
帰宅時に使う言葉、「ただいま」を日本語ではどんなフレーズを使うかご存じですか?帰宅時の言葉には世界中にさまざまなものがありますよね。
日本語では「Tadaima」と言います。日本では帰宅時以外にも使われることもあれば、同じ言葉でも帰宅時に使うものとは意味が違う場合も。
そんな日本語の「Tadaima」について、その意味や正しい使い方、どんなときに使うのか、どのような答え方があるのかなどを会話例も含めて紹介します。
日本語の「Tadaima」の意味は?

「Tadaima」は、家や職場、親しい人が待つ場所に外出先から戻った際に使う挨拶の言葉です。その語源は諸説あり、そのひとつが「只今帰りました(Tadaima modori mashita)」に由来するというもの。この「只今(Tadaima)」の「只(Tada)」は「今(Ima、今という意味)」を強調する言葉で「現在」にとても近い過去を表す言葉です。
そのため、「Tadaima kaeri mashita」は、「たった今帰りました」という意味になり、「Kaeri mashita(『帰りました』の意味)」を略して「Tadaima」となりました。
実は、あまり多くはないものの「Tadaima」は、店舗で客から呼ばれて「今すぐ行きます」という意味で使うなど、帰宅時や帰社したとき以外にも使われることがあります。初めて聞くときに戸惑う可能性もあるので、ほかの意味でも使われることを覚えておくといいでしょう。
「Tadaima」はどんな時に使う言葉?
「Tadaima」は、さまざまなシーンで使われますが、ここでは、よく使われるシーンをご紹介します。
帰宅したとき

「Tadaima」という挨拶がもっとも多く使われるのが、仕事や学校から自宅に帰ってきたとき。通常、家族と同居している場合は家族に対して「Tadaima」と声をかけますが、一人暮らしの場合でも、独り言のように「Tadaima」という場合もあります。また、ペットがいる場合は、ペットに対して「Tadaima」と声をかける人も少なくありません。多くの場合、帰宅時の「Tadaima」は、家族やペットとのコミュニケーションのきっかけとして欠かせない挨拶となっています。
外出先から職場に戻ったとき

日本の職場では、外出先から戻った際に「Tadaima modori mashita(『たった今戻りました』の意味)」と挨拶するのが一般的です。これは、自分が無事に帰社したことを伝えるとともに社内の同僚への礼儀としての意味もあります。それに対し、同僚は「Okaeri nasai」や「Otsukare sama desu」と返すのが一般的です。
こうした挨拶は、円滑なコミュニケーションを促し、職場の一体感を高める役割を果たします。日本の職場文化では、個々の動きを周囲に報告し、互いの状況を把握することが重視されているのです。
旅行中、ホテルや旅館に戻ったとき

ホテルや旅館に外出先から戻った場合、「Tadaima modori mashita」と声をかけるとスタッフは「Okaeri nasai mase(『おかえりなさい』の丁寧語)」と温かく迎えてくれます。ホテルや旅館によっては、宿泊客の顔を覚えているスタッフもいて、客が挨拶をする前に「Okaeri nasai mase」と挨拶をする場合も。外出先から宿泊施設に戻ったときは、ルームナンバーを伝えるだけで事足りますが、
日本のおもてなしの文化では、こうした挨拶が自然に交わされることが少なくありません。日本らしい心遣いを感じられる習慣なので、ぜひ試してみてください。
なお、よく使われるシーン以外に下記のようなシーンでも「Tadaima」が使われます。
- 長期間の旅行や出張などから帰ってきて、友人や知り合いなどに久しぶりに会うとき
- 転勤などで離れた部署に再度配属されたとき
- けがや病気などさまざまな理由で学校や職場などを長期間休んだ後、復帰したとき
「Tadaima」のひらがなの書き方は?
「Tadaima」は、外出先から戻った際に使う日本語の挨拶で、ひらがなで「ただいま」と書きます。これは「ただ今」という言葉が変化したもので、「ちょうど今戻った」という意味を持っています。日本では、家庭や職場、旅館などでよく使われ、聞いた相手は「おかえりなさい(Okaeri nasai)」と返します。このやりとりは、日本の礼儀や人とのつながりを大切にする文化を反映しているのです。
「Tadaima」の漢字の書き方は?
「Tadaima」は、漢字で「只今」と書きます。「只」は「ちょうど」「まさに」という意味を持ち、「今」と組み合わせることで「まさに今」というニュアンスになります。ただし、日常会話ではひらがなで書くのが一般的です。特に家庭や職場での挨拶として使われ、相手は「おかえりなさい(Okaeri nasai)」と返します。この言葉には、無事に戻った安心感や、互いを思いやる日本文化が込められているのです。ぜひ使ってみてください。
「Tadaima」への答え方

「Tadaima」という挨拶に対する一般的な答え方は「おかえりなさい(Okaeri nasai)」です。これは「無事に戻ってきたことを歓迎する」という意味を持ち、家庭や職場、旅館などでよく使われます。よりカジュアルな場では「おかえり(Okaeri)」と短縮することもあります。
一方、職場では「お疲れさまです(Otsukare sama desu)」と返すことが一般的です。これは、外出先での業務をねぎらう表現だからです。こうした挨拶のやりとりは、日本の人間関係の温かさや礼儀を表しています。
「Tadaima」の他の言い方は?
「Tadaima」は、外出先から戻った際に使う挨拶ですが、状況に応じて異なる言い方もあります。たとえば、ビジネスシーンでは「ただいま戻りました(Tadaima modori mashita)」や「ただいま帰社しました(Tadaima kisha shimashita)」と言うと、よりフォーマルな印象に。
また、親しい間柄では「戻ったよ(Modotta yo)」とカジュアルに表現することもあります。このように、日本の「Tadaima」のほかの言い方は、相手や場面に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。適切なフレーズを使い分けることで、自然なコミュニケーションが取れるようになります。日本を訪れた際は、ぜひ実践してみてください。
「Tadaima」を言葉以外で表現する方法とは?
「Tadaima」は言葉で伝えるのが一般的ですが、言葉以外でも表現できます。例えば職場に戻った際に、電話している人がいたり、来客中だったりした場合など、声をかけづらい雰囲気のときは、会釈だけで自分が戻ったことを伝える方法もあります。自宅でも同様の場面では、軽く手を挙げたり、うなずいたりするだけ伝わるでしょう。このように、状況に応じて適切な方法で挨拶をすることが大切です。
「Tadaima」の日本語の方言はある?
現在の日本では、ほとんどの地域で「Tadaima」が使われます。しかし、いくつかの地域では、「ただいま」以外の言葉も使われます。ここでは、そんな地域に根ざした方言をいくつか紹介します。
- 長野県、静岡県、愛知県:いってきました/Ittekimashita
- 三重県:かえった/Kaetta
- 島根県、岡山県:かえりました/Kaerimashita
- 鹿児島県:いまじゃった/Imajatta
- 沖縄県:ちゃーびたん/Chabitan
「Tadaima」の会話例文集
1. 自宅に帰ったときの会話
A:ただいま!/Tadaima!
B:おかえり!今日の仕事どうだった?/Okaeri! Kyou no Shigoto Doudatta?
A:ちょっと忙しかったけど、無事終わったよ。/Chotto Isogashikatta kedo Buji Owattayo
B:お疲れさま!ご飯もうすぐできるよ。/Otsukaresama! Gohan Mousugu Dekiruyo
2. 職場に戻ったときの会話
A:ただいま戻りました。/Tadaima Modorimashita
B:おかえりなさい。商談はうまくいきました?/Okaerinasai Shodan wa Umaku Ikimashita?
A:はい、無事に契約できました。詳細は後で報告します。/Hai Buji ni Keiyaku Dekimashita Shousai wa Atode Houoku Shimasu
B:お疲れさまでした。頑張ったかいがあったね。/Otsukaresama deshita Ganbatta kaiga Attane
3. 旅行中のホテルでの会話
A(客):ただいま戻りました。/Tadaima Modori mashita
B(フロント):おかえりなさいませ。本日は観光を楽しまれましたか?/Okaeri nasaimase Honjitsu wa Kankou wo Tanoshimare mashitaka?
A:はい、とても楽しかったです!少し休んでから温泉に行こうと思います。/Hai Totemo Tanoshikattadesu! Sukoshi Yasundekara Onsen ni Ikouto Omoimasu
B:それはいいですね。温泉は24時までご利用いただけますので、ごゆっくりお過ごしください。/Sorewa Iidesune. Onsen wa 24jimade Goriyou Itadakemasunode Goyukkuri Osugoshi Kudasai
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