『真・侍伝YAIBA』登場キャラの元ネタ・歴史を徹底考察!『名探偵コナン』ファンも注目!

Copyright:株式会社アニメイト

2025年4月より完全新作アニメで放送開始した『真・侍伝YAIBA』。『名探偵コナン』の作者・青山剛昌先生が描く、侍を目指す少年・鉄刃の大冒険が現代に蘇ります。

本作の大きな魅力は、宮本武蔵や佐々木小次郎といった歴史上の剣豪、さらにはかぐや姫やヤマタノオロチなど日本の伝承・神話がキャラクターや物語の「元ネタ」となっている点。

一体どんな人物や伝承がキャラクターのモデルになっているのか?また、『名探偵コナン』の世界とも意外な繋がりがあるとか……?作品の知られざる魅力と、登場人物たちの気になる「元ネタ」について、ファン必見の徹底解説・考察をお届けします!

※記事で紹介した商品を購入したり予約をしたりすると、売上の一部がFUN! JAPANに還元されることがあります。

青山剛昌・作『YAIBA』とは?

Copyright:株式会社アニメイト

原作は「週刊少年サンデー」誌上にて、1988年から1993年まで連載されていました。1993年には第38回小学館漫画賞児童部門を受賞し、『剣勇伝説YAIBA』のタイトルで一度テレビアニメ化もされています。また、スーパーファミコンやゲームボーイなどでゲーム化もされました。

原作『YAIBA』のあらすじ

主人公は鉄刃(くろがねやいば)。天下一の侍を目指しており、父・鉄剣十郎と一緒にジャングルで修行を積んでいる少年です。しかしある時、日本に帰国したことから物語は動き出します。刃が身を寄せることになったのは、剣十郎の友人宅である峰家。そこで出会った峰さやかというヒロインとともに刃は日本の中学校に通うことになるのですが、ジャングル育ちの刃は常識知らず。自由気ままな振る舞いで学校中にパニックを巻き起こしていきます。

やがて刃は、さやかも所属する剣道部に入部することになるのですが、そこで出会うのが後に最強のライバルとなる鬼丸猛(おにまるたけし)。剣道の実力があり、事あるごとに刃と衝突する彼は、徐々に「悪」の力に目覚めていくことに。鬼丸を討つため、刃は日本中を旅し、各地で猛者たちと激戦を繰り広げていくのですが……。

「YAIBA」の原作コミックスをアニメイトで購入する

👉【コミック】YAIBA SSC復刻BOX(1)

👉【コミック】YAIBA SSC復刻BOX(2)

👉【コミック】YAIBA SSC復刻BOX(3)

👉【コミック】YAIBA SSC復刻BOX(4)

アニメ『真・侍伝YAIBA』の動画配信はどこで見られる?

Copyright:株式会社アニメイト

アニメ『真・侍伝YAIBA』は現在、日本国内では読売テレビ・日本テレビ系全国ネットで土曜17:30から放送中。18:30からはNetflix・ABEMAにて最速先行配信が行われているほか、毎週火曜 0:00以降、Disney+やPrime Videoなどでも順次配信されています。

海外では、VIZ Mediaが英語圏向けにライセンスを取得しており、北米ではNetflixとHuluで英語字幕版が配信されているよう。そのほかの国では、2025年4月時点で公式の動画配信情報を見つけることができませんでしたが、今後に期待したいですね。

アニメイトで『YAIBA』『真・侍伝YAIBA』関連商品を購入する👉こちら

登場人物のモデルとなった歴史上の人物や伝承とは

歴史上の剣豪や、日本で広く知られる伝承などをいくつもモチーフとする本作。ここからは、本作をより楽しむための歴史上の予備知識を解説します。

宮本武蔵(みやもとむさし)

(C)山口県観光連盟

「雷神剣」を求め、天狗岳に向かった刃たちを待ち受けていた、400歳を超えるおじいちゃん。二頭身のお茶目なキャラクターですが、刃に修行をつけてくれるなど意外と頼れるところも。

モデルになったのは、江戸時代に実在した人物。二刀流だったことで知られ、日本ではさまざまな創作物にも登場するほど人気のある剣豪のひとりです。

佐々木小次郎(ささきこじろう)

宮本武蔵のライバルであり、鬼丸の策略によって現代に無理やり蘇らせられることに。作中では「ゾンビ小次郎」とも表記されています。老人になった武蔵に対し、死によってときが止まっていた小次郎は長身の青年の姿のまま。

実際の佐々木小次郎は生年や出生地など不明な点が多いとされるものの、武蔵とは巌流島で決闘したことで有名になっています。

巌流島(がんりゅうじま)

(C)山口県観光連盟

刃一行がゾンビ小次郎と初対面する舞台。小次郎のお墓がある場所で、それを鬼丸に悪用されてしまうのですが……。実際の巌流島は山口県の関門海峡に存在し、その正式名称は「船島」。前述の通り、武蔵と小次郎が果たし合いをしたことで知られ、小次郎が「巖流」と名乗っていたことから「巌流島」と呼ばれるようになったそうです。

柳生十兵衛光厳(やぎゅうじゅうべえみつよし)

武蔵の弟子であり、非常にまっすぐな男。鬼丸によって復活させられたものの、刃を討つという使命を忘れていて、刃たちには友好的に接してきます。史実での十兵衛は徳川家光に小姓として仕えたとされています。ちなみに、武蔵と十兵衛が師弟関係にあった事実はないよう。

柳生十兵衛は剣豪として知られ、さまざまな逸話が伝えられています。片目を失明したという話から眼帯を着用した姿で描かれ、日本では漫画、小説、映画のキャラクターのモチーフになることも多い人物です。

かぐや

地球を侵略するため、月からやってきた女帝です。非常に高圧的な態度で、鬼丸をも上回るパワーの持ち主。しかし、若い女性のエキスがなければ生きられず、それにより、さやかが狙われてしまいます。

『竹取物語』には同名の女性が登場し、彼女もまた、月からやって来たとされています。竹のなかから見つかったかぐや姫は翁夫婦によって大切に育てられるのですが、やがては月へと帰ってしまう悲しい物語です。

乙姫(おとひめ)

「かぐや」編にて登場するキーワード「龍の巫女」。実は、主要キャラのひとりがその末裔であることが明かされ、かぐやから執拗に狙われることになってしまいます。本作中では、この龍の巫女がお伽噺「浦島太郎」に出てくる乙姫のこととして描かれています。

浜辺で亀を救った浦島太郎は、海中にある竜宮城へ招かれ、そこで乙姫と出会うのですが、この美しい伝説は日本各地に残っています。

『竹取物語』『浦島太郎』など日本の昔話・民話一覧の記事を読む👉こちら

ヤマタノオロチ

物語が進み、どんどん残虐非道になっていく鬼丸が封印を解いたことで、現代に蘇った最強の魔龍。首が8つにわかれており、口からはすべてを焼き尽くす光線を吐き出します。なかなか近づくことのできない刃は苦戦を強いられてしまうのですが、勝機はあるのでしょうか……?

このヤマタノオロチは日本の神話のなかでも最も恐ろしい怪物として描かれますが、それを祀る民間信仰もあるようです。

ヤマタノオロチ伝説についての記事を読む👉こちら

風神雷神

強さを求めるあまり、「風神剣」を手にした鬼丸は、やがて風神に飲まれ本当の鬼になってしまいます。それに対抗すべく刃が手にするのは、「雷神剣」。風神と雷神という対を成すふたつの力が、作中ではぶつかり合います。この風神雷神とは、古来より日本に伝わる神々のこと。風神は風袋から風雨を吹き出し、雷神は太鼓を叩いて雷鳴を起こすとされてきました。

三好清海入道(みよしせいかいにゅうどう)

(C)上田市マルチメディア情報センター

琵琶湖で刃たちと対峙する、大男。怪力の持ち主で、たった一振りで刃をふっ飛ばしてしまうほどの実力者として描かれます。

モデルとなったのは、徳川家康に敵対した真田十勇士のひとり。この真田十勇士とは真田幸村に仕えた10人の家臣のことで、なかでも三好は豪傑として伝えられています。坊主頭の大男で、60kg以上の棒を軽々と振り回す怪力の持ち主でありながら、どこか抜けたところもあって愛嬌がある人物だったそうです。

風魔小太郎

鬼丸の手先として、刃たちの前に現れる忍者。剣術で闘う刃に対し、さまざまな忍術を使い惑わすような戦法を取ります。名前の割に身体が大きいのがコンプレックスのよう。

歴史上では伝説の忍者として知られている存在で、『北条五代記』や『見聞集』などの過去に残されたさまざまな物語から生み出されたといわれています。

天草四郎時貞

九州の地で刃たちを待ち受ける妖術師。別人に変身したり、八百万の神々を呼び出したりと、不思議な能力で刃とぶつかります。実際の天草四郎は江戸時代のキリシタンで、「島原の乱」の中心人物として著名。生まれながらにしてカリスマ性があったともいわれており、創作物のなかでも魅力的な人物として描かれることが多い存在です。

石川五右衛門(いしかわごえもん)

安土桃山時代に出没した盗賊として、実在したといわれている人物。その言い伝えから創作の世界では大泥棒としてたびたびキャラクター化されており、泥棒界一の著名人でもあります。『YAIBA』でもやはり大泥棒として描かれていて、冴えないおじさんの姿で刃たちに近づき、武蔵が持つ地図を奪ってしまいます。その身のこなしは忍者さながら。

武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)

鬼丸より「伝説の玉」を探し出せという命を受けたものの、途方に暮れていたところ、武蔵やさやかと遭遇します。少し訛っていて、おおらかなキャラクターなのですが…。

史実では、平安時代に存在した僧兵のよう。京都にあった五条の大橋で源義経と闘ったといわれていますが、弁慶については残された資料が少ないことから、その逸話は創作ではないかとみられているようです。弁慶も、複数の創作物に登場する人気のキャラクターです。

松尾芭蕉(まつおばしょう)

鬼丸に代わって天下を取ることを企みます。老人ですが、そうは思えない俊敏性を持ち、刃たちを撹乱します。

歴史上の芭蕉は著名な俳人で、日本中を旅し、各地ですぐれた俳句を残したことで名を馳せています。紀行文『おくのほそ道』は、日本人では知らない人がいないほど有名でしょう。

沖田総司(おきたそうし/そうじ)

「織田信長御前試合」編にて、準決勝で刃と対峙する青年。作中では「六代目沖田総司」を名乗ります。剣術にはさほど興味がないらしく、剣術を辞めるため、試合に参戦したとのこと。しかし、その実力は侮れない存在です。

実在した沖田は幕末に活躍した新選組の一員として知られており、非常に人気のある人物。幼い頃から剣術の才能を発揮していたといわれています。

新選組についての記事を読む👉こちら

『名探偵コナン』の登場人物が『YAIBA』にも登場する?

青山剛昌先生はしばしば、自らの作品に登場するキャラクターをクロスオーバーさせます。『YAIBA』の刃をはじめとした複数人が、実は『名探偵コナン』の世界にも登場しているのです。どのエピソードに顔を出すのかは伏せておきますが、それを探しながら読書するのも面白いかもしれません。

ちなみに余談ですが、『名探偵コナン』ですっかり人気を集めている怪盗キッドは、実は青山先生の初期の作品である『まじっく快斗』の主人公。キッドはなぜ盗みを働くのか、『まじっく快斗』を読めばその目的が理解できます。

作中のモチーフや元ネタを知って『真・侍伝YAIBA』をもっと楽しもう!

紹介してきたように、『真・侍伝YAIBA』の原作である『YAIBA』の登場人物やエピソードには、日本の歴史上の人物や伝説などが元ネタになっているものがたくさんあることが分かります。

新しく始まった『真・侍伝YAIBA』は物語の舞台を現代に置き換えていたり、内容も原作とは少し異なったりするようなので、今後どのキャラクターがどんな役割で登場するのか、原作との違いを探しながらストーリーを追いかけるのもおすすめの楽しみ方です。

目次

Recommend