【旅のプロが推薦】日本のフェリー旅徹底ガイド！車OK・ホテル級船内設備で新幹線より快適？

国内旅行の交通手段は新幹線や航空機だけではありません。海に囲まれた日本を旅するなら、実はフェリーがおすすめです。移動時間も観光が楽しめる、フェリーでしか体験できない特別な時間を味わえます。この記事では、どんなフェリーや航路があるのか、船上での過ごし方、予約方法、知っておきたい注意点まで、旅のプロがフェリーの魅力をご紹介します。

※記事で紹介した商品を購入したり予約をしたりすると、売上の一部がFUN! JAPANに還元されることがあります。 

 日本のフェリーの種類と「カーフェリー」の魅力

フェリーとは、海上を定期的に運航し人や車、貨物などを運ぶ大型の船のこと。四方を海に囲まれた日本には、大小さまざまなフェリーがたくさんありますが、目的や距離に応じて最適なものを選ぶことができます。片道300km以上の距離を航行する長距離フェリーは、本州と北海道や九州、四国など主要な地域間を結びます。一晩以上かけて航行することが多いため、船内設備が充実しているのが特徴です。短距離フェリーや離島航路は、生活の足となっている航路が多く、乗船時間も数十分から数時間程度が一般的。離島へのアクセスに不可欠な存在です。

その中でもレンタカーやマイカーで日本を周遊したい旅行者には「カーフェリー」がおすすめ。車をそのまま船に乗せて移動できるため、効率的な移動と美しい海の景色を堪能できます。 

旅のプロがおすすめする理由：フェリー旅5つの魅力

息をのむ絶景クルーズ体験 

フェリーの醍醐味といえば、やっぱり美しい海の景色を眺めながら移動できること。瀬戸内海の航路では、世界でも珍しい多島海の絶景が広がっています。大小様々な島々が作る「多島美」はいつ見ても飽きません。特に夕焼けで島々のシルエットが浮かび上がる時間は、感動的な美しさです。日本海を航行するフェリーは、雄大で荒々しい海岸線や、水平線に沈むダイナミックな夕日を楽しめます。冬は雪化粧をした山々と荒波のコントラストが迫力満点です。太平洋を縦断する長距離フェリーで広大な海に出れば、水平線から昇る朝日や、満天の星空に出会えます。

どの景色も、「写真映え」すること間違いなし。船のデッキに出て、潮風を感じながら、時間帯によって変化する海上からの景色を満喫できます。

動く海のホテル：展望大浴場など快適な船内設備と宿泊体験

長距離フェリーは長距離移動の疲れを癒し、楽しませてくれる設備が充実した、まさに「動くホテル」。移動時間をまるごと宿泊とリフレッシュにあてられるのが最高のポイントです。予算や人数に合わせて選べる客室タイプが豊富で、 専用テラスやオーシャンビューの浴室を備えたスイートルームから、シンプルな洋室まで選べます。畳の香りが心地よい和室も人気です。そして、最大の魅力は海を眺められる「展望大浴場」。湯船に浸かりながら、窓の外の大海原を眺める開放感は格別。露天風呂やサウナを併設しているフェリーもあります。船内レストランでは、その航路ならではのご当地グルメや、船内限定メニューが味わえます。新鮮な海の幸を使った料理など、食を通じてその地域の文化に触れられるのも魅力。 またカフェや軽食コーナーも気軽に利用できます。お土産を買える売店はもちろん、スポーツルーム、映画を楽しめるシアターや、ゲームコーナー、キッズルームなどが充実した船もあり、長時間移動も飽きることなく、あっという間に目的地に到着することでしょう。 

車やペットと一緒に自由な旅 

フェリーのメリットは、マイカーやレンタカーをそのまま船に乗せて移動できること。到着地したらすぐに観光がスタートでき、重い荷物を持ち運ぶ手間もありません。公共交通機関が少ない地方や、複数の地域を効率的に巡りたい人には本当に助かります。最近はペットと一緒に乗船できるフェリーも増え、旅の選択肢がぐんと広がりました。専用のペットルームやケージでの乗船はもちろん、ペット同伴客室が用意されている船や、船上にドッグランが設けられているものもあります。詳細は各フェリー会社のHPでご確認ください。 

離島へのアクセス 

日本にはたくさんの美しい離島があります。その多くの島にとって、フェリーはなくてはならない大切な交通手段です。私たち観光客もフェリーに乗れば、普段の生活とは全く違う特別な島への旅へ出発できます。東京から南へ約1,000km。世界自然遺産「東洋のガラパゴス」と呼ばれる小笠原諸島へは、週に一度運航するフェリー「おがさわら丸」に乗って、約24時間かけて到着します。独自の進化を遂げた動植物の宝庫であるこの島での、イルカやウミガメとの出会い、感動のホエールウォッチングは一生の思い出となるでしょう。日本海に浮かぶ佐渡島も、フェリーでアクセスできる魅力的な離島。豊かな自然、歴史的な金山、伝統芸能「鼓童（こどう）」など、独自の文化が今も残っています。 

🚢【kkday】佐渡汽船｜新潟〜佐渡 ジェットフォイル(高速船) 片道フェリーチケット 予約

船上花火大会も！季節の限定イベントと船内エンタメ

多くのフェリー会社では、季節ごとに趣向を凝らした船内イベントが開催されています。例えば、ハロウィンやクリスマスイベントでは特別な装飾や限定メニューを味わえます。また、夏の時期に船上から花火大会を鑑賞できる特別なクルーズが企画されることもあります。海上から見る花火は、忘れられない感動を与えてくれるでしょう。時期によって違う楽しさが味わえます。

日本のフェリー一覧

主な長距離フェリー一覧 

参照：一般社団法人 日本長距離フェリー協会HP

🚢【kkday】東京九州フェリー｜横須賀(神奈川)〜新門司(福岡) 片道フェリー 乗船チケット 予約

🚢【kkday】宮崎カーフェリー｜神戸〜宮崎 片道フェリー 乗船チケット 予約

おすすめの短距離フェリー・離島航路一覧

🚢【kkday】駿河湾フェリー 清水港⇄土肥港 乗船チケット 予約｜車両あり 自動車・バイク（静岡）

初めてでも安心！日本の長距離フェリー予約から乗船ガイド

日本のフェリーに乗船するのは初めてという方に、長距離フェリーの予約から下船までの流れ、あると便利な持ち物リスト、そして知っておきたい注意点をご紹介。

予約方法と料金体系

日本のフェリーの予約は、主にWeb予約・電話予約・フェリーターミナルの窓口で可能です。

ほとんどのフェリー会社ではHPからオンラインで予約できます。多言語に対応しているサイトも多いので安心です。予約は一般的に乗船日の2カ月前からスタート。空室状況をチェックして好きな客室タイプを選びます。そして、乗船者情報を入力。海外在住の方は、国籍・パスポート番号が必要です。クレジットカードで料金を支払えば予約完了。ほとんどの場合カード払いが可能です。一部の会社では電話予約のみの受付となります。また事前にフェリーターミナルの窓口でも予約が可能です。

車を乗せる場合は車検証に記載の車両情報が必要です。レンタカー利用で車両情報が不明の際は、事前に電話にて問い合わせるのが確実。ペット同伴の際は事前の予約が必須です。詳細は必ず各会社のHPで確認ください。

支払いが完了すると、 電子乗船チケット（ e乗船券お客さま控）が発行されます。 船内や港でWi-Fiが不安定になる可能性もあるので、チケットの画面をあらかじめ画像として保存しておくと、乗船手続きがスムーズで安心。

乗船から下船まで！当日のスムーズな流れ

フェリーに乗る当日の流れを、事前に知っておくと安心です。

1. チェックイン（乗船手続き）： 出港時刻の60分前（繁忙期は90分前）にはフェリーターミナルに着くようにしましょう。電子乗船チケットがない場合は、チェックインカウンターで予約確認番号やパスポートを見せて、電子乗船チケットを受け取ります。車両を乗せる場合は、車の登録証などの手続きを済ませましょう。電子乗船チケットがある場合はそのまま乗船口へ進めます。
2. 車両の積み込み： 車を乗せる場合は、係員の指示に従って車両甲板へ進み駐車します。航海中は車両甲板へは立ち入り禁止です。貴重品や船内で使う荷物はすべて手荷物で持ち込みましょう。
3. 乗船： 乗船が始まったら、電子乗船チケットを提示して船内へ。客室番号を確認し部屋へ向かいましょう。
4. 船内での過ごし方： 出港後は自由時間。船内施設でゆっくり過ごせます。
5. 下船準備： 目的地が近づくと、アナウンスが流れます。忘れ物がないか確認し、下船口へ向かいましょう。車両で乗船した場合は、車両甲板へ戻り、係員の指示に従って下船します。
6. 下船： 下船口からターミナルへ移動します。

あると便利な持ち物リスト

快適で楽しいフェリー旅にするために、あると便利なものと、知っておきたいポイントをチェックしておきましょう。

• 酔い止め薬：船酔いが心配な方は必ず持参。船内に常備薬がありません。
• 防寒具： デッキに出る際や船内の冷房対策に。暖かい季節でも薄手のジャケットやカーディガンがあると便利です。
• 備品：浴衣・パジャマ・タオル・歯ブラシ・スリッパは、個室には備え付けられていることが多いですが、客室タイプによっては自分で持っていく必要があります。予約時に確認しておきましょう。
• 充電設備： 客室にコンセントはありますが、万が一に備えてモバイルバッテリーがあると安心。

知っておきたい注意点

快適なフェリー旅のために注意しておきたい点を確認しましょう。

• 船酔い対策： 心配な時は、船の中央部や下層階で過ごす。デッキに出て遠くの景色を眺めるのも効果的です。
• 緊急時の対応： 念の為、乗船時に救命胴衣の場所や避難経路を確認しておくと安心です。
• 貴重品の管理： 船内でも貴重品の管理には十分注意を。常に身につけておくか、船内に貴重品ロッカーがあれば利用しましょう。
• Wi-Fi環境： 多くのフェリーで無料Wi-Fiが利用できますが、海上では電波が不安定になることもあります。大事な通信は乗船前に済ませておくと良いでしょう。
• 船内でのマナー：大浴場では湯船に入る前に体を洗い流す、タオルを湯船に入れないなど日本の入浴マナーを守りましょう。深夜帯は他のお客さんにも配慮して静かに過ごしましょう。
• 天候による運航状況の確認：台風や悪天候の場合、フェリーの運航が欠航したり遅延したりすることがあります。乗船前には必ず、フェリー会社のHPや電話で最新の運航状況をチェックしてください。 

おすすめ！人気の長距離フェリー航路

旅行者におすすめの日本の人気長距離フェリー航路をご紹介。

名門大洋フェリー（大阪～新門司）

大阪南港と新門司港を約12時間30分で結び、瀬戸内海を航行します。

👉ここがすごい！明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋の絶景が楽しめます。出航時間によっては、ライトアップした3大架橋を満喫できます。広々とした展望浴室やキッズルーム、レストランも完備。関西と九州をレンタカーで周遊したい方に最適です。

HP： 名門大洋フェリー公式サイト  

新日本海フェリー（舞鶴～小樽・新潟～小樽・敦賀～苫小牧東・敦賀～新潟～秋田～苫小牧東） 

日本海側の観光地巡りをしながら船旅が楽しめます。施設が充実しているので、約16時間の航路も退屈しません。露天風呂、映画が鑑賞できるシアター、スポーツルームなどを完備。食事は「グリル」で本格的なコース料理が楽しめます（要予約）。寄港地の旬の食材を使用したランチ＆ディナーがおすすめ。

 👉ここがすごい！日本海に沈む夕日や日本の岬、島々など、日本海航路ならではの雄大な景色が魅力です。

HP： 新日本海フェリー公式サイト

🚢【kkday】新日本海フェリー｜新潟〜小樽(北海道) 片道フェリー 乗船チケット 予約 

太平洋フェリー（名古屋～仙台～苫小牧）

太平洋を航行し、「海の上のホテル」と称される豪華フェリーです。

👉ここがすごい！広々としたロビー、豊富な種類の食事が楽しめるバイキング、展望大浴場、充実したショップなど船内設備が充実。大型ステージでのイベントやショーも開催されエンターテインメント性も高いです。 名古屋～仙台～北海道をゆったりと旅をしたい方におすすめ。外国語Web予約サイトでは一部の等級と席数に限り予約が可能なので、希望日と等級が確認できない場合は電話で問い合わせください。

HP：太平洋フェリー公式サイト

商船三井さんふらわあ：関西～九州航路（大阪～別府・神戸～大分・大阪～志布志）、商船三井さんふらわあ（大洗～苫小牧）

現存する航路では最も長い歴史をもつフェリー。ペット連れにも安心のサービスが充実。グループやひとり旅、幼児連れなどそれぞれのスタイルにあった客室を選べます。

晴れた日には満点の星空や、朝の海を眺めながら展望大浴場など、クルーズならではの時間を楽しめます。また、昼の瀬戸内海カジュアルクルーズは、夜間の航海では見られない、昼間の瀬戸内海の美しい景色を長時間楽しむことができ、船内でのんびり過ごす時間がたっぷりあるので、船旅を楽しみたい方にお勧めです。

🚢昼の瀬戸内海カジュアルクルーズ情報はこちらから

👉ここがすごい！さんふらわあの旅の記念にオリジナルグッズが充実。船内バイキングで大人気のさんふらわあカレーも購入できます。

HP：商船三井さんふらわあ公式サイト 

🚢【kkday】鹿児島から大阪へ：さんふらわあフェリーで行く風光明媚な旅

次の日本旅行はフェリーで忘れられない思い出を！

日本のフェリー旅は、日本の豊かな文化やおもてなしの精神に触れる特別な機会になること間違いなし。次回の日本旅行でフェリー体験をしてみてはいかがですか？

参考文献：

笠倉伸夫『定期便でいく 豪華フェリー船旅ガイド最新データ版』第2版,株式会社笠倉出版社

地球の歩き方編集室・著作編集『御船印でめぐる全国の魅力的な船旅』初版

『にっぽん全国たのしい船旅2023-2024』発行所：イカロス出版株式会社