SNSでふと目にした息をのむような絶景写真をきっかけに、「いつかここに行ってみたい!」と心を動かされたことがある方も多いのではないでしょうか。FUN! JAPANでは、絶景プロデューサー・詩歩さんと共に、彼女の目線で切り取った日本の絶景や、その瞬間をカメラに収めるためのヒントを記事で紹介しています。
今回お届けするのは、長崎県の「土谷(どや)棚田」をはじめとする5つの絶景を巡る旅。4月のわずかな期間だけ現れる黄金色の水鏡や、海に一番近い駅など、詩歩さんが「どうしても撮りたかった」と語る長崎の旬の風景をのぞいてみましょう。
※「絶景」は英語では “Zekkei” と表現されることもあり、詩歩さんは “Breathtaking sights” という言葉で世界に紹介してきました。単に美しい風景というだけでなく、思わず息をのむような瞬間を指す言葉です。
今回の一枚:「土谷棚田の夕日」
空と海を繋ぐ400枚の水鏡。一瞬の輝きに魂を奪われる
玄界灘を望む斜面に、幾筋もの曲線が描く土谷棚田(どやたなだ)。一年で最もドラマチックな変化を見せるのは、田植えを控えた4月、棚田の隅々にまで水が満たされる時期です。
沈みゆく夕日が水平線に近づくにつれ、400枚もの水田は一つひとつが独立した鏡となり、空の色彩を地上へと写し込みます。オレンジ、そして深い紫へと移ろうグラデーションが水面を染め上げ、海と陸の境界線すら消し去ってしまう――。その凛とした空気感と圧倒的な光景は、まさに息をのむ瞬間の連続といえるでしょう。
by 絶景プロデューサー、詩歩/Shiho
『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』プロデューサー。著書シリーズは累計63万部を突破し、SNSの総フォロワー数は100万人を超える。自治体や企業の観光振興アドバイザーとして世界中を飛び回り、美しい絶景の魅力を発信し続けている。
公式Instagram:@shiho_zekkei
絶景プロデューサーが選ぶ「どうしても行きたい」長崎の絶景
古くから海外との交流拠点として栄え、「和華蘭文化」と呼ばれる日本・中国・西洋の要素が混ざり合った独自の歴史的背景を持つ長崎県。実際に足を運んだ詩歩さんは、長崎について、「海や島々が織りなす地形の面白さと、西向きのロケーションゆえの夕日の美しさ」が印象的だったそうです。
ここからは、詩歩さんが絶景を巡る中で感じた、「長崎の絶景と魅力を堪能できる旅行プラン」をご紹介します。
Day 1 12:00 - 佐世保バーガーミュージアム:絶景を楽しみながらソウルフードを堪能
旅の始まりは、ご当地グルメを堪能するところから!ということで、まずは長崎を代表するソウルフード「佐世保バーガー」をいただきましょう。
1950年頃に米海軍基地から伝わったレシピが始まりとされる「佐世保バーガー」は、注文を受けてから作り始めるのが鉄則。こだわりのパティや新鮮な生野菜がぎっしり詰まっています。
そんな佐世保バーガーを九十九島の絶景を目の前にしながら楽しめるのが、佐世保バーガーミュージアム!海や島々をより間近に、少し低い視点から眺められるのは、ここならではの魅力といえるでしょう。
「とにかく具沢山!一つ食べるだけでお腹いっぱいになるほどの満足感があり、食べ応えもバッチリです。また、このお店のポテトがすごく美味しかったので、絶対食べてみてほしい!」と詩歩さん。「空からトンビが食べ物を狙って飛んでくる場合があるのでご注意を。室内の窓側の席が眺めもよくておすすめです」。
佐世保バーガーミュージアム
- アクセス:JR佐世保駅から車約15分
- HP:https://saseboburger-mus.com/
Day 1 15:00 - 九十九島観光公園:開放感抜群!九十九島を大パノラマで堪能
お腹が満たされたところで、早速九十九島の絶景を楽しむため「展望台巡り」の旅に出発しました。その一つの絶景スポット「九十九島観光公園」へ向かいます。
約4.7ヘクタールの広大な芝生広場が広がる新しく整備された公園で、遮るもののない圧倒的な開放感が魅力!園内にある「眺望の丘」からは、九十九島の大パノラマを南側から見渡すことができます。日中はダイナミックな島々の造形美を、夕暮れ時には季節によって海へと沈んでいく美しい夕日を堪能できるのが特徴です。
また、敷地内にある「九十九島」の文字を象ったモニュメントも人気フォトスポットの一つ。一目でその場所とわかる旅の思い出の一枚になりますね。
九十九島観光公園
- アクセス:JR佐世保駅から西肥バス「九十九島観光公園(展海峰)」行に乗車、「九十九島観光公園」で下車後、すぐ
- HP:https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/101122
Day 1 18:00 - 土谷棚田:夕日と棚田が作り出す黄金色の水鏡
夕刻に合わせて佐世保から松浦市に移動。ここでは「日本の棚田百選」にも選ばれた土谷棚田の絶景が楽しめます。古の時代から先人たちの弛まぬ努力が織りなす原風景を象徴する土谷棚田は、農家の努力の数だけ歴史や物語があります。
土谷棚田は、4月中旬から5月上旬、田植え前のわずかな間だけ見られる「水が張られた棚田」が一年で最も美しい時期。ただし、気温が高すぎたり雨が降らない日が続いたりすると、十分に水が張られないこともあるため注意が必要です。最高の瞬間を収めるためには、事前の天気予報と日の入り時間のチェックが必須。(当日の日の入時刻は18:45~18:50頃)
「思った以上に広大な棚田に感動しました。西向きなので、夕日が真正面に見える眺めも素晴らしいです」とその魅力を語ってくれました。また、10月に開催される「土谷棚田の火祭り」では、光に包まれる幻想的な光景が見ることができ、水田とは異なる魅力を感じられます。
絶景を撮影するポイント
スマホで撮影時に、太陽をタッチすると棚田が暗くなりすぎ、逆に棚田をタッチすると空が真っ白(白飛び)になってしまうため、「太陽をタッチして棚田を暗めに撮り、後から明るさを調整する」のがコツ。写真よりも動画での撮影がおすすめ◎
土谷棚田
- アクセス:伊万里駅から車で約40分
- HP:https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/625
Day 1 20:30 - 弓張の丘ホテル:佐世保の夜景に酔いしれる南欧風リゾート
1日目の締めくくりは、旅行のプロ・JTBが太鼓判を押す絶景ホテル「弓張(ゆみはり)の丘ホテル」。西海国立公園内の丘の上に建つ南欧風のリゾートホテルで、佐世保の街並みと海を最も高い視点から一望できる最高のロケーションを誇ります。
夕暮れから夜にかけては、「日本夜景遺産」にも選ばれた佐世保市街地の眩い夜景をお部屋から心ゆくまで堪能。さらに、翌朝には澄んだ空気の中に広がる早朝のパノラマが目の前に現れ、気持ちの良い朝を迎えることができるでしょう。
また、レストランやラウンジから美しい景観を眺められるのも魅力。特にバイキングでは、夕食に佐世保名物レモンステーキをはじめ 、お刺身やお寿司といった新鮮な長崎の海の幸が並び、種類豊富なメニューでお腹も心も満たされるはず!
弓張の丘ホテル
- アクセス:佐世保駅から車で約20分(佐世保駅東口より無料送迎バス有り)
- HP:https://www.yumihari.com/
- 予約サイト:https://www.japanican.com/hotel/japan/sasebo/yumihari-no-oka-hotel
Day 2 09:00 - 石岳展望台:『ラストサムライ』の舞台!九十九島を飲み込む圧倒的なパノラマ
2日目は絶好のお天気!ということで、佐世保市にある標高191mの石岳頂上に位置する「石岳展望台 (いしだけてんぼうだい)」へ。
眼下には「九十九(くじゅうく)」という言葉では足りないほど、実際には200以上の島々が点在しており、圧倒的な迫力の多島海景観が360度のパノラマで眼下に広がります。映画『ラストサムライ』の冒頭シーンのモデルにもなっていることから、プロ・アマ問わず多くの写真家がこの一瞬の絶景を求めて訪れるのだとか。
詩歩さんはこの絶景を収めるため、周辺にあるいくつもの展望台を下見して回ったそうです。「中でも、石岳展望台はとにかく展望台自体の高さがあるのが魅力。より俯瞰で島々を見下ろせるので、小さな島影をより数多く捉えることができ、撮影場所としてはベスト」と、とっておきの撮影スポットを教えてくれました。
絶景を撮影するポイント
水平線をまっすぐに保つことは、撮影において基本的かつ重要な技術です。目標は必ずしも中心に配置する必要はなく、構図については柔軟に考えてOK。まずは水平線を真っ直ぐにキープすることを意識してみてください。
旅行をもっと楽しむポイント・ヒント
九十九島には、石岳展望台のほかにも、九十九島観光公園や船越展望台など魅力的な展望スポットが点在しています。体力や時間に余裕があれば、詩歩さんのように「展望台巡り」をして、高さや角度によってガラリと変わる島々の表情をコンプリートしてみるのも良いかもしれません。
石岳展望台
- アクセス:JR佐世保駅から車で約15分
- HP:https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/273
Day 2 11:48 - 大三東駅:有明海の青に映える黄色いハンカチとローカル列車
佐世保から島原半島まで南下し、島原鉄道に揺られて次の目的地へ向かいます。
島原鉄道は、島原半島の北岸を走る地域住民に長く親しまれているローカル列車。全長区間の中には有明海の穏やかな海岸線に沿って走る区間があり、その目的地として選ばれているのが、日本で最も海に近いといわれる無人駅「大三東駅(おおみさきえき)」になります。
目の前に広がる真っ青な有明海と空、そしてホームに掲げられた鮮やかな「幸せの黄色いハンカチ」に、レトロな雰囲気のローカル列車が揃えば、美しくノスタルジックな瞬間を感じられるでしょう。
現地にはカプセルトイが設置されており、それで購入したハンカチに願い事を書いて掲げることができます。詩歩さんも、ハンカチを購入してメッセージを掲げていました。「旅する人が願いを込めた黄色いハンカチが風になびく光景は、すごくハッピーな感じでいいなと思います。CMのロケ地になるのも納得の、多くの人に愛される理由が詰まった場所ですね」。
絶景を撮影するポイント
服装にこの場所のテーマカラーである「黄色」を取り入れるのがおすすめ。また、車両は黄色と赤色の2種類がありますが、ホームになびく「幸せの黄色いハンカチ」との統一感を意識するなら、黄色の車両が来るタイミングを待つのがベストでしょう。
旅行をもっと楽しむポイント・ヒント
この駅を訪れたら、まずは駅の自販機でレモンスカッシュを買い、目の前の海を眺めながら飲んでみてください。5月以降に訪問される方は、駅の近くにあるカフェのソフトクリームをチェックしてみるのも季節ならではの楽しみになりますよ。
大三東駅
- アクセス:島原鉄道「大三東駅」下車すぐ
- HP:https://www.shimatetsu.co.jp/
- 大三東駅時刻表:https://www.shimatetsu.co.jp/area/detail/?id=7
Day 2 13:00 - 島原名物 具雑煮&にゅうめん:島原半島の人々に愛されるご当地グルメ
いよいよ絶景旅も終盤!ここで、旅行のプロ・JTBが、ぜひ味わってほしい名物としておすすめするのが、島原地方に伝わる「具雑煮(ぐぞうに)」と「にゅうめん」をいただきましょう。
具雑煮は、1637年の「島原の乱」の際、総大将の天草四郎が兵糧として、餅や山海の幸を集めて作らせたのが始まりと言われる歴史ある料理。にゅうめんは、島原伝統の手延べそうめんを温かくしていただく料理です。鶏肉やかまぼこ、油揚げ、にんじん、干ししいたけなど、具材の旨味が溶け出したお出汁との相性は抜群です。
日本人にとってお雑煮はお正月の食べ物というイメージですが、島原では一年中食べられます。「いつでもお雑煮を食べると聞いて、とても新鮮でした。お出汁がしっかり効いていてヘルシーなので、女性にも嬉しい美味しさです」と詩歩さんも気に入ってくれた様子でした。
Day 2 14:00 -ガラスの砂浜:空港からすぐ!太陽に煌めく七色のビーチ
ラストは、大村湾に面した森園公園の隣にある、廃ガラスを再生して作られた人工の砂浜へ。波に洗われて角が取れた色とりどりのガラスの粒が、太陽の光を浴びて宝石のようにキラキラと輝き、SNSでも話題のフォトジェニックスポットとなっています。長崎空港から車で5分と、帰り道にサクッと立ち寄れるのは嬉しいですね。(※安全のため素足での立ち入りはご遠慮ください)
「ずっと前からSNSで見ていて、いつか行きたいと思っていた場所でした」と、詩歩さん。今回の撮影では、青いガラスの破片をたくさん集めてハート型を作っていました。「砂浜の輝きと相まって、すごく可愛らしい写真が撮れました」。風景をそのまま撮影するだけでなく、その場にあるものを使って自分なりにアレンジし、新たな魅力を作り上げるのも、詩歩さんの撮影スタイルのひとつです。
絶景を撮影するポイント
ただ景色を撮るだけでなく、自分だけの「柄」を作って撮るとGood。お気に入りの色のガラス破片を集めて、ハート型などのモチーフを砂の上に作り、手元や小物を添えて撮影すると、より「映える」一枚になります。
ガラスの砂浜
- アクセス:長崎空港から車で5分
- HP:https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/100774
長崎へのアクセス
長崎県へのアクセスは、各地から飛行機や新幹線でスムーズに移動が可能です。
飛行機(国際線)から長崎空港まで
- ソウル(インチョン):約1時間30分(火・木・土のみ運航)
- 香港:運休中
飛行機(国内線)から長崎空港まで
- 羽田・成田空港:約1時間50分
- 伊丹・関西・神戸空港:約1時間15分
- 中部国際空港(セントレア):約1時間30分
※空港から長崎駅までは、リムジンバスで約40分で到着します
電車から長崎駅まで
- 博多駅(福岡): 西九州新幹線「かもめ」を利用して、長崎駅まで約1時間20分
- 博多駅(福岡): 特急「みどり」を利用して、佐世保駅まで約1時間34分
HP:https://www.nagasaki-tabinet.com/access
絶景プロデューサー・詩歩さんが語る「長崎」の魅力
今回の旅を通して、詩歩さんは長崎の魅力は「複雑な海岸線と無数の島々が織りなす海と島の美しさ、そして西端の地ならではのドラマチックな夕景にある」と語ります。
「九十九島の魅力は、やはり青い海の中にすごく小さな島が本当に九十九個と言わずにそれ以上たくさん点在しているところですね。美しい青い海に無数の小島が散らばる光景は、まさに絶景と呼ぶにふさわしい景観です。」
「大三東駅も、ホームのプラットフォームに駅の看板と小さい駅舎が立っていて、そこに1両編成のローカル線が通っているという、本当に物語性のあるような風景が広がっています。青い空と青い海、そして旅人たちの願いが込められた黄色いハンカチが風になびく光景……これらすべてが組み合わさって、訪れる人の心を捉える特別な場所になっていると思います」
五感を揺さぶる長崎の絶景スポットは、息を呑む美しい景色と、一生モノの感動を私たちに与えてくれるはずです。
長崎の他おすすめ絶景・観光スポット
長崎県には、今回ご紹介したスポット以外にも、「ハウステンボス」や「軍艦島」など、訪れる人を魅了する絶景が数多く存在します。FUN! JAPANでは他にも沢山のおすすめスポットを記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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