て楽しい、作って楽しい、飾って嬉しい。そんな三拍子そろった食品サンプルの魅力を紹介させていただきました。旅の思い出に、大切な人へのギフトに、あるいは自分へのご褒美に。食品サンプルの世界で、あなただけの「おいしい発見」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

参考文献

  • 眼で食べる日本人 野瀬泰申 旭屋出版
  • 企業内「職人」図鑑 私たちがつくっています。③食の周辺で こどもくらぶ
  • 身近なものができるまで 工場見学!町でみかけるもの PHP研究所
  • 食品サンプル百貨店 ギャンビット

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