美（うつく）しい山々（やまやま）や海岸線（かいがんせん）、そして熊野古道（くまのこどう）をはじめ古（ふる）くから信仰（しんこう）の対象（たいしょう）となってきた霊験（れいげん）あらたかな参拝（さんぱい）スポットを持（も）つ和歌山（わかやま）は、自転車旅（じてんしゃたび）の愛好家（あいこうか）にとって天国（てんごく）です。
ひたすら海岸線（かいがんせん）に沿（そ）ってツーリングするも良（よ）し、点在（てんざい）する観光（かんこう）スポットや街（まち）に途中下車（とちゅうげしゃ）しながら田舎旅（いなかたび）を満喫（まんきつ）するも良（よ）し！温暖（おんだん）な気候（きこう）の中（なか）、自然鑑賞（しぜんかんしょう）も観光（かんこう）もいいとこどりの、和歌山サイクリング旅を紹介（しょうかい）します。
和歌山県ってどこにあるの？
関西（かんさい）エリアに属（ぞく）する和歌山県（わかやまけん）は、紀伊半島（きいはんとう）の南西部（なんせいぶ）に位置（いち）します。県（けん）の面積（めんせき）の大部分（だいぶぶん）は、紀伊山脈（きいさんみゃく）を中核（ちゅうかく）とする標高（ひょうこう）1,000m前後（ぜんご）の山岳地帯（さんがくちたい）で森林（しんりん）や川（かわ）など自然が豊（ゆた）か。海（うみ）に面（めん）した市町村（しちょうそん）も多（おお）いため、海水浴（かいすいよく）や海（うみ）のアクティビティも盛（さか）んです。
和歌山は、南北（なんぼく）に縦（たて）長（なが）い地形（ちけい）で北部（ほくぶ）と南部（なんぶ）で気候（きこう）は異（こと）なりますが、全国的（ぜんこくてき）には夏（なつ）は高温多湿（こうおんたしつ）の気候（きこう）で、冬（ふゆ）は比較的（ひかくてき）暖（あたた）かく過（す）ごしやすい気候（きこう）の県（けん）として知（し）られています。ちなみに大阪駅（おおさかえき）から和歌山駅までは、快速（かいそく）や特急電車（とっきゅうでんしゃ）を使えば1時間～1時間半ほどで行けます。
和歌山がサイクリングに適している理由
和歌山は、難易度（なんいど）の高（たか）いサイクリングコースを求（もと）める人（ひと）から、海岸沿いの景色（けしき）を楽（たの）しみながら高低差（こうていさ）の少（すく）ないサイクリングルートを走（はし）りたい人まで、どんなサイクリストも満足できるエリアです。
また、気候（きこう）が温暖（おんだん）なため、ほとんどのルートが一年中（いちねんじゅう）楽（たの）しめます。春（はる）の桜（さくら）や秋（あき）の紅葉（こうよう）など、四季折々（しきおりおり）の景色（けしき）の変化（へんか）もあるため、毎回（まいかい）違った景観（けいかん）を楽（たの）しめるのも魅力（みりょく）です。また、和歌山は自転車で観光スポットを周る旅行者が多いことから受（う）け入（い）れ体制（たいせい）もしっかりしてあり、自転車（じてんしゃ）を安心（あんしん）して屋内（おくない）に保管（ほかん）できるサービスを提供（ていきょう）する宿泊施設（しゅくはくしせつ）もあります。
和歌山のサイクリングコースTOP3
和歌山県（わかやま）には、おすすめの自転車旅ルートがたくさんあります。今回（こんかい）は、その中（なか）でもとくに人気（にんき）の高（たか）い3つのルートを紹介（しょうかい）します！
日本遺産めぐり：黒江～和歌浦～加太コース
このコースは、JR海南駅（かいなんえき）を起点（きてん）に、漆器（しっき）の街（まち）「黒江（くろえ）」の街並（まちな）みを眺めながら、和歌浦などの海岸沿いを走るサイクリングコースです。
まず、スタートはJR海南駅（かいなんえき）から。日本有数（にほんゆうすう）の漆器の産地「黒江」の、町屋（まちや）が規則（きそく）正（ただ）しく並（なら）ぶ美（うつく）しい街並（まちな）みを楽（たの）しみながら、和歌山市（わかやまし）の郊外（こうがい）に沿（そ）って進（すす）みます。
ちなみに、コースで唯一（ゆいいつ）登（のぼ）り坂（ざか）の多（おお）い雑賀崎（さいがさき）エリアでは、灯台（とうだい）から漁師町（りょうしまち）を眼下（がんか）に、素晴（すば）らしい絶景（ぜっけい）を観（み）ることができます。ただし、雑賀崎エリアは一般（いっぱん）の住宅街（じゅうたくがい）で、狭（せま）い坂道（さかみち）や階段（かいだん）が多（おお）いため、観光（かんこう）には注意（ちゅうい）が必要（ひつよう）です。
淡島神社（あわしまじんじゃ）は、3月3日ひな祭（まつ）りに開催（かいさい）される「雛流し（ひなながし）」の神事（しんじ）で有名な神社。境内（けいだい）には何千体（なんぜんたい）ものひな人形（にんぎょう）が飾（かざ）られています。淡島神社を出発（しゅっぱつ）したら、和歌山駅から北上（ほくじょう）し、加太駅（かだえき）へ。
- 距離：35.6km
- 所要時間：約2.5時間
- 出発地：和歌山からJR紀勢本線（きのくに線）で15分、海南駅下車。
海岸線ルート：白浜～恋人岬～枯木灘コース
このサイクリングコースは、潮風（しおかぜ）香（かお）るビーチリゾートや、和歌山を代表（だいひょう）する海（うみ）の絶景が楽しめるコース。開放感（かいほうかん）があり、都会（とかい）暮（ぐ）らしの疲（つか）れを癒（いや）したい人（ひと）におすすめです！
まずサイクリングのスタートは、白（しろ）い砂浜（すなはま）と温泉（おんせん）、夏（なつ）の花火（はなび）で知（し）られる白浜（しらはま）から！
白浜（しらはま）で、千畳敷（せんじょうじき）や円月島（えんつきしま）など、自然が生み出す造形美（ぞうけいび）を楽（たの）しんでから、道の駅（みちのえき）内（ない）にある「椿（つばき） はなの湯（ゆ）」を目指（めざ）してサイクリング。自転車旅の疲（つか）れを天然温泉（てんねんおんせん）で癒（いや）しましょう。アップダウンのある海岸沿（かいがんぞ）いの道（みち）や、恋愛（れんあい）パワースポット・恋人岬（こいびとみさき）などにも立（た）ち寄（よ）り終点（しゅうてん）JR江角駅（えすみえき）へ。
移動（いどう）に約4時間ほどかかりますが、定番（ていばん）の海の絶景を一通り満喫できます。見どころが多いので、写真撮影（しゃしんさつえい）や観光（かんこう）の時間（じかん）もしっかり確保（かくほ）してくださいね！
- 距離：57km
- 所要時間：4時間
- 出発地：JR白浜駅は、大阪・天王寺駅から特急「くろしお」で約2時間20分
ツール・ド・熊野ルート：熊野速玉大社～那智の滝コース
「ツール・ド・熊野（くまの）」の愛称（あいしょう）で親（した）しまれているこのルートは、熊野古道（くまのこどう）の名所（めいしょ）を巡（めぐ）りたい方におすすめのルートです。古代、熊野詣（くまのもうで）は徒歩（とほ）で行（おこな）われていましたが、現在（げんざい）は自転車や、観光バスツアーなどで参拝するのが一般的（いっぱんてき）です。
このコースでは、JR新宮駅（しんぐうえき）をスタートし、まずはユネスコ世界遺産（せかいいさん）の「紀伊山地の霊場と参詣道（さんけいみち）」にも登録（とうろく）されている神社の1つ・熊野速玉大社（くまのはやたまたいしゃ）へと向（む）かいます。つづいて、那智（なち）の滝（たき）や熊野那智大社（くまのなちたいしゃ）などへも訪（おとず）れます。ルートの途中（とちゅう）で立（た）ち寄（よ）る那智勝浦町（なちかつうらちょう）は、生鮮（せいせん）マグロの漁獲量（ぎょかくりょう）が日本一（にほんいち）。新鮮なマグロ丼やお寿司も見逃せません！
- 距離：52km
- 所要時間：約3時間30分
- アクセス Jr.新宮駅は和歌山駅から特急「くろしお」で約3時間20分の距離
和歌山のレンタサイクル事情
自転車での観光が人気の和歌山では、観光スポットや駅周辺、ホステル、カフェなど、さまざまな場所（ばしょ）がレンタサイクルサービスを提供しています。また、南紀白浜（なんきしらはま）マリオットホテルのように、宿泊者限定（しゅくはくしゃげんてい）でレンタサイクルを実施（じっし）しているホテルもありますから、ぜひ和歌山を訪れた際には、宿泊先や地元（じもと）の観光案内所（かんこうあんないじょ）などにレンタサイクルショップについて聞（き）いてみるといいでしょう。
なお、紹介した海岸線ルートやツール・ド・熊野ルートは、傾斜（けいしゃ）の激（はげ）しい道を走ることになるので、坂道（さかみち）でも楽（らく）に走（はし）れる電動（でんどう）アシスト付（つ）き自転車の利用をおすすめしますよ。
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