【日本のグルメ】地方B級グルメめぐり「愛媛県」編

写真提供:松山市公式観光ウェブサイト

愛媛県は四国4県の中で最も人口の多い県であり、日本三古湯の一つに数えられる「道後温泉」をはじめ、現存12天守に含まれる「松山城」と「宇和島城」、そして世界的に有名な「今治タオル」がありますが、食についてはご存知でしょうか? 今回は、愛媛のご当地グルメの魅力にスポットをあてていきます!

「B級グルメ」とは?

その土地を代表する伝統的なご当地料理とは異なり、B級グルメでは、観光客の目をひくような和食ならではの調理方法や華やかで季節感のある盛り付けは行われません。地元の食材で調理し、地元の人々に長く親しまれているソウルフードのことを言います。

愛媛グルメの特徴

愛媛県は地理的に、晴天が多く暖かい気候に恵まれています。特に、瀬戸内海に面する側は、温暖で雨が少ない気候とミネラル豊富な土壌がみかん栽培に適しています。愛媛のみかん生産量は全国トップクラス。2019年にはかんきつ類の品目数が41品種あり、2020年にはみかんの生産量が全国一位を誇っています。まさに「柑橘王国」に相応しく、数多くの関連商品が生み出されています。

また、もう一つの自然の恵みは宇和海です。太平洋の暖流・黒潮が流れ込み、豊富な栄養分とミネラルをもたらし、ここで獲れる魚は脂がのっています。鯛を養殖するには絶好の条件が整っており、中でも愛媛のブランド鯛「愛鯛」は国内最高級のブランド魚です。

愛媛のB級グルメ

愛媛県のB級グルメは、みかんや海鮮と切っても切れない関係があります。みかんはデザートに使われることが多いですが、今回は食事やおかずになる地元グルメをご紹介します。

鯛めし

写真提供:松山市公式観光ウェブサイト

愛媛の天然鯛の漁獲量は全国でも一位、二位を誇り、なんと養殖鯛の生産量は1990年から日本一なんです! いたるところで鯛を見かける愛媛県では、県内全域で鯛グルメが食べられます。中でも有名な「鯛めし」は、地域によって調理方法も異なっています。

代表的な鯛めしは、鯛を丸ごと一尾贅沢に使い、お米と一緒に炊き上げた東部・松山市の「北条鯛めし」と、鯛の刺身を白飯の上にのせ、生卵とだし汁、ごま、醤油などを混ぜたタレをかける南部・宇和島市の「宇和島鯛めし」。そして、北条鯛めしとも宇和島鯛めしとも異なる、天然鯛のタタキをのせた「松山あぶり鯛めし」もあります。

太刀魚巻き

写真提供:農林水產省

愛媛グルメといえば名物の鯛以外にも、見た目にもインパクト大の「太刀魚巻き」も外せません。

「太刀魚巻き」とは、もとは愛媛県宇和島市の老舗魚屋が考案したとされるB級グルメ。太刀魚は良質な脂肪やDHA、ビタミンを豊富に含んでいます。その太刀魚を短冊状に薄く細く切って天然の竹串にらせん状に巻き、特製のタレにつけて焼きます。食欲をそそる飴色になり、香ばしい香りが漂い、鯛めしとはまた違った大胆な一品です。

じゃこ天

写真提供:一般社団法人 愛媛県観光物産協会

じゃこ天とは、いろいろな種類の小魚(雑魚)をすりつぶし、卵と小麦粉を混ぜて成形したものを揚げた、魚の練り製品のこと。宇和海から豊富な魚がとれる八幡浜市や、宇和島市など、魚の加工品づくりが盛んな地域のご当地名物で、魚が骨ごと入っているため他の練り物にも負けない味と、さまざまな料理との相性の良さが特徴です。お酒のつまみから麺料理の具まで、何にでもよく合い、愛媛では「毎日の食卓に欠かせない」というご家庭も少なくありません。

今治焼豚玉子飯

今治市で生まれた、このB級グルメは、地元の中華料理店のシェフが自分の賄いとして考案したのが始まりです。ご飯の上に、こま切りにしたチャーシューと半熟卵、最後にチャーシューのタレとコショウをかけたら出来上がり。早く簡単に作れて、スタミナもつくボリューム満点メニューです。もとは、中華料理店の大人気まかないメニューだったものが、本格的に商品化されたそう。シンプルで豪快な味は、男子高校生に人気を博し、今や今治の名物グルメとなりました。

三津浜焼き

写真提供:松山市公式観光ウェブサイト

端的に言えば、松山市三津浜の飲食店で売られているお好み焼きのことですが、キャベツ、卵、焼きそばやうどんに加えて、特別に地元産のちくわが入っています。ちくわによる魚介の旨味と食感・食べ応えが特徴で、半分に折り重ねた半月形で提供されます。これが地元の人々にとても愛され、三津浜地区のソウルフードと言われています。


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