【日本のグルメ】地方B級グルメめぐり「福井」編

 福井県立恐竜博物館

恐竜、メガネ、カニなどで有名な福井県。定番の越前そば、越前カニのほかにも、実はまだまだ知られていないグルメがたくさんあるんです。今回は、北陸地方の福井のおいしいものをご紹介します!

「B級グルメ」とは?

その土地を代表する伝統的なご当地料理とは異なり、B級グルメでは、観光客の目をひくような和食ならではの調理方法や華やかで季節感のある盛り付けは行われません。地元の食材で調理し、地元の人々に長く親しまれているソウルフードのことを言います。

福井に美味しいものがある理由

 福井県立恐竜博物館

福井県の有名な特産品には日本酒、そば、米などがありますが、これらを育てるために必要な共通点は「良質な水」です。福井、石川、岐阜、富山にまたがる白山とそれを源とする川のおかげで、福井はミネラルを豊富に含む水資源を有し、大野市、鯖江市、小浜市などの県内各所にある湧き水も「ふくいのおいしい水」として認定されています。

中でも大野市には、イトヨの生息地で国指定天然記念物に指定されている「本願清水」や、「日本の名水100選」に選ばれた「御清水」があります。さらに、福井は日本海に面しているため、冬には越前カニやふくい甘えびなどの海の幸も有名です。

福井のB級グルメ

ソースカツ丼

福井 ソースカツ丼

ソースカツ丼は、福井県民の「ソウルフード」とも呼ばれています。福井で「カツ丼」と注文すると、卵でとじた丼物ではなく、しっかりとソースをまとわせた薄めのカツを何枚かご飯に載せた、シンプルで豪快な一品が出てきます。

諸説ありますが、ソースカツ丼の発祥の店とされるのが、老舗洋食店の「ヨーロッパ軒」です。創業者である「高畠増太郎」はドイツで料理研究の留学を終えた後、東京早稲田でお店を開き、ソースカツ丼を売り出していました。お店は1923年の関東大震災で崩れたものの、高畠氏は翌年に故郷の福井で「ヨーロッパ軒」(現・福井ヨーロッパ軒総本店)を再び開店し、福井を拠点にソースカツ丼の知名度を一気に引き上げました。

現在、県内にはソースカツ丼を販売するレストランがたくさんありますが、ソースの味は店によって異なります。時間があれば、何軒か巡って自分の好みを見つけてみてください!

醤油カツ丼

福井 醤油カツ丼

一見するとソースカツ丼に似ていますが、外見や味は全く違います。

「醤油カツ丼」は、福井県大野市にある老舗醤油屋「野村醤油」の6代目の野村明志氏を中心に、醤油カツ丼専用のタレを開発し、地元の飲食店と協力して2010年に誕生したB級グルメです。

「醤油カツ丼」と名乗るには、福井県内産の醤油を使用すること、カツを盛ること、野菜をふんだんに盛ること、という3つの条件を揃えなければなりません。また、醤油カツ丼はソースカツ丼よりも味がさっぱりしているのも特徴です。というのも、使用する醤油が福井の良質な湧き水で製造されているからです。

なお、ロースカツに限らず、鯖カツやトマト、ナスなどの野菜カツを提供する店もあります。野菜がたっぷり食べられるのも、ソースカツ丼にはない特徴の1つ!栄養と味のバランスを考慮して福井の味覚を堪能したいなら、さっぱりとした味わいの「醤油かつ丼」がおすすめです!

敦賀ラーメン

福井 敦賀ラーメン

豚骨・鶏ガラベースの濃厚な醤油スープと中細麺が特徴的な「敦賀ラーメン」は、初めて食べる日本人がみんな口をそろえて「懐かしい味」というほどのご当地グルメです。

その発祥は、福井県敦賀市敦賀駅周辺で営業していたラーメン屋台で、その中の一つ「一力」は今も残る名店です。昭和時代にトラック運送が盛んだった頃、敦賀駅近くの国道8号線沿いには十数店舗のラーメン屋台が軒を連ねていました。多くのトラック運転手などが一休みする場所として利用されていたため、敦賀ラーメンの名は徐々に全国に広まっていきました。

国道8号線沿いには現在でも「一力」を筆頭に、数々のラーメン屋台が夜に営業し、多くの地元民に愛されています。

ボルガライス

福井 ボルガライス

「ボルガライス」は、福井県越前市武生エリアで誕生した、オムライスの上にトンカツを載せ、特製ソース(デミグラスソース、ケチャップ、もしくはホワイトソース など)をかけた和洋折衷の洋食料理です。

作り方は自由で、オムライスの中身やカツの種類、ソースはお店ごとに異なります。

武生エリアでは30年以上親しまれている料理ですが、その発祥や誕生の地については未だ不明のままです。名前の由来についても、「ロシア料理説」(「ボルガ」というロシア料理と同じようにたまごを使っているから)と「イタリア地方料理説」(イタリアのボルガーナ地方で食べられていた料理に似ているから)の2説が言い伝えられています。謎に包まれつつも、様々なアレンジ人々をワクワクさせる、ご当地グルメの一品と言えます。

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