色味や見栄えがよく、脂ののったサーモンは、外国人旅行客に人気の寿司ネタ。回転寿司で食べられるサーモン寿司のバラエティは豊富で、もちろん、日本人の間でも人気です。しかし、老舗寿司屋や高級寿司屋には、サーモン寿司がメニューにないところも少なくありません。それはなぜでしょう？その謎を解きつつ、サーモン寿司のなかでも代表的な９種類をご紹介します。

日本の老舗・高級寿司店にサーモン寿司がない理由とは？

日本のスーパーマーケットや回転寿司店には、サーモン寿司が並びます。また、世界的に有名なカリフォルニアロールにも、サーモンが含まれています。ではなぜ、日本の老舗寿司屋や高級寿司屋に、サーモン寿司がないのでしょうか。

サーモンを生で食べるようになったのは1990年以降と最近だから

日本で食べられることができる銀鮭やアトランティックサーモンといった「サケ・マス類」は生食用と加熱用とに分かれて分類されています。実は日本では長く鮭を生で食べる文化はありませんでした。

しかし、1890年頃からノルウェーやチリで養殖され、生食できるアトランティックサーモンやトラウトサーモンが国内で流通したことで、生食の文化や「サーモン」という言葉自体も浸透していきました。

老舗寿司屋や高級寿司屋にサーモン寿司がメニューに載っていないのは、日本でも比較的最近生まれた食文化だからです。

鮭とサーモンは同じもの！？

ちなみに鮭とサーモン、またマスなどに違いはあるのでしょうか？この点について、農林水産省が以前SNS上で投稿した内容によると、

呼び名に違いはありません。サケ科の魚は分類学的には様々な種に分かれますが、和名、英語名や商品名などが時間の経過の中で混ざってしまったのが現状。きっちりとした違いは無いのです。

とのこと。ちなみに、マルハニチロのWebサイトによると、日本の回転寿司店で使われるサーモンは、養殖のアトランティックサーモンと、ニジマスを海水で養殖したトラウトサーモンの2種類が多いのだとか。

"サーモン"を使った代表的なお寿司9種

でもやっぱり美味しいサーモンを使ったお寿司。今回は代表的な7種を紹介します。あなたはいくつ、知っているでしょうか？

サーモンにぎり

典型的な握りずしです。サーモンの脂の甘みとワサビの独特な味の融合が、人気の理由のひとつ。

あぶりサーモンにぎり

サーモンにぎりの表面を軽くあぶったもの。あぶることで表面の水分が少し失われ、旨味が凝縮すると言われています。少し香ばしさも残ります。

サーモンにぎりトッピング添え

サーモンにぎり寿司の表面に、マヨネーズや梅肉などをのせたもの。お店によってさまざまありますが、あぶったサーモンに濃い味のソースがトッピングされる場合が多いです。

サーモン手巻き寿司

典型的な手巻きずしです。手が汚れずに食べられるので子どもにも人気です。

サーモン巻き寿司

典型的な巻き寿司。サーモンは彩が良いので、パーティーシーンでも絵になります。きゅうりやアボカドといった緑のものと一緒に巻くと、切った時の断面も綺麗です。

作り方は簡単！海苔にご飯を敷き、具材を巻くだけです。上の写真の白いものはクリームチーズ。意外なものも良いコンビネーションになるので、ぜひご自宅で試してみてください。

サーモン細巻き寿司

前述の巻き寿司と同様の作り方ですが、サーモンのみが入っていて、細く巻いたものです。

サーモンかざり巻き寿司

巻きずしは基本的には海苔で巻きますが、このように魚で巻く場合も。これは飾りなので、飾り巻きと呼びます。パーティーシーンにもぴったりですね。

サーモン押し寿司

こちらは「サケ・マス類」のなかで、主にサクラマスという魚を使用して作られます。元は富山県の郷土料理ですが、コンビニでも売られているので、外国人旅行客でも知っている人が多いのではないでしょうか？型に酢飯を入れて刺身をの、ぎゅっぎゅっと押して作るので、「押し寿司」と呼ばれています。

サーモン漬け丼

「漬け」とは、液体等に何かを漬けておくことを指します。また「丼/丼ぶり（don/donburi）」 とは、白いご飯の上に具材を乗せた料理を指します。サーモン漬け丼は、サーモンを、醤油、酒、ごま油などで作ったソースに漬けておいたものを、白いご飯にのせたものです。きゅうりやアボカドなどを添えることもあります。

いかがでしたでしょうか？サーモン寿司の人気の裏に、こんな背景があったと驚かれたのではないでしょうか。ぜひ次回の食事や会話の際に、ちょっとした豆知識として活用してみてくださいね。