
チームラボ《隠田跡》©チームラボ
teamLab, Water Mirror Path through the Hidden Rice Terraces, 2024, Interactive Digital Installation © teamLab, courtesy Pace Gallery
北茨城の深い森にひっそりと佇む、新たなアートの聖地「チームラボ 幽谷隠田跡(ゆうこくおんでんあと)」。2024年のオープン以来、その神秘的な世界で訪れる人々を魅了しています。
「チームラボ」というとミュージアムのイメージがありますが、こちらは「五浦幽谷隠田跡温泉(いづらゆうこくおんでんあとおんせん)」が併設されており、宿泊施設からアートが楽しめるのが特徴です。今回は、都心から少し足を伸ばしてたどり着いたこの場所で、FUN! JAPANスタッフがアート、温泉、そしてグランピングが融合した唯一無二の体験をしてきました。ネット上でもまだ情報が少ないこの特別な場所の全貌を、余すことなくレポートします!
※記事で紹介した商品を購入したり予約をしたりすると、売上の一部がFUN! JAPANに還元されることがあります。
「チームラボ 幽谷隠田跡」とは?–秘められた棚田とアートの融合

「チームラボ」とは?
「チームラボ(teamLab)」は、世界中で活躍するアート集団です。デジタル技術を駆使して、光や音、映像などを組み合わせた没入型の作品を数多く生み出しています。ただ鑑賞するだけでなく、作品の中に入り込んだり、触れたりすることで、私たち自身の動きがアートに影響を与え、作品が変化するインタラクティブな体験ができるのが特徴です。東京の「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」や「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」などが有名で、日本だけでなく世界中で絶大な人気を誇っています。
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「隠田跡」に秘められた歴史とコンセプト

「チームラボ 幽谷隠田跡」は、チームラボの「Digitized Nature」(自然が自然のままアートになる)プロジェクトのひとつとして誕生しました。
施設名の通り、かつて年貢を納めるのを免れるために土地を隠して米を収穫していたいう「隠田」の跡地に誕生しました。このユニークな名称にも、どこか神秘的な雰囲気を感じます。
施設概要
「チームラボ 幽谷隠田跡」には、チームラボ作品が楽しめる「夜の森のミュージアム」のほか、2棟のコテージと20棟のテント、合計22棟の宿泊施設を有する「幽谷隠田跡温泉」が併設されており、温泉を楽しめるSPA棟や、焚き火を楽しめるファイヤーピットも完備。
施設の誕生前、なんとこの地に涌いている温泉はそのまま海に流されていたそうです。そこで、「この豊かな自然と温泉を有効活用できないか」という発想から、「温泉×アート×グランピング」という3つの要素を掛け合わせた施設が構想されました。
チームラボ 夜の森のミュージアム –自然がアートになる神秘体験
日没と共に、広大な森がチームラボのアート空間「夜の森のミュージアム」へと姿を変えます。「自然が自然のままアートになる」というコンセプトのもと、11個のアート作品が宿泊棟を囲むように点在しています。
宿泊者以外でもこのミュージアムの見学は可能ですが、宿泊者はチェックイン時にチケットを受け取り、入場できます。
おすすめ作品ランキングTOP3!
今回の体験で特に印象に残った作品を、現地取材したFUN! JAPANスタッフの独断と偏見によるランキング形式でご紹介します!
私たちが訪れた日は雨が降っていて霧が出ていたため、一部見えづらい作品もありましたが、それでも十分にその魅力を感じることができました。作品から流れる音楽も、視覚だけでなく聴覚や自然の香り(嗅覚)と相まって、作品を一層引き立てていたように感じます。
第1位:隠田跡の水鏡の道 / Water Mirror Path through the Hidden Rice Terraces

棚田の上に光が浮かび、その中を歩く様子がフォトジェニックな《隠田跡の水鏡の道》。開けた幻想的な棚田の中を、水の冷たさや触感を感じながら進んでいく体験は、まさに非日常。カエルの鳴き声や水の音が心地よく、心から癒されました。一歩進むごとに次の足場が光で照らされ、美しい動画を撮影することもできます。
第2位:タブノキに宿る呼応する宇宙 / Resonating Universe in the Tabunoki Tree

《タブノキに宿る呼応する宇宙》は巨大な木々の周りに無数の光の玉が浮かび、まるで木々が呼吸しているかのよう。手を近づけると、それに呼応するように次々と光の玉の色が変化していく光景は圧巻です。神聖な雰囲気の中で、自然とアートが一体となる感覚を味わえます。
第3位:切り取られた連続する生命 / Cut Out Continuous Life

《切り取られた連続する生命》は、暗闇の中に散った光の粒が徐々に1か所に集まっていき、最終的には光によって森がそのまま切り取られているかのような光景が現れます。光が強く集まるタイミングに合わせて森の中へ歩いていくと、まるで人が森に吸い込まれていくような不思議な感覚に陥るはず。森の中という場所だからこそ実現できる展示で、「自然とアートの融合」というこの施設のテーマをまさに体現した作品だと感じました。
その他の作品も必見!

- 隠田跡 / Hidden Traces of Rice Terraces:深い森を抜けた先にある棚田に無数の光が浮かぶ様子が神秘的。霧がかったこの日は、ますます幽玄な雰囲気が漂っていました。
- 海が立ち上がる時花が咲く - 五浦の海 / Flowers Bloom When the Waves Rise - Sea of Izura」:今回は霧のため残念ながらその全貌を見ることはできませんでしたが、晴れた日には、五浦の海とアートが織りなす絶景が楽しめます。
- 連続する生命の痕跡 / Traces of Continuous Life:森の中を光が飛び交い、繋がり合います。
- 幽谷の呼応する森 / Resonating Secret Valley and Forest:自分や周囲の動きに合わせて森の光が移り変わっていきます。
- 具象と抽象 / Concrete and Abstract:光の線が集まり、広がっていくと、いつの間にか自分が作品の一部になっていることに気付きます。
- 我々の中にある火花 / Cognitive Solidified Spark:森の中に浮かぶ光の球体の正体は何なのか、目を凝らして見てみてください。
- 連続する軌跡 / Continuous Trajectories:チームラボ設立以来続く「空書(くうしょ)」は、まるで空間に墨で書を書くかのような光景です。
- 幽谷の竹林 / Bamboo Forest of the Secret Valley:自分の歩く速度やペースによってさまざまな音楽体験が展開されます。
💡FUN! JAPANからの一言アドバイス:隠田跡は水の中を歩いていく作品なので、サンダルや濡れても良い履物をおすすめします。水深は3cmほどとのことですが、取材時は雨の影響もあってかもう少し深く感じました。
五浦幽谷隠田跡温泉 –アートと一体になる開放的な湯浴み

源泉かけ流しの内湯でリラックス
「チームラボ 幽谷隠田跡」には温泉宿泊施設「五浦(いづら)幽谷隠田跡温泉」が併設。中でも、その温泉施設は棚田跡と一体となっています。
海の近くにあるため、温泉は少し塩味を感じるのが特徴。かけ流しで、源泉温度は60.9℃と熱いため、加水して温度調整されています。
内湯にはシャワーブースと大浴場があり、シャワーブースにはクレンジング、ボディーソープ、シャンプー、トリートメントが備えられています。
水着で楽しむ外湯 –アートと一体化するインフィニティ温泉
「五浦幽谷隠田跡温泉」のハイライトの一つが、アート作品と一体となった男女共用の外湯です。インフィニティ感を追求したこの露天風呂では、チームラボの作品、自然、そして自分自身が一体となる、これまでにない入浴体験ができます。

内湯の男女更衣室で水着に着替えて入浴し、なんとスマホの持ち込みも可能!スマホカバーの貸し出しもあるので、アートと温泉が融合した幻想的な空間で、思い出に残る写真や動画を心ゆくまで撮影できます。
私たちはこの温泉に実際に入浴し、まるで作品と自分とが一体化したかのよう。正面に見える木々のライトアップも幻想的で、非常に癒される空間でした。
また、女性風呂の脱衣所にはSALONIAのドライヤー、ハンド&フェイス用洗顔、化粧水、乳液まであり、手ぶらで訪れても安心です。
宿泊:コテージ・グランピング –自然に溶け込む贅沢ステイ
コテージ –プライベート温泉とアート空間を満喫(2棟のみ)

「五浦幽谷隠田跡温泉」の宿泊施設には、わずか2棟しかない特別なコテージがあります。
黒で統一された洗練されたお部屋はかけ流し温泉の半露天風呂付きで、滞在中いつでも好きな時に温泉を楽しめるのが魅力。
食事付きの宿泊プランの場合は、グリルとテーブルが備えられたバルコニーでBBQが味わえます。


また、2階がチームラボの作品空間になっており、まるで万華鏡に包まれたかのような感覚!。朝ベッドで目覚めると目の前がアート空間、という非日常体験ができます。朝・昼・夕方・夜と4つの異なる雰囲気を味わうことができるので、フォトジェニックな映像を思う存分撮影してみてください。
- 定員: 6名
- 広さ: 80㎡
- 料金: 35,000円~/人(素泊まり)
バナヘイムテント –開放感あふれるグランピング(カップルにおすすめ)


広々とした大型のコットンテントは、大きなリビングルームのように開放感があります。アウトドア好きにはおなじみ、ノルウェーのアウトドアブランド「ノルディスク」のテントを使用しており、快適性も抜群です。天井が高く小窓がたくさんあるので、 通気性にも優れています。
コテージよりも自然をより身近に感じられ、かつ価格も手頃。ですが、トイレ・洗面所・お風呂は併設されていないため、共用の施設まで歩いていく必要があります。
- 定員: 4名
- 広さ: 40㎡
- 料金: 25,000円~/人(素泊まり)
ミッドガルドテント –家族連れに嬉しいユニークなデザイン(ファミリーにおすすめ)


ユニークなデザインで、大型コットンテントと小型テントが一体型になっており、両端にある秘密基地のようなスペースは子どもウケ間違いなし。こちらも、トイレ・洗面所・お風呂は別施設です。
- 定員: 4名
- 広さ: 30㎡
- 料金: 25,000円~/人
焚き火エリア
グランピングエリアとコテージの近くに焚き火エリアがあり、日没後には焚き火を楽しむこともできます。また有料で焚き火セットを購入すれば、自分の宿泊場所でプライベートな焚き火を楽しむことも可能です。
料理 –北茨城の海の幸を堪能するBBQと栄養満点朝食
朝食・夕食ともに客室の冷蔵庫に用意されており、好きなタイミングで食事を楽しむことができます。夕食は21時、朝食は9時までに済ませ、部屋の外のボックスに食器を戻すシステム。
夕食は、常陸牛、伊勢海老、アワビなど別注メニューの注文も可能ですが、事前予約が必要です(宿泊2日前の23時まで)。
夕食:海の幸や牛ステーキなどの豪華BBQ

全室に備え付けのBBQグリルで、北茨城ならではの海の幸やチキングリル、牛ステーキなどの豪華なBBQを堪能できます。
調理方法は部屋の冊子で分かりやすく紹介されており、料理初心者でも安心です。2名分でもしっかりとした量があり、野菜も豊富なので栄養面でも大満足でした!
朝食:心も体も温まるサムゲタン

朝食は、身体に優しいサムゲタンが提供され、健康的な朝を迎えられます。
夕食と同様に、調理方法が部屋の冊子で分かりやすく紹介されていました。思っていたよりもしっかりとした味付けで、朝から食欲を刺激され、しっかりとエネルギーチャージ完了!
「チームラボ 幽谷隠田跡」と「五浦幽谷隠田跡」周辺の観光スポット
最後に、施設の近くにある魅力的な観光スポットを3つご紹介します。
長松寺(ちょうしょうじ)



幽谷隠田跡から車で約5分。創建は平安時代後期で、明治時代の美術行政家・岡倉天心(おかくらてんしん)ゆかりの寺院としても知られています。
歴史的価値のある品々が保管されており歴史の重みを感じられるほか、季節によってデザインが変わる御朱印も人気。お話し好きの住職が明るく迎えてくれる暖かい雰囲気のお寺です。
また、毎年2月15日~4月8日に開催されるイベント「長松寺ひなあかり」期間中は、きらびやかな和服を着て「お雛さま」になりきる体験(無料)もできます。
茨城県天心記念五浦美術館

幽谷隠田跡から車で約2分。岡倉天心の遺品や、彼に従って五浦に移住した日本画家の横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山らの作品を公開しています。近現代日本画中心の美術館として、日本の美術に興味がある方には特におすすめです。
- 住所:茨城県北茨城市大津町椿2083
- 開館時間:9:30~17:00(最終入場16:30)
- 休館日:月(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)
- 料金:入館料は展覧会ごとに異なる
- 👉公式ホームページはこちら
六角堂(ろっかくどう)(国立大学法人茨城大学五浦美術文化研究所)

幽谷隠田跡から車で約2分。ダイナマイトで岩を爆破し、岡倉天心が思慮の場として自ら設計した建物です。建物が立つ場所からは五浦の雄大な海岸線を一望できます。天心もこの景色を見て創作のインスピレーションを得たのかもしれません。
- 住所:茨城県北茨城市大津町五浦727-2
- 営業時間:【4月~9月】8:30~17:30【10・2・3月】8:30~17:00【11月~1月】8:30~16:30(最終入場30分前まで)
- 定休日:原則として月
- 料金:高校生以上400円
- 👉公式ホームページはこちら
茨城の隠れた秘境・幽谷隠田跡でアートと癒やしを体験しよう
「チームラボ 幽谷隠田跡」、併設する「五浦幽谷隠田跡温泉」は、アート、温泉、グランピングという3つの要素が見事に融合し、訪れる人々を日常から解き放ち、自然と一体となる特別な体験が待っていました。
まだネット上の情報が少なく、都市部ではないからこそ味わえる「隠れた秘境感」がこの施設の魅力でもあります。
都心の喧騒を忘れ、五感を研ぎ澄ませて自然とアートに身を委ねる。そんな贅沢な時間を過ごしたい方は、ぜひ訪れてみてください。きっと、心に残る特別な思い出ができるはずです。
チームラボ 幽谷隠田跡 五浦幽谷隠田跡温泉
👉「チームラボ 幽谷隠田跡」の公式ホームページはこちら
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