浮世絵師・葛飾北斎の代表作『冨嶽三十六景 』の世界を全身で体感できる「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」が、東急プラザ渋谷で2025年2月1日から6月1日まで開催中です。
最新のデジタル技術によるイマーシブ展示という手法で葛飾北斎の世界はどのように表現されるのでしょうか? 「FUN! JAPAN」エディターが実際に体験し、五感で感じた魅力をたっぷりとお届けします。
※記事で紹介した商品を購入したり予約をしたりすると、売上の一部がFUN! JAPANに還元されることがあります。
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ゴッホやモネにも影響を与えた葛飾北斎

国内のみならず、海外ファンも多い葛飾北斎。 会場内では、英語や中国語が飛び交い、外国人観光客の姿が目立ちました。 特に、アメリカや台湾からのお客様が多いそうです。
葛飾北斎はゴッホやモネ、セザンヌといった名だたる画家たちへ影響を与えたことで知られています。 彼のデビューはなんと19歳! それから90歳まで新しい表現を追い求め続けた、というのは驚きです。 たとえば、大勢の前でだるま絵を描くという、現代でいうライブパフォーマンスのような表現も行っていたそうです。

展示会の最初の空間では、そんな挑戦と独創性に満ちた葛飾北斎の人生をさまざまな視点で読み解くパネル展示が迎えてくれます。
ちなみに、この展示会の題材である代表作『冨嶽三十六景』は、当時の庶民の旅行ブームをいち早く取り入れた作品なんだとか。
江戸時代の明かりで作品を見る

今回の展示でメインとなるのは、「光の部屋」「大地の部屋」「風の部屋」「北斎の部屋」の4つ。 最初の部屋である「光の部屋」では、暗がりの中、ゆらめく竹あかりが作品を照らしています。 これは何を表現した展示なのでしょうか?
通常の展示会では、一定の明るさに調整された照明の下で作品を鑑賞しますが、葛飾北斎が生きた江戸時代は、太陽の自然光や行灯の明かりが主役でした。 これらの明かりは部屋全体を均一に照らすものではなく、光と影を生み出します。

この部屋はそんな江戸時代の光を表現しているのだそう。 じっくり作品を観察してみると、光が当たっているときは穏やかに見えた雲が、陰に入ると荒々しく感じるなど、同じ作品でも光の変化によって印象が大きく変わることに気づかされます。

また、デジタル作品の精巧さにも驚かされました。 作品はデジタルデータとして画面上に映し出されているのですが、和紙の質感までしっかりと感じられます。 この和紙の繊維1本1本まで感じられるリアルさは、アルステクネ社の特許技術によるもので、360度から絵画を取り込んだ超高精細イメージデータが、その再現を可能にしているそうです。
振動する床! 北斎が描く自然に足を踏み入れる

次の「大地の部屋」は、北斎の描く自然の世界を体感できる空間。 壁一面の大型画面と床に映し出される作品が季節の移り変わりに合わせて動き出し、鳥のさえずりや風の音が、まるで本当にその場所にいるかのように聞こえてきます。 鳥の声が背後から聞こえてきて、思わず振り返ってしまったほど!

さらに面白いのは、床に映し出される絵が、人の動きに合わせて変化する仕掛けです。 水面を歩くと波紋が広がり、凍った湖の上を歩くと氷にひびが入るだけでなく、床を踏みしめる感覚まで変わるなんて! これには「ハプティクス」という振動する床の技術が用いられているそうです。 その場にいた誰もが夢中になって、あちこち歩き回ったり、ジャンプしたり、様々な反応を楽しんでしまいました。
葛飾北斎が描く"風"を肌で感じる

「風の部屋」では、葛飾北斎が描く"風"の表現を実際に体感することができます。 『冨嶽三十六景』の中から選ばれた「風」を感じる8点の作品が、大きなスクリーンに次々と映し出され、その映像に合わせて実際に風が吹くのです!
たとえば、『上総ノ海路』という一艘の船が海を進む絵が映し出されると、まるで帆に当たる風を感じているかのような、力強くも繊細な風が。 また、『隅田川関屋の里』で3頭の馬が走る様子が映し出されると、風の強さが変わり、まるで馬に乗って疾走しているかのような、顔を切る風に変化します。

様々な風の表現を体感できることは、とても面白く新鮮な経験でした。 この展示にはソニーが開発した最新技術を使用しており、今回が初お披露目となるそうです。
『神奈川沖浪裏』の迫りくる波を体感!

いよいよ最後の部屋である「北斎の部屋」は、まさに“イマーシブ=没入”を体験できる空間! 全編12分間にわたって映し出される葛飾北斎の絵に合わせて、映像、音響、風、振動といったこれまでの仕掛けすべてが組み合わさります。
中でも圧巻だったのは、『The Great Wave』として世界的に知られる『神奈川沖浪裏』の映像。 「Crystal LED」という最高峰の大型ディスプレイいっぱいに広がる荒波の映像は、まるで本当に波が押し寄せてくるかのよう。 激しく荒れ狂う波の映像に合わせて、風を感じ、床が振動し、波の轟音が耳を打つ数分間は思わず身を引いてしまうほどの迫力でした。
12分間の体験が終わった瞬間、会場全体から自然と拍手が。 私もまるで一本の短編映画を見終えたかのような満足感と興奮を感じ、思わず手を叩いていました。
「北斎の部屋」を過ぎると、いくつかのマスターレプリカが展示された部屋へと続きます。 先ほどの迫力ある体験とは対照的に、ここでは限りなく原画に近い状態に再現された作品を、落ち着いた雰囲気の中でじっくり楽しむことができました。 このレプリカは購入もできるようですよ!
ジンやスノードーム、ガチャガチャも。 会場限定のグッズやコラボ商品に目移り!
展示会の締めくくりとなるギフトショップでは、展示会限定グッズが多数販売されていました。 いくつか印象に残った商品をご紹介したいと思います!
HOKUSAI×深川蒸留所 Original Japanese Craft Gin(AZUKI & YUZU)
東京の江東区に位置し、日本古来の蒸留技術を現代に再現する「深川蒸留所」。 こちらとのコラボ商品として「AZUKI」と「YUZU」の2種類のジンが販売されていました。 小豆は葛飾北斎の好物である大福、柚子は大病したときに柚子で薬を自作したことにちなんでいるそうです。
特別に試飲させていただきましたが、「AZUKI」はほのかに甘い香りと後味の深み、「YUZU」は爽やかな香りが印象的でした!
こちらは世界30本限定の特別バージョン。 伝統工芸江戸切子を用いたボトルが素敵!
HOKUSAI × WACKO MARIA HAWAIIAN SHIRT
WACKO MARIAによるアロハシャツと浴衣も葛飾北斎の作品を現代的にアレンジしたデザインで目を引きました。 アロハシャツは日常的に着て楽しめそう。 カラーはWhite、Black、Navy(※)、Burgundy(※)の4色。 ※本展覧会限定カラー
北斎スノードーム
個人的に一番かわいいと思ったのがこちらのスノードーム。 ひっくり返すと、『神奈川沖浪裏』にひらひらと雪が舞います。
ステッカーセット 4枚入り
ちゃんとデザインに合わせて形に切り取られているのもおしゃれなステッカー。 自分用はもちろん、センスの良いギフトとしても喜ばれそうですね!
絵あそび箸置き
最後にご紹介するのは会場限定のガチャガチャです。 こちらは「箸置き」なのですが、葛飾北斎の絵を現代風にパステルカラーにしたデザイン。
「かわいい!」と思わず1回まわ してみたところ、丸い形とピンク色のBを引き当てることができました!

シークレットもあるようですが、どんなデザインか気になります…。
葛飾北斎の絵を飲む?! コラボメニューも楽しめる
また、同じ東急プラザ渋谷内の飲食店では、葛飾北斎の浮世絵にインスパイアされた期間限定のメニューを提供中です。 展示会と併せて立ち寄ってみるのはいかがでしょうか? 私も展示会のあと、葛飾北斎の絵を“飲んで”帰りました。
京都宇治 藤井茗縁
宇治抹茶ラテ/ほうじ茶ラテ

宇治抹茶飲み比べセット

季節の羽釜膳

手打そば 竹之内
<5月メニュー>江戸そば切り三味

お得に入場できる方法はある? キャンペーンを使えば最大1500円オフ!
展示会終了まで残り僅かとなった2025年5月現在、入場料が割引となるお得なキャンペーンが実施中! 国内外のお客様問わず使用できるそうです。
「ペア割引」
平日/土日祝日問わず、2人で来場すると5,500円で入場できるキャンペーンです。
「KIMONOでHOKUSAIキャンペーン」
着物もしくは浴衣で来場した場合、以下のお得な特典を得ることができます。
① 「京都宇治 藤井茗縁」にてコラボメニューが10%OFFクーポン
② 公式グッズ「図録」プレゼントもしくは同行者1名の入場料が半額
展示会内は写真撮影OK。 着物や浴衣で訪れると、一層素敵な写真が撮影できそうですね!
【kkday】👉東京|first着物 浴衣レンタル体験・浅草店
本展示会は6月1日までの期間限定です。 北斎の世界を全身で体感できるこの貴重な機会を、ぜひお見逃しなく!
HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO
- 会場:東急プラザ渋谷3階
- 会期:2025年2月1日(土)~2025年6月1日(日)
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