ラン活:日本人が子ども用のカバン「ランドセル」に5万円以上かける理由

日本のちょっと変わった文化や習慣をお伝えする、「〇〇活」シリーズ。今回紹介するのは、日本の小学生が通学の時に使うカバン「ランドセル」に関係のある言葉「ラン活」です。日本では、ランドセルを買うことは、子どもの親や祖父母にとって特別な意味を持つ一大イベントです。なぜランドセルがそんなに重要なのか?記事を読めばわかるはず!

ランドセルとは?

まずは、ランドセルの基礎知識から紹介します。

6年間使っても壊れない!丈夫なカバン

日本人でなくても、ランドセルを見たことがある人は多いと思います。ランドセルは、日本の小学生が通学用に使うカバンのことで、一般的に、小学校の6年間を通して同じランドセルを使い続けます。そのため、ランドセルはとても頑丈である必要があり、革で作られているものがほとんどです。また、たくさんの教科書や筆記用具を入れて毎日背負うカバンなので、軽いことや子どもの体の負担にならない形状であることも大事です。

ランドセルの歴史

学校法人学習院 

ランドセルの起源ともいえる背負う通学カバンは、明治18年(1885年)に学習院(*1)で使われ始めました。上の写真は、学習院中等科の学生が明治時代に使っていた通学カバンです。いまのランドセルとそれほど変わらない、四角い形をしていました。

ちなみに、ランドセルの語源は、背負いカバンを意味するオランダ語「ransel(ランセル)」だと言われています。日本は江戸時代からオランダと貿易を行っていたため、オランダ語を語源とする日本語がたくさんあります。

*1: 学校法人学習院が運営する私立学校で、幼稚園~大学まである。日本の皇族が通う学校としても知られている。

ランドセルの価格

ランドセル工業会の調査によると、ランドセルの平均価格は年々上昇しています。2000年は平均価格が3万5,000円でしたが、2021年には約5万5,000円でした。

子どもの通学カバンに5万円以上かけるなんて、あなたは信じられないかもしれません。軽量化や頑丈さの向上など、ランドセルの性能が向上していることや、昔に比べてデザインにこだわったランドセルが増えていることが、近年の価格上昇の背景にあります。

日本独自の習慣「ラン活」とは?

ラン活とは、「ランドセル活動」の略で、ランドセルを選ぶためにお店に行ったり、インターネットで検索したり、カタログを取り寄せたりすることです。

このようなラン活は、子どもが小学校に入学する1年前からスタートします。あなたは、「入学式の前日に買えばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、それでは遅いのです。人気のデザインのランドセルは、すぐに売り切れてしまいます。最高のランドセルを、売り切れる前にゲットするには、1年も前からラン活をする必要があるのです。

祖父母が入学祝いとして、孫にランドセルをプレゼントするのも一般的です。日本にはゴールデンウィーク(5月)やお盆(8月)という大型連休があり、このような連休になると、多くの子どもが祖父母の家に遊びに行きます。この時に祖父母が孫をデパートなどに連れて行き、ランドセルを買ってあげるのです。

多様化するランドセル

20年ほど前まで、ランドセルの色といえば黒と赤の二種類でした。男の子は黒、女の子は赤いランドセルを使うのが一般的でした。しかし、最近では色やデザインが多様化しています。


土屋鞄製造所

1965年創業の東京のランドセルメーカー、土屋鞄製造所が販売するランドセルは、なんと約50色!カラフルで、見ているだけで楽しい気分になりますね。

土屋鞄製造所 

近年のジェンダーレス化の流れを汲んで、性別に関係なく使えるランドセルも増えています。

土屋鞄製造所 

人気のブランドとコラボレーションしたランドセルも増えています。上の写真は、日本の人気ブランド「ミナ ペルホネン」とコラボしたランドセルです。価格は8万円以上しますが、土屋鞄は6年間の無料補償を提供していて、小学校6年間でもしランドセルが壊れた場合は、無料で修理をしてくれます。

このように、ランドセルのデザインが多様化し選択肢が増えているため、購入するランドセルを決めるまでにかかる時間も昔より長くなっています。入学する1年も前からラン活を行う理由、分かってもらえましたか?

なぜランドセルは特別な存在なのか

なぜ、日本人はランドセルにそんなに必死になるのか、不思議に思う人がいるかもしれません。

日本人は、我が子や孫が小学校に入学することを、とても大きなイベントと捉えています。小さかった自分の子供や孫がいつの間にか成長し、小学生になる…。つまり、小学校の入学は子供の成長を象徴する出来事なのです。そのため、小学校入学を象徴するランドセルも、特別な存在なのです。

土屋鞄製造所 

また、ランドセルは小学校6年間使うものなので、ランドセル=6年間の思い出が詰まったものと考える人もたくさんいます。そのため、小学校卒業後に、ランドセルの生地を使ってミニランドセルを作り、思い出の品として保管する人もいます。

あなたもランドセルを使ってみてはいかが?

土屋鞄製造所 

ランドセルは、子どもが6年間使うため、軽量で頑丈である必要があります。つまり、とても高性能なのです。このような高性能のカバンを子どものものだけにしておくのはもったいない、ということで、近年では大人向けのランドセルも販売されています。

さて、ちょっと変わった日本の習慣「ラン活」、みなさんはどう感じましたか?あなたのコメント、お待ちしています!

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