
四季折々の美しい風景、美味しい食べ物、そして魅力的な観光スポットが揃う日本。しかし、夏の日本は想像以上に蒸し暑く、特に6月から9月にかけては、慣れていない旅行者が「熱中症」で体調を崩すケースが少なくありません。せっかくの旅先で体調を崩してしまうのは、本当にもったいないことです。でも、正しい知識と対策を知っていれば、熱中症はしっかり防ぐことができます。
この記事では、熱中症の症状や危険性、旅行中にできる応急処置、予防のためのポイントや便利グッズまで、わかりやすく紹介しています。これからの旅を安心・快適に過ごすために、ぜひチェックしてみてください。
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日本における熱中症の現状と課題
熱中症による死者数、救急搬送状況

日本では近年、猛暑の影響で熱中症による被害が深刻化しています。特に7月から8月にかけては高温の日が続き、毎年多くの人が熱中症で救急搬送されています。
総務省消防庁のデータによると、2024年には約9万人以上が熱中症で救急搬送されました。住宅内や屋外での作業中に倒れるケースが目立ち、死亡に至る事例も少なくありません。こうした状況は、気候変動の影響によって今後さらに悪化する可能性があり、社会全体での対策が求められています。
出典:令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況(総務省消防庁)
「熱中症警戒アラート」とは?
熱中症警戒アラートは、環境省と気象庁が共同で発表している情報で、熱中症のリスクが極めて高くなると予測される日に発令されます。2021年から全国展開が始まり、暑さ指数(WBGT)が33以上になるとアラートが出されます。
このアラートはテレビやスマートフォン、気象庁のウェブサイトなどを通じて広く発信され、外出や運動の中止、こまめな水分補給の徹底など、具体的な対策を促す役割を果たしています。
熱中症の症状は?放置すると危険!

熱中症は、気温や湿度が高い環境で体温調節機能がうまく働かなくなることで発症し、放置すれば命に関わる危険性もあります。初期の軽い症状を見逃してしまうと、数分〜数時間のうちに重症化することも少なくありません。ここでは、熱中症の進行段階ごとの症状と、特に注意が必要な人たちについて詳しく解説します。
熱中症の症状は、重症度によって大きく3段階に分けられる
- 第1段階:立ちくらみやめまい、筋肉のけいれん、大量の発汗といった軽度の症状
- 第2段階:頭痛や吐き気、倦怠感が強まり、自力での水分補給が難しくなる状態
- 第3段階:意識障害やけいれん、歩行困難、場合によっては倒れ込み、命の危険を伴う重篤な症状に至る
これらの症状は、適切な対処を怠ると短時間で急速に進行するため、早期の気づきと対策が不可欠です。
乳幼児や高齢者は死亡につながる危険性が高い

特に注意が必要なのが、乳幼児や高齢者といった体温調節がうまくできない年齢層です。乳幼児は体温調節機能が未熟であり、外気温の影響を強く受けやすい一方、自分で暑さを訴えることが難しいため、発見が遅れるリスクがあります。
高齢者は汗をかきにくく、のどの渇きを感じにくい傾向があり、暑さに気づかないまま脱水や熱中症を引き起こすことがあります。
乳幼児と高齢者は、熱中症が重症化しやすく、最悪の場合に命を落とす危険性もあるため、特に周囲の見守りと環境調整が重要です。
出典:熱中症を防ぐためには 高齢者と子どもの注意事項(環境省)
熱中症の治し方はある?応急処置の方法は?

旅行中は観光や移動などで屋外にいる時間が長くなり、つい自分の体調の変化に気づきにくくなることがあります。特に夏場の旅行では、強い日差しや高温多湿の環境で体に大きな負担がかかり、知らない土地で突然熱中症の症状が出てしまうことも。そうしたときに備えて、すぐに実践できる応急処置の方法を知っておくことはとても大切です。ここでは、旅行先で自分や周囲の人が熱中症になった場合の対処法を順を追ってご紹介します。
涼しい場所へ避難する
まずは暑さから体を守るために、すぐに涼しい場所へ移動しましょう。木陰や屋内の冷房の効いた施設、日陰になっている建物のそばなどが適しています。観光地であれば、カフェやコンビニ、駅構内などを利用するのも効果的です。熱中症の初期段階であれば、この避難だけでも体調が安定することがあります。
服をゆるめて体を冷やす
涼しい場所に移動したら、次に行うべきは体を冷やすことです。衣服をゆるめて風通しを良くし、わきの下、首の後ろ、足の付け根など太い血管が通る部分に冷たいペットボトルや保冷剤を当てて冷却を行います。旅先では冷たい飲料や氷を扱う売店が多いため、それらを応用するのもよいでしょう。
水分と塩分を補給する
熱中症では水分だけでなく、汗とともに失われた塩分(電解質)も補うことが重要です。経口補水液やスポーツドリンクがあれば理想的ですが、ない場合は水と塩分を別々に摂取しても構いません。旅行中は自動販売機やコンビニで簡単に手に入るため、事前に持ち歩いておくと安心です。
救急車を呼ぶ
意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない、吐き気がひどい、けいれんを起こしているなど、重症の兆候が見られる場合はすぐに救急車を呼びましょう。旅先で救急車を呼ぶのに不安がある場合は、周囲の人やホテルのスタッフなどに協力を求めることも大切です。ためらわずに119番し、できるだけ正確に場所と状況を伝えることが、命を守る鍵となります。
熱中症を予防する方法と気をつけたいポイント

熱中症は、正しい知識と少しの工夫でしっかり予防できるものです。特に暑い時期の外出や旅行、スポーツなどでは、事前に対策をしておくことが非常に重要です。ここでは、で意識したい基本的な熱中症予防のポイントを3つに分けて紹介します。
水分補給をしっかりする
こまめな水分補給は、熱中症予防の基本中の基本です。喉が渇いてから飲むのではなく、渇きを感じる前に少しずつ補給することが大切です。特に朝起きた直後、外出前後、運動中やその後は積極的に水分をとるようにしましょう。また、アルコールやカフェインの多い飲料は利尿作用があるため、水分補給には適していません。
塩分補給をしっかりする
汗をかくと体内の塩分(ナトリウム)も一緒に失われるため、水分とあわせて適度な塩分の補給も必要です。特に大量に汗をかいたときは、塩分を含む飲料やタブレット、塩飴などを活用すると良いでしょう。過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適量を守ることが大切です。
吸汗性・通気性に優れた衣服を着る
衣服の選び方も熱中症予防に大きく関わります。吸汗性・通気性に優れた素材を選び、色は熱を吸収しにくい白や淡色系を選ぶのが効果的です。また、帽子や日傘を使って直射日光を避ける工夫も重要です。旅行や外出時には、着脱しやすく、体温調節がしやすい服装を心がけましょう。
熱中症対策におすすめの冷却グッズ
熱中症対策を万全にするためには、水分補給や服装だけでなく、冷却グッズを上手に取り入れるのが効果的です。外出中や旅行先、通勤・通学時など、どこでも手軽に使える便利なアイテムが多数登場しています。ここでは、特に人気の高いおすすめ冷却グッズをご紹介します。気になるアイテムがあれば、リンクから詳細をチェックしてみてください。
ボディーシート
汗をかいたあとにサッと使えるボディーシートは、肌をさっぱりと清潔に保ちながら、冷感効果で体温を下げてくれる便利アイテムです。メントール配合タイプを選べば、ひんやり感が長く続きます。旅行バッグやポケットに常備しておけば、屋外活動の強い味方になります。
日傘
直射日光を遮ることで体感温度を大きく下げられる日傘も、特に夏場の外出時には非常に有効です。UVカット加工が施された遮熱タイプの日傘を選べば、肌のダメージも抑えられ、見た目にも涼やかな印象を与えてくれます。折りたたみタイプなら旅行にも持ち運びしやすくおすすめです。
ネッククーラー
首元を直接冷やすネッククーラーは、冷却効果が高く、熱中症予防に非常に効果的です。最近では、電源不要で繰り返し使えるPCM素材タイプや、USBで冷却できる電動タイプなども人気です。首の後ろは太い血管が通っているため、効率的に体温を下げることができます。
ひんやりタオル
水で濡らして絞るだけでひんやり感が持続する「冷感タオル」も、夏の外出やスポーツ時に欠かせないアイテムです。肩や首にかけるだけで、じんわりと熱を奪ってくれます。コンパクトにたためてかさばらないので、旅行にも最適です。
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