忠犬ハチ公の犬種である、秋田犬(あきたいぬ)のことはご存知ですか?
秋田犬は、日本犬のなかで唯一の大型犬種。がっしりとした体、三角形の立ち耳、くるりと巻いた尾が特徴です。忠犬ハチ公が生まれた秋田県大館市は「秋田犬発祥の地」として知られ、秋田犬を見学できる施設もあります。
この記事では、秋田犬の特徴や性格、柴犬との違い、毛色、忠犬ハチ公の物語を解説。秋田県大館市で秋田犬に会える可能性のある場所の最新情報も紹介します。
※施設情報は2026年8月時点のものです。秋田犬の体調や勤務日によって会えない場合があるため、訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
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忠犬ハチ公の犬種は「秋田犬」
東京・渋谷駅前の銅像で知られる忠犬ハチ公は、秋田犬の雄です。
ハチ公は1923年11月10日、現在の秋田県大館市大子内(おおしない)で生まれました。生後約2カ月で東京へ渡り、東京帝国大学教授の上野英三郎博士に飼われることになります。
秋田犬は一般に、落ち着きがあり、飼い主に忠実な犬種とされています。ハチ公が、亡くなった飼い主を渋谷駅で約10年間待ち続けたという物語によって、秋田犬は日本だけでなく世界でも広く知られるようになりました。
秋田犬とは?特徴と歴史
秋田犬は、秋田県北部を中心に受け継がれてきた日本原産の大型犬です。
国の天然記念物に指定されている日本犬は、柴犬、紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬、秋田犬の6犬種。このうち、大型犬に分類されるのは秋田犬だけです。
秋田犬は1931年7月31日、日本犬として初めて国の天然記念物に指定されました。
秋田犬の祖先は狩猟で活躍したマタギ犬
秋田犬の基礎になったとされるのが、奥羽山脈周辺で熊などの狩猟に使われていた「秋田マタギ犬」です。
秋田県大館地方では、かつて「大館犬」と呼ばれる犬も飼育されていました。その後、闘犬用として大型化する過程で、ほかの犬種との交配が進み、日本犬らしい特徴を失った時期もありました。
昭和時代に入ると、日本犬を保存しようとする活動が本格化します。第二次世界大戦中には頭数が大きく減少しましたが、戦後も保存と改良が続けられ、現在の秋田犬へと受け継がれました。
秋田犬の大きさと性格
秋田犬は、骨格が頑丈で重厚感のある大型犬です。標準的な体高は、雄が約67センチ、雌が約61センチ。雄・雌ともに、標準体高から上下3センチ程度までが基準とされています。
秋田犬の主な特徴は次のとおりです。
- がっしりとした大型の体
- 広い額と発達した頬
- 小さめで厚みのある三角形の立ち耳
- 背中の上に巻いた太い尾
- 上毛と密生した下毛からなる被毛
- 落ち着きがあり、飼い主に忠実とされる性格
ただし、犬の性格には個体差があります。秋田犬は力の強い大型犬でもあるため、観光施設で会うときは、必ずスタッフの案内に従いましょう。
秋田犬と柴犬の違いは?見分け方を比較
同じ日本犬である秋田犬と柴犬には、立ち耳、巻き尾、赤い毛色などの共通点があります。そのため、写真だけを見ると似ているように感じるかもしれません。
最も分かりやすい違いは、体の大きさです。
| 比較項目 | 秋田犬 | 柴犬 |
| 大きさの分類 | 大型犬 | 小型犬 |
| 雄の標準体高 | 約67cm | 約39.5 cm |
| 雌の標準体高 | 約61cm | 約36.5cm |
| 頭部 | 額が広く、頬が発達している | 秋田犬より小さく、全体的に引き締まっている |
| 耳 | 比較的小さく厚みがあり、少し前に傾く | 小さな三角形で、しっかり立っている |
| 全体の印象 | 骨格が太く、重厚感がある | コンパクトで動きが軽快 |
成犬が並ぶと体格差は一目瞭然です。秋田犬を初めて見た人が「大きな柴犬」と思うことがありますが、秋田犬と柴犬は別の犬種です。
秋田犬の毛色は赤・虎・白・胡麻
秋田犬の標準的な毛色には、赤、虎、白、胡麻の4種類があります。
赤
現在、最も多く見られる毛色です。顔の下側や胸、腹、脚の内側などに白い毛が入る「裏白」が特徴です。
虎
黒、赤、白などの毛が縞模様のように混ざった毛色です。色合いによって、赤虎、黒虎、霜降り虎などと呼ばれることがあります。
白
全身が白い秋田犬です。赤や虎と比べると数は多くありません。
胡麻
赤い毛を基調に黒い毛などが混ざった毛色です。秋田犬の標準に含まれていますが、現在はほとんど見られない非常に珍しい毛色です。
長毛の秋田犬もいる?
秋田犬は通常、硬い上毛と密生した下毛を持つ短毛の犬ですが、まれに長毛の秋田犬が生まれることがあります。
かつて青森県鰺ヶ沢町で観光駅長として活躍した「わさお」も、白い長毛の秋田犬でした。ただし、秋田犬保存会の審査基準では、先天的な長毛は展覧会における失格項目とされています。
日本の秋田犬とアメリカン・アキタの違い
海外では、日本の秋田犬とは別に「アメリカン・アキタ」と呼ばれる犬種も飼育されています。
アメリカン・アキタの歴史は、第二次世界大戦後、日本にいた秋田犬をアメリカへ持ち帰ったことから始まります。その後、日本の秋田犬とは異なる方針で繁殖が続けられ、より骨太で重厚感のある独自の犬種へと発展しました。
現在、秋田犬とアメリカン・アキタは別の犬種として扱われています。アメリカン・アキタには、顔に黒い模様が入るタイプや、複数の色が大きな斑点状に入るタイプも見られます。
世界で知られる忠犬ハチ公の物語
ハチ公は、1923年に秋田県大館市で生まれ、1924年に東京帝国大学教授の上野英三郎博士のもとへ贈られました。
ハチ公は上野博士を慕い、博士が出かける際には渋谷駅まで送り迎えをしていたといわれています。しかし1925年5月、上野博士は大学で急逝してしまいます。
その後もハチ公は渋谷駅へ通い、亡くなった博士の帰りを待ち続けたのです。1932年、ハチ公のことが新聞で紹介されると、その物語は日本中に広まりました。
1934年には渋谷駅前に初代の忠犬ハチ公像が建てられ、除幕式にはハチ公自身も参加したそう。ハチ公は翌1935年3月8日、11歳で亡くなりました。
現在の渋谷駅前のハチ公像は、1948年に再建された2代目です。ハチ公の物語は日本と海外で映画化され、秋田犬が世界に知られるきっかけのひとつとなりました。
秋田犬に会える秋田県大館市のスポット3選
秋田犬発祥の地である大館市でも、道を歩いているだけで秋田犬に会えるとは限りません。
秋田犬を見たい場合は、展示施設や温泉宿を訪れましょう。ただし、ガラス越しの見学のみの施設と、予約すれば直接ふれあえる施設があります。
1.秋田犬の里|大館駅前で気軽に秋田犬を見学
「秋田犬の里」は、JR大館駅前にある観光交流施設です。建物は、ハチ公が飼い主を待っていた大正時代の渋谷駅をモデルにしています。
秋田犬展示室では、日替わりで秋田犬をガラス越しに見学可能。館内には、秋田犬の歴史や特徴を学べる展示、秋田犬グッズや大館市の特産品を販売するコーナーもあります。
敷地内には大館市の忠犬ハチ公像や、かつて渋谷駅前に設置されていた緑色の鉄道車両「青ガエル」も展示されています。
秋田犬に直接触れることはできませんが、大館駅に到着してすぐに立ち寄れるため、初めて大館市を訪れる人におすすめです。
秋田犬の里|施設情報
- 住所:秋田県大館市御成町1-13-1
- アクセス:大館駅から徒歩すぐ
- 開館時間:9:00~17:00
- 秋田犬展示室:9:30~16:45(犬の休憩時間あり)
- 入館料:無料
- 休館日:12月31日、1月1日 ※秋田犬展示室の休室日は月(祝日の場合は翌営業日)
- 公式サイト:https://akitainunosato.jp/(日本語、英語、繁体字、韓国語、簡体字)
※秋田犬の休憩時間や休室日は変更される場合あり。訪問前に公式サイトの営業カレンダーを要確認
2.秋田犬会館|秋田犬の歴史を詳しく学べる
秋田犬会館は、秋田犬の保存や血統登録などを行う「秋田犬保存会」の本部です。建物の前には、生まれ故郷の方向を向いた「望郷のハチ公像」があります。
館内の秋田犬博物室では、秋田犬の歴史、骨格、血統、保存活動などに関する資料を見学できます。秋田犬について詳しく知りたい人におすすめの施設です。
現在は、平日のみ保存会事務所内に秋田犬が1頭います。ただし、秋田犬とのふれあいは行われていませんのでご注意を。また、秋田犬は急きょ遽お休みとなる場合もあります。
秋田犬会館|施設情報
- 住所:秋田県大館市三ノ丸13-1
- アクセス:大館駅からバスで約15分、大館栄町から徒歩10分または大館市役所前から徒歩5分
- 開館時間:9:00~16:00
- 休館日:8月13日午後、12月30日~1月5日
- 入館料:大人200円、小中学生100円
- 公式サイト:https://akitainu-hozonkai.com/(日本語のみ)
3.ふるさわおんせん|予約制で秋田犬とふれあえる温泉宿
秋田犬と直接ふれあいたい人には、「ふるさわおんせん」がおすすめです。
秋田犬の親子「温(はる)」と「華(はな)」が暮らす温泉宿で、スタッフの立ち会いのもと、秋田犬とのふれあいや記念撮影を体験できます。
日帰りでふれあいを希望する場合は、事前の電話予約が必要です。秋田犬は24時間館内にいるわけではなく、体調や時間によって対応できない場合もあります。必ず予約時に、ふれあい可能な時間と条件を確認してください。
宿泊して、秋田犬とのふれあい、温泉、大館名物のきりたんぽ鍋を一緒に楽しむのもおすすめです。
ふるさわおんせん|施設情報
- 住所:秋田県大館市新綱27
- アクセス:大館駅から車で約7分
- 営業時間(日帰り入浴):6:30~21:00
- 定休日:火
- 秋田犬とのふれあい:要予約
- 公式サイト:https://furusawaonsen.com/(日本語のみ)
4.秋田犬ステーション|秋田駅近くでも秋田犬に会える
大館市内ではありませんが、秋田新幹線が停車する秋田駅近くにも毎週土日祝に、秋田犬に会える施設があります。犬のストレスへの配慮から触ることはできませんが、写真撮影はOK。また、施設内ではオリジナルグッズを購入することもでき、その売上げの一部は、秋田犬の保護活動に充てられています。
秋田犬ステーション|施設情報
- 住所:秋田県秋田市中通1-4-1-3 エリアなかいち1階
- アクセス:秋田駅から徒歩10分
- 営業時間:【土・日・祝日】11:00~18:00【火・木】11:00~15:00(12:30~13:00は休憩)※秋田犬の展示は土日のみ。詳しい展示時間は公式HPを要確認
- 定休日:月・水
- 入館料:無料
- 秋田犬とのふれあい:要予約
- 公式サイト:https://www.saveakita.or.jp/ofa/station/(日本語のみ)
秋田犬に会うときに守りたいマナー
秋田犬は、ぬいぐるみではなく、感情や体調の変化がある生き物です。見学やふれあいの際は、次の点に注意しましょう。
- ガラスや展示室を強くたたかない
- 大きな声や音で驚かせない
- 勝手に食べ物を与えない
- 写真撮影のルールを守る
- 許可なく触ったり、顔を近づけたりしない
- 必ず施設スタッフの案内に従う
秋田犬の体調によっては、展示やふれあいが急きょ中止されることもあります。
大館市へのアクセス
大館市は秋田県北部にあり、秋田市とは別のエリアです。
東京から向かう場合は、羽田空港から大館能代空港まで飛行機を利用し、空港リムジンバスでJR大館駅へ向かう方法があります。
鉄道では、JR奥羽本線とJR花輪線が乗り入れる大館駅が観光の拠点です。地域内の鉄道やバスは本数が限られるため、往路だけでなく帰りの時刻も事前に調べておきましょう。
秋田犬会館やふるさわおんせんなど、駅から離れた場所も巡る場合は、タクシーやレンタカーを利用すると便利です。
秋田犬についてのよくある質問
Q.忠犬ハチ公の犬種は何ですか?
A.ハチ公の犬種は秋田犬です。1923年11月10日、現在の秋田県大館市で生まれました。
Q.秋田犬は柴犬の大型版ですか?
A.秋田犬と柴犬は別の犬種です。どちらも立ち耳や巻き尾など日本犬らしい特徴を持っていますが、秋田犬は大型犬、柴犬は小型犬に分類されます。
Q.「秋田犬」は何と読みますか?
A.一般的には「あきたいぬ」と読みます。海外でも、日本語の発音に近い名称で知られています。
Q.秋田犬の代表的な毛色は?
A.赤、虎、白、胡麻の4種類です。現在、最も多く見られるのは赤で、次いで虎、白となっています。胡麻は非常に珍しい毛色です。
Q.秋田県大館市では秋田犬に触れますか?
A.秋田犬の里はガラス越しの見学、秋田犬会館はふれあいを実施していません。ふるさわおんせんでは、事前予約のうえで秋田犬とふれあえる場合があります。
Q.秋田犬に会うなら何曜日がおすすめですか?
A.秋田犬の里の展示室は月曜日が休室、秋田犬会館で秋田犬がいるのは平日のみ、ふるさわおんせんは火曜日が定休日です。3施設すべてを候補にするなら、水曜日から金曜日が比較的予定を組みやすいでしょう。ただし、必ず事前に各施設の最新情報をご確認ください。
まとめ|秋田犬に会いに、忠犬ハチ公のふるさと・大館市へ
忠犬ハチ公の犬種である秋田犬は、国の天然記念物に指定された日本唯一の大型日本犬。堂々とした体格、立ち耳、巻き尾、飼い主に忠実とされる性格で、世界中の人々に愛されています。
ハチ公が生まれた秋田県大館市では、秋田犬の見学や予約制のふれあい体験ができる場合もあります。
秋田犬に会うことを目的に大館市を訪れるなら、展示日や予約条件を事前に確認し、秋田犬の体調を尊重しながら旅を楽しみましょう。
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