アメリカに次ぎ、世界で2番目の規模を誇る日本の音楽市場。日本人アーティストはもちろん、海外アーティストも頻繁に全国各地でコンサートを開催するため、音楽鑑賞のために来日する音楽ファンも少なくないだろう。
しかし、抽選販売をはじめ、日本ならではのコンサート事情があるのも事実。そこで、「推し活」をする予定の皆さんの役に少しでも立てるよう、今回は海外在住者が日本のコンサートチケットを買う際に気になるあれこれを徹底解説！
日本でのコンサートチケットの買い方・入手方法まとめ
日本でコンサートに参戦する際、まずチケットを用意しないことには話が始まらない。
日本でのコンサートチケット販売の最大の特徴と言えば、販売方法が先着順だけでなく、抽選方式で販売されるケースも多いこと。抽選方式とは、受付期間中に応募した人の中から、コンピュータによる抽選で当選者が決定するというものだ。
ここからはアーティストのファンクラブやチケットプレイガイドからチケットを入手することを大前提とし、一般的な販売順を4つの段階に分けて説明。通常、ファンクラブ先行のチケット入手確率が最も高く、段階が下がるにつれて入手難易度が高まる傾向にあると言われている。お目当てのコンサートがあれば、早い段階で先行に申し込むことがおすすめだ。
※イベントによって販売方法が異なる可能性があります。あくまで目安としてご参考ください
日本のコンサートチケットの買い方①：ファンクラブ先行抽選（WEB、モバイルアプリ）
一番手っ取り早くチケットを入手する方法は、各アーティストの公式ファンクラブによる先行抽選に申し込むことだ。
日本におけるファンクラブは大きく、月会費制と年会費制の2種類がある。一般的に月会費制は月額500円～1000円前後、年会費制は年間4,000円～1万円前後の会費となることが多い。
ファンクラブによって、定期的に会報誌やニュースレターが届く、WEBサイトやモバイルアプリでオリジナルコンテンツが閲覧できる、入会者限定のオリジナル特典やイベント参加権がもらえる、コンサートなどのファンクラブ先行抽選にエントリーできるなどの特典がある。
たいていの場合、ファンクラブの先行販売が一般発売より先に実施されるが、ファンクラブ会員へのチケット販売も、1次先行抽選→2次先行抽選→3次先行抽選のように複数回実施されることが多い。各先行に当選者数が決まっており、人気アーティストや限定公演の場合、1次先行で完売してしまうことも。チケット争奪戦に勝ち残るため、複数の名義で申し込んだり、友達と協力したりなどの工夫をして、当選確率を上げる人も少なくない。
なお、会員が日本国内に居住していることを入会必須条件とするなど、海外在住のファンに制限を掛ける運営もあるので、入会前に一度利用規約を確認しておこう。
日本のコンサートチケットの買い方②：公式サイト・オフィシャル先行
アーティストの所属事務所や主催者・プロモーターなどが行う販売方法。ファンクラブ会員でなくても、公式が指定する販売サイトをアクセスした全員が応募できるのが特徴だ。
ファンクラブを開設していないアーティストに関しては、オフィシャル先行が実質的最も早い抽選となるケースもある。アーティストの公式SNSアカウントをフォローしたり、メールマガジンに登録したりして、いち早く発売情報を入手しよう。
日本のコンサートチケットの買い方③：プレイガイド先行（ORプレオーダー受付・プレリザーブ）
一般発売に先立って行われる、抽選販売方式のこと。
「プレイガイド」とは、イベント主催者からの委託を受け、各種興行の入場券のチケットを販売・発行・管理を行う会社のこと。代表的な企業では、①株式会社ローソンエンタテインメント（ローソンチケット）、②ぴあ株式会社（チケットぴあ）、③株式会社イープラス（イープラス）、④楽天チケット株式会社（楽天チケット）などがある。
各プレイガイドの販売サイトの無料会員に登録しておけば、受付期間中に誰でもチケット抽選に申し込むことができる。ちなみに、下記プレイガイド3社は日本語受付サイトのほか、英語サイトからもチケットを購入できる。
| プレイガイドチケットサイト | 対応可能言語 | 日本での住所や電話番号の登録 |
| ローソンチケット | 英語 | × |
| イープラス | 英語、中国語（繁体字） | × |
| チケットぴあ | 英語 | × |
日本のコンサートチケットの買い方④：一般発売
同一の日時に、各プレイガイドチケットサイトで一斉にチケット販売が開始し、インターネットや電話、コンビニ端末などから誰でも購入できる手段。
しかし、公演によって一般発売を行わないものもあるうえ、一般発売される場合も基本ごくわずかな枚数で、かつ先着順で発売される場合が多いため、一瞬で売り切れてしまうことも珍しくない。
抽選で外れてしまっても、チケットを入手できるラストチャンスが…！？
上記全ての抽選・一般発売で全滅したとしても、諦めるのはまだ早い！というのも、オフィシャルルートでチケットを入手する最終手段が残っているからだ。
公式リセールサービス
- 急遽イベントに行けなくなったチケット保有者が、「チケトレ」、「チケプラTrade」や「ticketbook」といったオンラインプラットフォームを通じて定価で第三者に再販できるルート。
- チケット代金は運営事務局が取引終了まで預かるので、買い手側は安心して取引できるほか、転売に出されたチケットが無効にされたり、入場できないリスクが避けられるのもメリットだ。
当日券
- 公演当日に会場で販売されるチケット。当日券は、ステージプランの変更による増席や、機材席解放により急遽販売が決まるケースが多く、公演直前の日程で情報解禁されることが多い上、必ずしも発売されるとは限らない。当日券狙いの人は、各イベントの前日や当日に、オフィシャルな発表をこまめにチェックするようにしよう。
日本国外からでもコンサートチケット抽選に申し込めるの？
一部サービスを除き、ファンクラブもプレイガイドも原則的国内在住者限定でチケットを販売するのが現状。しかし海外在住のファンでも、一定の条件をクリアすれば抽選に申し込むことも可能。どうしても抽選に申し込みたい場合、日本にいる友達にお願いしてみよう。
理由 | |
| 日本国内の住所 | ファンクラブやプレイガイドサイトの多くは、会員登録を日本国内の住所を有する人に限定するため。 また、会報等の郵便物を含め、紙チケットの配送も日本国内のみ対応のため。 |
| 日本国内の携帯電話番号 | 会員登録時に携帯電話番号認証に加え、電子チケットを受け取る際に利用するチケットアプリがSMS認証を求める場合があるため。 |
| 日本国内発行のクレジットカード | ファンクラブ入会時やチケット代お支払い時などの決済において、海外発行のカードに対する利用制限をかけるサイトがあるため。 |
また、近年では、海外在住のファン向けにファンクラブを立ち上げるケースや、参加者用の旅行ツアーを実施するアーティストも増えてきている。海外発行のクレジットカードで決済できる、日本国外の携帯電話番号でもSMS認証ができるなど、グローバルファンがより気軽にチケットを抽選できるようになりつつある。
チケットに当選したら、どう受け取れば良いの？
チケットを無事に当選できたら、次は様々な発券・受け取り方法について知っておこう。
紙チケットの発券方法①：店頭引取・コンビニ発券
チケットの引取開始日となったら、予約サイトから受け取り案内メールが届くので指示に従って手続きを進めよう。
ファミリーマート・ローソン
- 店内に設置された多言語対応のマルチメディア端末（Famiポート・Loppi）に、案内メールに書いてある番号や電話番号を入力。出力された申込券を、店舗レジで手数料を支払いすればOK。
セブンイレブン
- 店頭レジでスタッフに払込票番号を提示すればOK。
紙チケットの発券方法②：配送
書留や宅配便など、追跡可能な方法で申し込み時に指定した住所まで届けてくれる方法。
お受け取りの際に、本人もしくは受取人のサインか捺印が必要となるので、ホテルなどの宿泊先へ配達される場合は事前にスタッフに連絡しておこう。イベントによって、紙チケットの発券期間・配送時期が様々であることも覚えておこう。
電子チケットの発券方法：電子チケットアプリ
電子チケットの券面表示通知メールが届いたら、指定のURLにアクセスし必要な事項を入力する上、自身のスマートフォンでチケットを受け取る方法。
各主催が指定する電子チケットアプリを事前にダウンロードし、抽選時に入力した電話番号でSMS認証を済ませておくと受け取りがスムーズに。
また、イベント当日はQRコードを提示して入場するという流れなので、インターネットが利用できるスマートフォンを会場まで持っていくことも忘れずに。
チケットの買い方以外にも、日本へコンサートを観に行く前知っておきたいことはまだまだたくさんある！
次の記事では、日本のコンサート会場の種類や座席の種類、ライブ参戦にあたっての注意点なども解説。どれも必見の情報なので、ぜひチェックしてくださいね。
もし日本へコンサートを観に行ったことがある人がいたら、ぜひコメント欄で編集部に教えてくださいね。
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