普通の短い物語なのに、本当の意味がわかった瞬間ゾッとする──そんな短編の怖い話を集めたFUN! JAPANの人気シリーズ「意味がわかると怖い話」。
これまで公開してきた物語の中には、初級編から上級編、有名エピソードから思わず読み返したくなる難しいストーリーまで、さまざまなタイプの「意味がわかると怖い話」があります。
このまとめ記事では、読後に背筋が冷える名作を厳選して紹介。すぐ読める短い話から、理解した瞬間に恐怖が盛り上がる深い話まで、「気づくと怖い世界」に触れてみませんか。
忘れものですよ!|意味がわかると怖い話
私が荷物の配達ドライバーとして働いていた時のことです。
私はドライバー兼任として働いていました。 その住所に荷物を配達する仕事です。
あるとき、20階建てのアパートに荷物を届くことになりました。
受取人の部屋は19階なので、当然19階の階段を歩いて上がるのはしんどいから、エレベーターに乗りました。
エレベーターは2台ありましたが、1台は修理中で使用できませんでした。そのため、もう一台の方に乗りました。
部屋のオーナーは綺麗な女性でした。 優しく見える服装が印象的でした。
それも美しいからでしょうね。
緊張しすぎて署名用紙を渡したら、署名に使ったペンを持ち帰るのを忘れてしまいました。
でもエレベーターから降りた瞬間、車に戻ろうとしたとき、突然後ろから音が聞こえました。
「忘れものですよ!」
もちろん、声の主はちょうど荷物を届けたばかりの部屋の女性でした。 彼女の手にはそのペンがありました。
慌ててお礼を言ってペンを受け取りましたが…。
そして、私は非常に身の毛がよだつようなことに気づきました。
ひき逃げ|意味がわかると怖い話
ひき逃げに遭い、しばらく入院することになりましたが、やっと退院できました。
仲の良かった友人が家にやって来ました。
「全然病院にお見舞いに行けなかった。ごめんな」
「気にするな」
「犯人の顔を見たか?」
「いや、すぐに姿が消えたから覚えていないんだ」
「そうか」
「お前も気をつけてよ」
「ああ、じゃあ帰るわ。今度は必ずお見舞いに行くぞ!」
「ありがとな」
息子の予知|意味がわかると怖い話
俺の息子に変な癖があった。
時々人の顔(写真や画面など)を指で指すのだ。
最近気づいたのは、指を指された人間が三日以内に死ぬということ。
今日もテレビをつけようとしたとき、息子は画面を指した。
テレビの映像に偉い人物が映っていた。
ああ、この人死ぬのか…。
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テレビに映った人物は誰だろうと気になる人も多いでしょう!でも待って、再現してみたらすぐわかりますよ!
姉のアトリエ|意味がわかると怖い話
私が学生の頃の話です。
私には美術教師として働いている姉がいます。
姉は寝室、キッチン、リビングルームのある古風なアパートを美術室として借りていました。
しかし、暮らすためではなく、絵を描くためだけのものです。
折角借りているのに住まないなんてもったいない!
そこで「妹の私に部屋を貸して一人暮らしさせてよ」と頼みました。
一人暮らしの初日。 わくわくしてアトリエに戻りました。
姉から「戸締りに気を付けてね」と言われ、帰ってくるとすぐにチェーンで玄関の鍵を閉めました。
それから夕食を作り、本を読み、初めての一人暮らしを満喫しました。
気が付くともう真夜中でした。 戸締りやガスの元栓などを再確認し、それから寝ました。
しばらくして、午前2時から3時頃、玄関のドアが開く音が聞こえました。
姉が絵を描きに来たかなと思いました。
こんな時間、まさにワーカホリックだな。ウトウトしながらと思うと私が寝ている部屋の隣の部屋に入りました。
隣の部屋は画材やキャンバスなどを保管する部屋です。
姉が一人でつぶやいたり笑ったりしていました。
「やっぱり芸術家と怪しい人って紙一重だよな」
と思いながらいつのまにか寝ていました。
朝、目が覚めると姉がいなかった。 帰ってしまったのではないかと思います。
私は姉の絵を描く情熱を尊敬するようになりました。 そしてアパートを出る準備をしました。
玄関を開けようとしたときに、突然恐怖に襲われました。
それ以来、私は二度とその美術室に足を踏み入れることはありませんでした。
願い事|意味がわかると怖い話
少女の元に流れ星が降り立ちました。
「なんでも1つ願いを叶えてあげよう」
お星様は言いました。
少女は泣いていました。
「家族を消してちょうだい、
あんな家族まっぴらよ」
次の日、少女が目を覚まして
1階に降りると
いつものようにお母さんとお父さんとお兄ちゃんがいました。
少女は後悔しました。
その夜、再びお星様は少女の目の前に現れました。
「気に入ってもらえたかな?」
少女は言いました。
「昨日のお願いを取り消してちょうだい」
お星様は言いました。
「一度叶えたお願いは取り消せないよ」
少女は泣きました。
事故物件|意味がわかると怖い話
俺は実家を出て都内で一人暮らしを始めた。
借りた部屋は6畳ほどの狭い部屋で、
年数もまぁまぁ経っているアパートだったけど、
事故物件らしく、家賃がとても安いためそこに住むことを決めた。
そんな一人暮らしの一歩を踏み出してから約2週間後、突然玄関のチャイムが鳴った。
玄関には弱々しい50代ほどの男が立っていてこう言い始めた。
「下の階に住んでるものでして
怒ることでもないんでしょうが
足音の方が気になりまして
少し気をつけて頂いてもいいですかね?」
ただ、その話には不可解な点があった。
その男が話した日付、俺は旅行で家にいなかったのだ。
きっと何かの勘違いだろうが面倒なので
適当に詫びを入れて終わったこと
そして1週間後、また男がやってきた。
男は何やら紙袋を持っている様子で
玄関を開けるとそれを渡され、
「使ってください」と言われた。
袋の中を覗くと、ホテルでも使われるような
高めの防音マットが入っていた。
「サイズぴったりでしょ?
下の階だから間取り一緒だし」
気味悪さを感じたけど、結構良い物貰えたし
ラッキーだったな。
そこから同じ形で防音シートなど色々貰えて
ほとんど音が漏れない環境になったので
楽器でもやってやろうかとギターを買った。
新しい趣味もできたし。
次は何を持ってきてくれるんだろうな。
雑木林|意味がわかると怖い話
俺が住んでいる町には雑木林があるのだが
そこで最近、奇妙な噂が立っている。
どうやら夜中になると
女の霊が出るらしい。
俺は今年31歳になるが
今までこの町で幽霊の噂が出た事なんて無かったと思う。
だからこの噂を聞いて気分が悪くなった。
しかし、昔からセッカチというか
そういう噂を聞くと
本当かどうか、この目で確かめたくなる性格で
今日の深夜2時にその雑木林に行って
本当に幽霊がいるかどうかを調べることにした。
午前2時15分。
ついに雑木林に着いた。
これといった心霊現象が何も起きなかったので
ただのハッタリだろうと
俺は安心していた。
しかし、しばらくするとまさかとは思ったけど
林の奥に女の人の影が見えた。
恐る恐る懐中電灯の光を向けると
スーツ姿の女がいた。
その時、女がくるりと背を向けた。
女には後頭部が無かったのだ。
女は何か言っているようだった。
「脳みそ返してぇ」
か細い声で俺に訴えかけてくる。
俺は恐怖に慄きながらもこう思った。
「焦らせるんじゃねぇよ…」
真実を映す鏡|意味がわかると怖い話
医者が患者に鏡を見せています。
太朗:これが真実を映す鏡?俺の本当の姿がこんなブサイクなおばさんな訳ないんだろう。
美希:冗談じゃないわ。誰よこれ。私の将来ってこと?赤の他人じゃないの。
翔太:僕、男の子だよ。僕、女の子なの?よくわかんな〜い。
梅子:私の若い頃かい?いやぁ、もうちょっと美人さんじゃったよ。
花子:何これ?普通の鏡でしょ?どこか真実を映す鏡なの?馬鹿馬鹿しい。
医者:よし、花子にしよう。
武志:殺すぞ!てめぇ!
お葬式|意味がわかると怖い話
おじいちゃんのお葬式が退屈だったから
同い年ぐらいの親戚の子たちとかくれんぼしてたら
「もうすぐご出棺なんだからじっとしてなさい!」とお母さんにひどく怒られた。
親戚の子と言っても大勢いて
何回か会った子もいたけど全然知らない子もいた。
他の子も怒られてる。
みんなでしゅんとしてたらバスがやってきた。
「うちは兄弟だけで10人もいる大家族だからね。
バスで火葬場までいくんだよ」ってお母さんは言う。
また怒られるといやだから素直にバスに乗った。
一人だけバスに乗らないおばさんがいる。
なんかあわてたように
誰かの名前呼びながらそこら中走り回ってた。
でもバスは出発しちゃった。
お葬式っていっつもこんななのかなぁ?
僕らにはじっとしてろと言うくせに
大人は大騒ぎするから嫌いだ。
なんでお葬式に出ただけなのに
お巡りさんにいろいろ聞かれるんだろう。
火葬になったおじいちゃんの遺骨が2人分あったとか、
そんなことボクに言われても分けわかんないよ。
家族全員でドライブ|意味がわかると怖い話
私は両親と妹の四人家族だ。
ある日家族全員でドライブに行った。私が運転していた。
山道と車で走らせていると、長いカーブにさしかかった。
スピードを緩め曲がっていると後ろから車が猛スピードでやってきた。
その車は後ろからぶつかってきて、私たちの車は崖に落ちた。
私は奇跡的に助かったが妹と母は残念ながら亡くなった。しかし父だけは未だに行方不明。
私たちの車にぶつかってきた車はそのまま逃走したらしい。
仮病|意味がわかると怖い話
今日は大嫌いな運動会。
休みたいなあ……そうだ!風邪を引いたことにしよう!
パパに熱を計りなさいって言われちゃった…。
どうしよう…あ、そうだ!!体温計、体温計…あった。…ウチの体温計は古いなあ。
………あっ!!ヤバッ…
はあ…娘には全く困った物だ。
いくら運動会が嫌だからと言っても、仮病で休もうとするなんて。
熱を計るように促したら、暫くして「体温計が壊れた」と言う。
体温計を壊して熱が計れないようにしたのか?とは言え、心なしか顔色が悪い様だったので、大事を取り妻に病院へ連れて行かせた。
ああ…せっかく熱々に入れたお茶が冷めてしまった。
温くなったせいか味が良くない。
本当に困った娘だ。
廃墟|意味がわかると怖い話
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、2階建てのアパートみたいな廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、何もない清潔な床を見えた。
突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。
下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。
親友|意味がわかると怖い話
友「本当にごめんな」
俺「おいやめろって!」
友「妹が…妹が病気で…金がいるんだ…」
俺「大丈夫か?気をしっかり持てよ」
友「…ありがとう………」
俺「に…いや、10万でよかったら貸してやるよ」
友「本当にありがとう…あと、その…なんていうか…」
俺「ほら、晩飯の残りで良かったら食ってけよ」
友「ありがとう…」
俺「…なに言ってんだよ。それに、俺たち親友だろ?」
友「実は自殺しようと思ってて…お前がいなかったらもう…」
俺「そんなに気にすんなよ」
友「こんな夜中にごめんな」
改心|意味がわかると怖い話
自殺して、全てから逃げ出したい…
もうこりごりだ
上っ面だけの人間関係とか
俺には無駄なものなんだよ
人生なんて
毎日同じことの繰り返し
やっぱりヤバい
就職難のせいにしても
面接は落ちっぱなしだし…
俺なんか生きてる価値ないよ…
いや、ここで諦めるのはだめだ
自殺やめようかな…
彼女からのメッセージ|意味がわかると怖い話
浮気をしたのが彼女にばれて2週間。
ずっと連絡がなかった彼女がやっと部屋にあげてくれた。
でもお互い気まずくて一言も口をきけないまま時間だけが過ぎていく。
僕はその空気に耐えられなくなってトイレに逃げ込んだ。
ふと脇を見るとトイレットペーパーの端にペンで何かを書いてあった。
なんだろう。
どきどきしながら紙を引き出すと、そこに彼女からのメッセージが書き込まれていた。
メッセージは何行にもわたっていた。
僕は紙を全部引っ張り出して噛みしめるように読んでいった。
真美より
あなたは私を裏切った。それは事実
でももうすべてリセットしていいと思うの
あなたと過ごした宝物のような日々。
それが私にとって大切だと気づいたから。
なにもかもぶち壊してしまうこと。
許されないことだもんね。
あなたが浮気していたことは、
全部忘れてしまえるわ。あの娘と
あなたとの関係もこれで帳消しってこと
にしてあげる。お互いつらかったよね。私と
あなたは 十分に苦しんだから。これから楽
しんじゃおうよ。一緒にね。
隆史へ
涙があふれてきた。いま扉の外に真美が待っている気配がする。
はやく出て行って彼女を抱きしめてあげよう。
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